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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第55話シン・内通者

 「ロシアとゲロッグにはそんな関係があったとは…。」

 「私も最初は耳を疑ったよ。」

 「林次長はもう内通者をご存知なのですか?」

 「あぁ、本庁の山中一乙だ。今頃は特別警備隊に囲まれて拘束されている頃だろう。」

 「荒巻2士の件は誘拐ではなく、逃亡行方不明と言う認識でよろしいでしょうか?」

 「そうだな。深追いするのは、かなり危険だからな。それで手続きを進めてくれ。」

 「同僚にはどう説明しましょうか?」

 「ありのままを伝えてくれ。ゲロッグのスパイだったと。」

 「ですが次長!セカンドユニットの隊員の心労は推し測るものがあります。」

 「そこは、神隊長の力でなんとかしてくれよ?」

 「お!山中一乙の身柄が確保された様だ。私は尋問に向かう。神隊長はセカンドユニットのセルフケアに努めてくれ。」

 「了解しました。」

 山中治一等海上保安監・乙は、話によると金目当てで約5年前から、ゲロッグのスパイを海保内部に数名をリクルートしたと言う。一乙と言う地位を利用した悪質な手口だった。特に報酬が良かったのは、SSTの矢部や荒巻であり、最高傑作だと話をしているから呆れる。秘匿性の高いSSTや特別警備隊の動きはゲロッグはおろか、ロシア政府にも筒抜けであったという。今回のスパイ騒動で、5人のスパイを検挙し海保から追放した。山中一乙もスパイ取り締まり法違反で身柄を検察に送検した。今後の捜査で事件の全容解明が望まれる。

 「え?荒巻がゲロッグのスパイ?」

 「あぁ、通信記録からも、荒巻とゲロッグの最高幹部であるドストネムスキーとの通話が確認されている。しかもロシア語で何度もだ。」

 「言われてみれば荒巻の奴ロシア人っぽい見た目してたかもしれないっすね。」

 「しかし流暢な日本語で話とったで?あないな日本語付け焼き刃でどうにかなるもんやないですよ?」

 「海保校に合格する位だからな。相当日本語を勉強したのであろう。」

 「略歴をみるとモスクワ大学の外国語学部日本語学科を中退してゲロッグに入信してますね。」

 「入信…。って確かにゲロッグは宗教的な側面もありますからね。まぁ、これ以上は内通者は一掃出来ただろう?」

 「と言うか俺達骨抜きやないすか?」

 「重要情報にアクセスしていた形跡も確認されている。あわよくば日本の海上警備力を無効化させる事も不可能ではない。ただ、ゲロッグはスーダンから撤退しており、日米の行った空爆は意味があったかと。」

 「喜望峰周辺の攻撃にも成功しており、ロシアに撤退した所を見ると、大規模なシージャックは諦めたのかもな。」

 「荒巻の奴セカンドユニットにしっかり溶け込んだかったと思っていたのにな。」

 「まぁ、矢部さんの時よりダメージ少ないだろ?」

 「ったく、security-teamとか言ってsecurity甘甘じゃねーか?」

 「知られた所でどうって事ねーよ。安心しな。テロリストと正規保安官じゃあ実力差は雲泥だ。」

 「そうだぜ。俺達ポセイドンズじゃねーか!情報が少し漏れた位でどうって事はない。」

 「とは言え、部隊運用に関しては再編の必要があるかもな。」

 「それは本庁(うえ)の仕事であって、現場の仕事じゃねーよ。」

 「それは確かだな。」 

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