表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/103

第38話帰国

 米軍と自衛隊及び海保による"ゲロッグ討伐作戦"の様子はマスメディアでも多く取り上げられ、帰国した自衛隊員や海保隊員等は英雄視された。まぁ、そんな事は二の次でまずは全員が無事に帰ってこられた事を林次長に報告していた。

 「よくやったぞ!神隊長!これでひとまずは安心だな。」

 「はい。大山の墓前にも良い報告が出来ます。ところで、マスコミがやたらとさわいでいましたが?」

 「それは気にするな。大した事じゃない。」

 この時はまだ、SST隊員にはその真意が分からなかった。

 「テレビつけるとさ、"米軍と一緒に戦った男たち"とか言ってんだよ。」

 「つーか何でその情報が漏れているんだ?」

 「さぁな。差し詰め海保のスポークスマンがポロリと情報を漏らしたとか?」

 「流石にSSTの動向や行動内容までは、触れられてないみたい。寧ろSSTの関与すら明かしていない。」

 「思い出してもみろ、俺達なんかよりも米国海兵隊の方が情報統制にはうるさかっただろ?」

 「確かに。」

 「まぁ、今回は海保の巡視船2隻と海自の護衛艦3隻と潜水艦1隻が米国海軍中央艦隊旗艦原子力空母ロナルド・レーガンを護衛したのは事実だからな。ただ、そこにSSTが紛れ込むと知っている人間はわずかだ。」

 「まぁ、良いじゃないすか?悪い奴等を退治しただけなんですから。林次長の言っている通り大した事じゃないだろう?」

 それから二週間ゲロッグ討伐作戦に参加したSST隊員は特別休暇を貰った。

 「しかしよ、よくあんな装備で米国海兵隊についていけたよな?」

 「確かに。」

 「日頃の訓練の賜物だろ?」

 「つーか米国海兵隊にしてみれば、SSTでも足手まといだったんじゃねーか?」

 「それは言えてるかもな。実際ついて行くだけで精一杯だったし。」

 「ゲロッグもこれに懲りてシージャックとかテロとかやめてくれたら良いのにな。」

 「喜望峰周辺のゲロッグは討伐したけれど、まだ残党がいるだろ?」

 「あー。考えただけでしゃらくさいわ。」

 「おい!これ見ろ!」

 「どした?」

 「中国の怒り~ゲロッグ消滅の余波~」

 「そっちの方がまずくね?」

 「今や世界最強の中国共産党人民解放軍が心血を注いで作り上げたゲロッグが日米同盟により破滅された。流石に今回は踏み込んだ作戦だったかもな。」

 「仕方無いよ。喜望峰周辺海域の安全保障は担保されていないと。」

 「中東の安全神話はとっくに崩れてるしな。」

 「とは言え中国共産党にしてみれば、弟分を無くしたにも等しい事。これで台湾や日本領土に侵攻する道義的理由を与えてしまった様だな?」

 「ま、ガチの戦争になっても自衛隊や米軍がいるから、大丈夫だろ?」

 「SSTは直接戦争に介入出来ないからね。」

 「ノムケンさん、何当たり前の事言ってんすか?」

 「え?」

 「まぁ、それはさておき、これからは一段と情報統制に努めねばならん。」

 「幸いSST隊員の顔バレは無かった。SST隊員の個人情報は守られているはずだ。」

 と、まぁ色々あったがゲロッグへの大規模攻撃により中国を刺激してしまったのは、どうやら事実である。米国の国力衰退による日米同盟の弱体化は誰の目にも明らかであった。海保としても、日米同盟の穴埋めにSSTを利用された事は甚だ遺憾ではあったが時代の流れなのかもと思えた。大山の死から3ヶ月。神隊長率いるSSTは、今度は中国と言う脅威にさらされる事になる。そんな事とはつゆ知らずSST隊員等は毎日訓練に明け暮れていた。

 「神!ちょっと良いか?」

 「はい!」

 「ゲロッグの残党が中国のサポートで新たなテロ組織を立ち上げた。ネオゲロッグだ!」

 「マジすか?」

 「マジだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ