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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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54/103

第53話荒巻の事件

 事件は突如起きた。

 「何?荒巻が帰隊していないだと?」

 「はい。」

 「そんな事をしでかす奴には思えないがな。」

 「おい!これを見ろ!?」

 「荒巻はいただいた。解放して欲しければ一億円を3日以内に用意しろ。用意出来なければ荒巻2士の命はない。」

 「マジかよ?」

 「大阪府警に応援を要請してくれ。」

 「了解しました‼」

 「3日で一億なんて現実離れしとるやろ?」

 「海上保安官が誘拐事件に巻き込まれるなんて、海保創設以来の大事件やで?しかもSST隊員が誘拐されるとは海保も随分舐められたものだな。」

 その頃京都では…。

 「もう芝居は良いか?」

 「あぁ、これであの憎き海保から金と名誉を奪い取れる。」

 「身代金はフィフティフィフティつまり五千万円は俺のものって話だったよな?」

 「あぁ、だが死人に金は要らんだろ?」

 「どういう事だ?」

 「貴様の命は後3日。お仲間が助けに来ると良いな。」

 「汚いぞ、ゲロッグ!」

 「貴様の命なんかどうでも良いんだよ。SSTのセキュリティも甘いな。ゲロッグの兵士を後生大事に育ててくれるんだからな。」

 「荒巻を拘束しろ!」

 「っくそがぁ!」

 「20年間ゲロッグで大切に育ててやったじゃねーか?その恩を忘れたのか?」

 「一度たりとも忘れた事はねぇよ、おじき。」

 「天涯孤独の貴様の様な奴は俺達ゲロッグにしてみれば、格好の金の成る木だ。日本語を教え日本の高校へ進学させ日本国籍まで取得させた。海保校に入れてやったのも全てはこの事件を起こさせ演出する為。身代金はボーナスみたいなものだ。」

 「おじきが計画を?」

 「すまんな荒巻。」

 「ま、海保が3日で一億円を用意する事は出来んだろ?何だその目は?まさかSSTの仲間が助けに来てくれると思ってはいないよな?」

 「SSTを舐め過ぎだぜ、おじき?救出には必ず来る。そうなったら軽武装のお前らなんかあっという間に制圧されるぞ?」

 「おい!牧野?アレ見せてやれ!」

 「へい、閣下。」

 「こっ!?これは?」

 「これからお前は俺達と共にロシアに亡命する。ま、元々テロリストなんだし亡命するも何も無いんだがな。」

 「ゲロッグの実質的な支持母国のロシアへ??」

 「流石のSSTでもロシアまでは追っては来れまい。」

 「おじき!この日の為に俺を日本の海保に入れたのか?違うよな?違うって言ってくれよ?」

 「ニコライ、すまんな。」

 「そうだ、俺はセルゲイ・ニコライ。荒巻司は偽名だ!」

 「組織を強くする為だ。ニコライ、潔く死んでくれ。」

 「おじき、俺何でもやるからさ、命だけは助けてくれよ?」

 「見苦しいぞ!ニコライ?貴様は逃げようと思えば、いくらでも逃げるチャンスはあった。それが結果はどうだ?全て海保や米軍の言いなりではないか。私達ゲロッグにしてみれば不利な事ばかり。全部聞いていたぞ?セルゲイ。貴様はゲロッグの裏切り者だ!」

 「どうせ俺は噛ませ犬さ。身代金なんかいらねぇ。それにゲロッグは正しい事をしているのか?日本や米国に立ち向かうなんて勇ましい事を言っているが、所詮テロリストの集まりじゃねーか。」

 「やめろ。ニコライ?マジで消されるぞ?」

 「殺るなら殺れよ!この世に未練なんか無い。俺にもっと力があれば、もっと違う道もあったのかもな。」

 「ニコライ、貴様の言いたい事は分かった。3日間は命の保障はしてやる。それ以上生きたければ組織に忠誠を誓え。良いな?」

 「否と言えばこの秘密もろとも消すつもりですね…おじき?」

 「すまんなニコライ。潔くここで死んでくれ。」

 「つまんねー奴を家族に持つと、こういう事になるんだな。」

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