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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第50話人間神海人の責任

 それから8ヶ月。神海人と妻裕子の間に男の双子が無事生まれた。

 「裕子、よく頑張ったな。」

 「うん。海人もね。」

 「名前どうしようか?」

 「一郎、次郎って訳にはいかないしな…。」

 「正志(まさし)剛志(つよし)!」

 「それ良いかも。」

 「人間神海人の責任で命名した。」

 「てゆうか、どっちも似てて見分けつきにくいわ。」

 「髪の毛が濃いのが剛志で薄いのが正志だよ。」

 「本当ね?言われてみれば。」

 プルルプルル

 「裕子、ゴメン仕事のTELだ。ちょっと席外すよ。」

 「良いよ。」

 「何だよ?ノムケン?トラブルでも発生したかこんな夜中に?」

 「隊長!大変なんですよ。ゲロッグの極東支部が東京都内にある事が判明しまして、これから警視庁と合同でガサを入れに行く所で一応報告を。」

 「セカンドユニット単独か?」

 「念の為サードユニットも随行させております。」

 「分かった。俺はいた方が良いか?」

 「いえ、隊長は育児休暇中ですので、自分達で対応します。」

 「分かった。くれぐれも無茶はするなよ?」

 「はい!」

 「何?出場?」

 「いや、大した事は無いって。一応報告したって言ってた。」

 「今育児休暇中でしょ?業端の電源切っとけば?」

 「いや、そう言う訳にはいかない。これは緊急事態用の業端だ。SST隊長として電源を切る訳には行かない。」

 「そう言えばさっき主治医(せんせい)が来て、体調が良ければ二、三日で退院出来るってさ。」

 「マジか!?やったぁ‼」

 「家汚くして無いわよね?」

 「大丈夫。家では寝るだけだから。汚しようが無い。」

 「食事は?」

 「家の事情を知った次長が三食基地でとる事を認めてくれた。だから、大丈夫。」

 「冷蔵庫の中のいらないもの整理しておいて‼それから哺乳瓶とミルク用意してくれると助かる。あと、おしめ。」

 「OK!あといるものは?」

 「大きめのベビーベッド一台追加で。」

 「了解。(子育ては金かかるんやな。)」

 それから三日後、妻の裕子と双子のベビーが退院してきた。家の中は掃除して綺麗になっていた。

 「ベビーベッド一台追加でって言ったよね?」

 「そこにあるじゃん?段ボールベッドが?」

 「はぁ?ここは避難所じゃないのよ?」

 「仕方ねーだろ?入院費にその他諸々。」

 「まぁ、それもそうね。節約出来る所は節約しないと。大丈夫。この段ボールベッド寝返りもうてるし、寝心地悪くないと思うよ。」

 とまぁ、慣れない育児に奔走するSST隊長神海人であった。

 「で、ガサ入れの方は?どうだったんだ?」

 「情報が漏れていたのかゲロッグの極東支部と見られる建物には何もありませんでした。」

 「何?情報が漏れていただと?」

 「はい。恐らく。」

 「情報の出所を即座に分析しろ。」

 「はい。」

 「警視庁にも引き続き捜査依頼を継続して、ゲロッグの極東支部を壊滅させろ!」

 「神隊長?少しよろしいですか?」

 「どうした?」

 「本当にゲロッグは極東地域に事務所を構えているのでしょうか?」

 「どう言う事だ?」

 「ここ数ヵ月ゲロッグは音沙汰はありません。」

 「それはそうだろ?米国海兵隊と協力してゲロッグは壊滅寸前まで追い込んだ。」

 「その日米の戦力が集中する東京に支部を開設するメリットが無く、そのリスクを犯してまで日本に拠点を置くのは無理があります。」

 「じゃあどこにゲロッグの極東支部はあるんだ?」

 「確実な事は申し上げられませんが…。」

 ゲロッグの拠点があくまでも日本国内あると推測している神と、拠点はあくまでも海外にあると見ているセカンドユニット班長のノムケンの考えは真っ向から対立していた。それでも神は日本の安全が保障されるまでは、ゲロッグを追うと決めていた。 

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