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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第30話模擬演習

 今回の一件で、海保は部隊運用の在り方を全面的に見直しその波はSSTにも及んだ。

 「対ゲロッグ対策」として海保は、今まで自粛して来たSSTの模擬演習を実施する事を解禁。サーブ340B型ヘリとEC225LP型ヘリを活用したリペリング技術の向上、そして指揮船ひだ型巡視船及びあそ型巡視船、つるぎ型巡視船による巡視船隊による高速接舷と気泡の出ない循環式潜水器を使用した潜水技術の向上を目的とした対ゲロッグによるシージャック特別対策模擬演習「フリーダム・スパロウ」を実施する事になった。

 配置としては、指揮船ひだ型巡視船に第5~第7ユニット(爆発物処理、救命救急、NBC対策班)を置き、あそ型巡視船にはセカンドユニットとフォースユニットを。つるぎ型巡視船にファーストユニットとサードユニットを。それぞれ配置し、海保の威信をかけた演習が始まろうとしていた。

 「スーさん、星?潜水器具のチェックは大丈夫か?」

 「この道20年の潜水屋にそんな野暮な質問しますか?」

 「自分もセカンドユニットの潜水部隊に配属されて5年。鈴木三正の様には行きませんが、他ユニットに負けない自信はあります。」

 「そうか。すまない。ファーストユニットに負けるなよ。」

 「勿論です。」

 「突撃第1班、細谷、ノムタカ?リペリング、バッチし決めて来いよ‼」

 「ノムタカさんはリペリング技術大会でいつもベスト4には残る"猛者"ですよ?」

 「細谷?人の実績じゃなく自分の長所を大事にしろ!ノムタカに勝つつもりでな。」

 「はい!」

 「突撃第2班、キム、ノムケン?準備は良いな?」

 「もちろんすよ。模擬とは言え限りなく実戦に近い訓練ですからね。」

 「気合い充分だな。」

 「ノムケン?セカンドユニットの班長として私が見きれていない部隊のアラも見えている様だな?」

 「おす!隊長はセカンドユニット以外も見なくてはなりませんから。セカンドユニットの事はこのノムケンにお任せ下さい!」

 「頼むぞ。」

 「おす!」

 「荒巻?部隊にはもうなれたか?」

 「は、はい。なんとか。」

 「オーっ。そんな答えが返ってくるとは。成長したなノムケン。」

 「荒巻のフォローも忘れるな?」

 「おす!」

 さぁ、模擬演習を始めようかとしたその瞬間であった。118番通報を入電したのだ。入電内容は日本国籍の大型タンカーがゲロッグと見られるテロリストのシージャックにあったというものであった。

 「それどこ?」

 「日本海側の京都府舞鶴港沖約2㎞の地点です。」

 「船では間に合わないな。よし、このままヘリを先行させて様子を伺おう。総員第1種戦闘配置。」

 「海自舞鶴地方隊より入電。護衛艦ひゅうがとSH-60Kヘリが現着。外からは中の様子が分からないそうです。」

 「情報共有は密に頼む。」

 「隊長!ちなみに118番通報をしたのは海自の護衛艦ひゅうがだそうです。」

 「何か不自然だな?」

 「セカンドユニットを乗せたサーブ340B型ヘリで先行させる。尚、緊急時にあっては発砲を許可する。繰り返す。緊急時にあっては発砲を許可する。」

 「ノムケン!何してる?急げ!」

 「荒巻!お前はヘリで待機だ。連れてってやりていが、隊長命令だ。」

 「分かりました。自分の事は気にせず急いで下さい。」

 「おう。」

 「サーブ340B型ヘリリペリング可能現場まで、およそ25分。」

 「ノムケン!スーさん!現着したら二手に分かれて船内を探ってみてくれ。いいな?」

 「了解!」

 ゲロッグの復讐か、それとも別組織か?それは今の段階では全く分からなかったが、九分九厘ゲロッグの仕業だと神はにらんでいた。

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