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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第6章・第51話ある部下の死

 「ところで荒巻の奴はものになりそうか?」

 「自分の見立てでは一端の海上保安官になると思いますよ?」

 「そうか…。大山や矢部さんの代わりにはならんか…。」

 「まぁ、それなりの戦力(たま)にはなりますよ。」

 「そうか、訓練を続けてくれ。」

 「はい。」

 と言うものの、荒巻はすこぶる成長していた。少し見ぬ間に荒巻は海上保安官の顔になっていた。そして、セカンドユニットには、本庁から一人の男が派遣された。名は鷺坂大介(さぎさかだいすけ)一等海上保安士が潜入第一班に配属された。これで矢部元隊長がいなくなって以来の空位状態は解消された。鷺坂一士は元々特別警備隊出身で、願ってもない即戦力であり、コミュニケーション能力の高いSST隊員であった。

 「なぁ、ノムケン?セカンドユニットに特命を出そうと思うのだが、どうだ?やってみるか?」

 「生憎様、今は新人も入ってきて間もないです。他のユニットにお願いして下さい。」

 「ボーナスはたんまり弾むと山久長官は言っておられたが?」

 「神隊長、大山さんや矢部元隊長の代わりに荒巻や鷺坂が成れると思いますか?」

 「まぁ、今すぐにとは行かないだろうな。でも鷺坂なんて元々特別警備隊員だぞ?本庁からの出向者とは言え、実力は申し分無い。荒巻もしっかり成長している。あとは実戦でどれだけ調和が取れるかだな?」

 「それで?その特命とはなんでしょうか?」

 「米国海兵隊とSSTによるシージャック制圧訓練だ。」

 「訓練なのにボーナス弾むんですか?ちょっと意味不明なんですが?」

 「考えても見ろ。世界最強クラスの米国海兵隊との制圧訓練だぞ?」

 「まぁ、確かにガキんちょが大人とタッグを組む様な話ですもんね。」

 「いや、俺達SSTは米国海兵隊から見れば赤ん坊同然。」

 「どのユニットもやりたがらない訳ですね。」

 「まぁ、俺に言わせればセカンドユニットも米国海兵隊もそこまで言うほどの実力差はない。ノムケン!胸を借りるつもりでどうにかやってくれないか?命の保障はする。訓練だからな。」

 「神隊長にそこまで言われてはやらない訳には行かないじゃないすか?」

 「ワリィな。」

 「まぁ、異種格闘技戦位の感覚でやってみてくれ。それにこの経験値は大きいと思うぞ?しかも先方(米国海兵隊)の方から日本政府に依頼して来たらしいぞ?」

 「それなら普通は海自が担当なのでは?」

 「知らんけど、海自も色々あるんちゃう?」

 と言う訳でSSTセカンドユニット8名は米国海兵隊とのシージャック制圧訓練に臨む事になった。

 「あーあ。マジでダルい。」

 「ノムケン班長、俺達これで飯食ってんすから、しっかりやりましょうよ?」

 「すぐ終わるだろ?つーか米国海兵隊もそんな暇じゃないって。」

 「海自がやれよな。」

 「まぁ、その言い分は分かるが、シージャック制圧能力がほぼ0のSSTにとっては願ってもないチャンス。と考えるのがポジティブだな。」

 とまぁ、セカンドユニットも中々乗り気ではなかったが事の他訓練はすぐ終わった。射撃訓練もなし。ただの連携確認をしていたのか?お互いの実力を隠したまま、一時間ばかりで訓練は終了した。

 「神隊長?こんな楽勝な訓練ならいくらでもやりますよ?」

 「だろ?だから言ったじゃねーか?大人と赤ん坊の戯れだって。」

 訓練は成功し(つーか何もしてない)いざと言う時のオプションがまた一つ増えたSSTであった。

 「それより、最近ゲロッグのテロ事件少なくなりましたね?」

 「ニュースにもならない小さな事件しか起こしていない。」

 「徹底した米軍の空爆で、ゲロッグの中堅幹部が殺られて、どうやら機能不全に陥っているらしい。」

 「そうなると、誰かがまたゲロッグを再興する可能性はありますよね?」

 「あぁ、SSTにも出番が来るかもな?まぁ、こう言うのはイタチごっこになるのが通例だからな。」

 「くそ!ゲロッグめ…。」

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