第33話次長の英断
「次長!?」
「待たせたな。」
シージャック発生の一報から30分。林真玄次長が対策本部の置かれている特別警備船いずに来た。
「神隊長、現場の状況は?変わらずか?」
「A船にファーストユニット8名を、B船にセカンドユニット7名をリペリング降下させて各船内を調べさせています。」
「ゲロッグはまだ犯行声明を出していないが?」
「A船には100人以上のゲロッグ戦闘員が、B船には50人以上のゲロッグ戦闘員を確認しています。内偵の結果国際テロ組織ゲロッグの犯行と見て間違いなさそうです。」
「人質の様子は?」
「分かりません。しかも、A船とB船共に巨大なオイルタンカーであり、銃撃戦にでもなれば、流れ弾で大火災が起きる可能性があります。その為、SST単体での突入には大きなリスクがあり、慎重にミッションを行っており、援軍を待っている状況です。」
「援軍?SSTだけではなんとかならんのか?」
「今特別警備船いずに特別警備隊員が30人います。A船に20人、B船に10人送りたいと考えていますが、林次長の指示を待っている状況です。どうか御英断を!」
「その人数で制圧出来るのか?」
「特別警備隊員と合流し次第突入する予定です。」
「分かった。これで駄目なら海自の力を借りるしかない。」
「了解しました。特別警備隊員の皆さん装備の確認はよろしいですか?」
「はい!いつでも行けます!」
「ではヘリAに10人、ヘリBに20人乗って下さい。ヘリAはB船に、ヘリBはA船に向かって下さい!」
「了解!テイクオフ。」バタバタバタバタ
「大山2正、これから5分以内に20人の特別警備隊員が後方支援隊としてA船に向かう。合流しA船を制圧せよ!それからノムケン?B船の方にも10人特別警備隊員が行く。急ぎ合流しB船も制圧しろ!」
「了解!」
「ほい来た援軍!」
「尚、突入にあたっては正確な射撃を心がけてくれ。先手必勝、反撃する間を与えるな。」
「こちらファーストユニット班長大山。20人の特別警備隊員と合流。現在ブリーフィング中。」
「セカンドユニットも特別警備隊員10人と合流。現在ブリーフィング中。」
「次長いつでも行けます!」
「失敗は許されんぞ。海保の顔に泥を塗るなよ。」
「それは各員理解しています。」
「A船制圧準備よろし!」
「B船制圧準備よろし!」
「突入!」バーン!
と、マリンマグナムがドアをこじ開けると同時にファーストユニットとセカンドユニットはそれぞれ突入した。
「来たかポセイドンズ!」
「急げよ!ファンブル(自爆)されちゃかなわねぇ。」
「突入速度を落とすな。」
「上!スナイパー!」
「任せろ!」ズドズド
「うぉ!?」
「相変わらず、すげぇ射撃力してんな。助かったぜ。サンキュ。」
「無駄口叩いて無いで先進むぞ。」
「すんません。」
「こちら、セカンドユニット突一。B船人質15名確保しました。至急ヘリにて搬送願います。」
「こちらファーストユニット突一。A船人質10名を確保しました。こちらにもヘリを!」
「まだ他に人質はいないか捜索しろ。ゲロッグ戦闘員の残党には気をつけろ!」
「ここがブリッジ(艦橋)か…。」
「まだ、残党がいる気をつけろ!」
「はい。」
「大山2正、後ろ!!」ズドズドド
「うぉ!」
「伏せろ!」ズドズドズドズド
「うわ!?大山2正が撃たれました。至急ヘリを!」
「やっちまったぜ…。」
「何言ってるんですか?このくらいの傷。(やべぇ。弾丸が胸元を貫通してる。)」
「野田3正、大山2正の意識がありません!!」
「とにかく急いで搬送だ!」
その頃対策本部では…。
「大山2正が撃たれた!?」
「意識もないらしい。」
「人質全員救助は見事だったのだがな。」
「大山死ぬなよ。」
「こちらセカンドユニットB船制圧完了しました。ゲロッグの戦闘員は全員射殺しました。」
「よし、よくやったノムケン。直ぐに撤収しろ。」
「A船も制圧完了っす。」
「野田?口には気をつけろ!」
「うぃーす。」
「そんな事より大山2正ヤバイっすよ?」
「マジか?」
「銃弾が胸元を貫通してましたから。」
「大山2正を最優先でヘリに!」
「つーか、防弾チョッキ着てたろ?」
「かなりの至近距離しかも背後から撃たれてましたからね。」
「マジかよ。」




