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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第58話VSサードユニット(UBTS )

 ファーストユニットと戦う前にまずはサードユニットに勝利せねばならない。とは言え、セカンドユニットとサードユニットには、ほとんど実力差はない。同じ条件で戦うと言う事は、小さなミスが命とりになりかねないと言う事でもある。強いて言えば、セカンドユニットの方が精密な射撃力を持っているという位の差しかない。普段は仲間として戦う4つのSST部隊が技術を競い合う。それはあまり心地の良いものでは内心無いだろう。準決勝第一試合は下馬評通りファーストユニットがフォースユニットに30秒近い大差をつけて勝利。一足先に決勝進出を決めた。

 「流石って所か?」

 「ああ。全く無駄が無い。」

 「おいおい、こんなの想定内じゃんかよ?」

 「まずはサードユニットを倒さなければならない。」

 先攻はサードユニット。スムーズに"ノアの箱船"に辿り着くと、セカンドユニットの想定を越えるスピードで障害を超えて行った。

 「そこまで!サードユニットのタイムは1分31秒07。」

 「すげぇ。ファーストユニットのタイムと1秒差。これはセカンドユニット流石にやべんじゃね?」

 「ああ、想定外のタイムではある。」

 「スーさん、潜入班の方は任せた。」

 「作戦通り行けば1分30秒をきれるはず。」

 「突撃班も作戦通り頼むぞ!」

 「おす!」

 ノアの箱船のどこに射撃ポイントがあるかを知らないセカンドユニットではあったが、8人の隊員を個人行動にする事により、タイム短縮に繋げようと画策していた。ノアの箱船は比較的狭い船なのでこれは好判断かもしれない。しかしそれは、SSTの突入部隊としては、有り得ない"禁じ手"であった。ノアの箱船の地図を手にする前から担当場所を決めており、ターゲットを全て捕捉するには格好の策であった。神隊長に言わしめれば勝ったも同然の作業であった。

 「よーい、始め!」

 「お、おいおい。あれ見ろ!セカンドユニットは隊列組んで無いぞ!?」

 「隊列を組んでじっくり攻略しなければならないというルールはないからな。」

 「中野2正、こんなのありなんですか?」

 「まぁ、言うてもたかがUBTSじゃないか。」

 「制圧!」

 「そこまで!タイム、1分0秒2!」

 「すげぇ!セカンドユニットぶっちぎりのタイムでサードユニットに完勝!」

 「セオリーを無視するとは考えませんでしたよ神隊長。」

 「悪いがサードユニットはアウトオブ眼中なんだ。すまん。」

 「なーぬぅ。こんなやり方して良いと思っているのか?」

 「大事なのはリザルト(結果)ですから。それにルールは厳正に守っている。やり方がどうであろうと、勝ちは勝ちだ。」

 これで、明日の決勝戦は下馬評通りファーストユニットVSセカンドユニットの顔合わせとなった。しかし、セカンドユニットの奇策は決勝では使えない。決勝戦の科目はユニット同士の対人戦であるからだ。

 「対人戦?実弾を使うんですか?」

 「そんなわけ無いやろ?当たっても怪我をしない特殊ペンキ弾を使用する。ペンキ弾に触れるとその時点で失格。退場となる。」

 「その判定は誰が見てるんですか?」

 「審判部とサードユニット、フォースユニットに手伝って貰い判定する。先に5人の隊員をペンキ弾でしとめられた方の勝利となる。」

 「その特殊ペンキ弾の試し撃ちをしたいのですが?」

 「駄目だ。ぶっつけ本番だ。」

 「ただでさえ分が悪いのに…。」

 過去に行われたUBTSでは、全てファーストユニットが優勝しており、セカンドユニットは準優勝に甘んじて来た。今回こそ優勝してやる。セカンドユニットのメンバーはそう思っていた。

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