表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/103

第48話事の真偽

 調査が本格的に進むと事の真偽(しんぎ)が分かってきた。結果として矢部隆史はジャンと言うゲロッグのテロリストであり、ジャンは多額の金銭トラブルを起こしていた事も分かっていた。SSTでの給与等はゲロッグが実効支配する金融機関に送金されており、記録が残っていた。これでジャンがゲロッグのテロリストである事が証明された。

 「なんだ、結局本物の矢部さんはとうの昔にジャンと言うゲロッグのテロリストと入れ替わってたのか…。」

 「俺達騙されてたんやな。」

 「どのみち矢部さんを語りSST隊長にまでなった、そのジャンと言うテロリストも死んじまったからな。証拠もほとんど残してないみたいだし、俺達の情報はゲロッグには筒抜けだったんだな。不覚にも。」

 「本庁警備課としても、汚点だろうな?」

 「まぁ、どんな理由にせよ、気付かなかった俺達にも責任の一端はあるよな。」

 「矢部さんが入隊した頃はSSTの規模も、今より小さくセキュリティも甘かった様だな。矢部さんは優秀な学生で本庁からも信頼されていただけに、チェック機能も麻痺していたんだな。」

 「調べによるとゲロッグも、当時は日本だけでなく諸外国に工作員を送り込み外貨の獲得と世界各国の戦力を確認していたらしい。」

 「それを今ここで議論しても仕方無いと思いますが?」

 「どんな形にせよ、俺達はゲロッグのテロリストと勤務してたのは紛れもない事実だ。」

 「残念だがそれは認めざるを得ないな。」

 と、SST隊員達は矢部の替え玉事件に無念さを滲ませていた。

 「信じてたのによ!」

 「いや、それ皆そうやろ?」

 矢部の下で働いていたSST隊員達は、事の真偽が判明した今でも、その事実を受け入れ難かった。

 「神隊長はそんな事無いですよね?」

 「当たり前だ。まぁ、ジャン仕込みだがな。」

 「でも神隊長は保大出のキャリアだから、いつまでもSSTの隊長ではいてくれませんよね?」

 「まぁ、それはそうだな。巷ではSST改革をするって話も浮上している様だが。」

 「え?マジすか?俺首をきられたら行くとこねーっすよ?」

 「いや、そう言う事じゃなくて意識改革だろ?」

 「再発防止っすよ。」

 「保大出のキャリア組には関係無い話か?」

 「ノムケン?軽はずみな事言ってると、セカンドユニットの班長職を解くぞ?その権限はあるんだからな?」

 「あぁ、すみません。それだけは御勘弁を。」

 「確かにスーさんの方が班長向いてるかもな?」

 「貴史(ノムタカ)!実の弟でも言って良い事と悪い事があるぞ?」

 「まぁ、待て。そう、あっちもこっちも人事をいじるべき時ではない。今は。いつ辞令が来てもおかしくはないんだ。ジャンの事は忘れろとは言わん。だがそれは心の中にしまっておけ。いいな?」

 「そうですね!神隊長の言う通りですね。」

 「いつまたゲロッグが工作に走るか分からん。総員24時間365日非番の時も気を抜くな!」

 「はい!」

 神隊長の言う通りであった。これ位の事で内部分裂する様では敵の思う壺である。例え情報が漏れていても、そんな事は関係無い。俺達はポセイドンズなんだ!殺れるものなら殺ってみろ!それに本庁警備課の話ではあるが、ジャンに指示をしていたゲロッグのテロリスト(幹部)は、全員殺害したとの事である。だから、必要以上に敵を恐れる事は無いと神隊長は主張した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ