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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第29話緊急会議

 今回の内通者の件で、事態を重く見た本庁特殊警備課は山久茂海保長官に報告。長官は即座に緊急会議の開催を各局に指示した。

 「矢部隊長!?何でこんな事に!」

 「すまん。」

 と言っただけで矢部隊長と箕島渉の二人のゲロッグ内通者は、役目を終えると、その場で自害し退路を断った。結局緊急会議では、SSTの今後の人事だけを決めて終わった。新しいSST隊長には神海人が選ばれ一等海上保安正に昇進した。ファーストユニット班長には神の保大同期の大山尊(おおやまたける)が就任し二等海上保安正に昇進した。フォースユニット副班長には、野崎勇馬(のざきゆうま)三等海上保安正が就任する事になる事で人事は落ち着いた。

 「え?それで終わりですか?再発防止策とかは?」

 「そんなもんコンプライアンスの遵守でまとまる話だ。の一点張りだったよ。」

 「長官!SSTの幹部が秘匿情報にアクセスし、海保の内部機密がゲロッグ側に漏洩した可能性があるんですよ?」

 「だろうな。」

 「だろうなって、ゲロッグを舐めているから今回の様な事件が起きるんですよ?」

 「自害した二人のゲロッグ内通者、特に矢部元隊長は優秀な隊員だった。それだけに今回の一件は残念だった。」

 「でも!!…。」

 「神!その辺にしておけ。」

 「大山…。つーか俺の方が一階級上じゃんか?」

 「同期は同期だろ?」

 「まぁ、そうだけどよ。」

 「とにかくこれからはこんな事が起こらぬ様にコンプライアンスを徹底してくれ!」

 「はい!」

 「とは言え、こんな昇進の仕方はしたくなかったよ。」

 「まぁ、そうっすよね。信じてた憧れの先輩がまさかのテロリスト。心中お察しします。」

 「ノムケン?」

 「はい?」

 「セカンドユニット班長やってみるか?」

 「いやいや、俺なんかそんな器じゃ無いっすよ?」

 「正直辛いんだ。矢部元隊長の後を任されたのが。」

 「そこは神隊長のいつもの明るさで乗り越えて下さいよ‼史上最年少SST隊長!良いじゃないですか、良いじゃないですか?」

 「と言うか、緊急会議だとか言って大旗広げてたのに、決まったの後任人事だけじゃないですか?」

 「本庁としてもこれが世間にバレないようにするので精一杯じゃねーか?」

 「マスコミ対策は万全にしないとですね。」

 「いや、すぐバレますよ?このご時世。」

 「ゲロッグはIT系のテロリストでもありますからね。」

 「IT系のテロリスト?」

 「SNSやディープフェイク動画などで世論を巧みに操作するハッカー集団でもありますからね。」

 「でもそんな奴等が何故日本の海保に危険を承知で首突っ込んだんですかね?」

 「日本は島国だからな。海保(おれたち)だけじゃなく、海自にもちょっかいだしてるはず。」

 「確かにSSTは海保の最終ライン。知っておいて損はない。ここを突破されると残るは海自のみ。そう日本国民は思っているが、実はSSTを突破された段階で相当にヤバい事態になっているのは間違い無い。海自のSBUでも正直厳しいだろうな。まぁ、それはゲロッグ戦闘員(11万人)が束になってかかってきた場合の話だけどな。」

 「中国経由でスーダン本国から来れたとしても、それは非現実的だと思うがな。」

 「これ以上ゲロッグを刺激すれば日本のシーレーン防衛は一段と厳しさを増すだろうな。」

 「次長!話盛りすぎですってば。」

 「あぁ、つい本音がな。」

 「北からはロシア、西からは中国・北朝鮮それに国際テロ組織ゲロッグ。もう勘弁してよって普通思いますよね。」

 「頼みの綱は米国だろうな。」

 「全部敵に回してよく5年も世界大戦出来たよな。」

 「本当馬鹿ですよね。」

 「どう算段すれば勝てると言う発想になるのか不思議だよな。」

 「二度目はないぞ?」

 「そうですね。」

 「頼むぞ、神隊長!」

 「はい!精進します。」

 こうして緊急会議で神海人はSST隊長に成る事が決定した。

 「こんな昇進の仕方あります?」

 「あったじゃねーか?」

 「次長!」

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