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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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第3章・第21話昇進

 「神3正良かったですね!」

 「はぁ?」

 「まだ辞令見てないんすか?」

 「辞令?」

 「SSTの隊長に矢部班長がなり、神3正がセカンドユニット班長に。そしてノムケンさんが副班長に。つまり2等海上保安正にワンランク昇進って訳ですよ。」

 「俺がセカンドユニットの班長に?」

 「なんでも安田元3監が不祥事をはたらいたらしく、表沙汰になる前に首を切ったらしい。多額の横領をしたって話で、海保は欠員補充の為、人選を急いでるとか。」

 「安田元隊長が横領?」

 「数千万円の横領って聞いてますが。」

 「ゲロッグの件が落ち着いてないのに困るな…。」

 「ま、これで色々やり易くなるのは確実ですね。」

 「矢部新隊長はどこか封権的な所があったからな。確かに。」

 「で?俺達が出動しなければならない案件は?」

 「今週は海自との演習が一件だけです。」

 「はぁ…。」

 「ま、SSTが出動するって事は世間からしてみれば相当な激ヤバ案件だ。新体制になってまだ半日。新人の人選も決まってないこの段階でペストパフォーマンスが出来るはずがないよ。」

 「まぁ、そりゃそうなんだけどさ。」

 「いいよな大山は。ファーストユニットの副班長だもんな?」

 「出世争いでは貴様に遅れをとったがな。」

 「保大での成績は俺の方が上なんだから当然じゃん?」

 「今やファーストユニットとセカンドユニットの実力は拮抗している。ファーストユニットだからどうと言う事はないさ。それにサードユニットやフォースユニットの実力も上がっている。以前の様な差はないと俺は見てる。」

 「そうか?」

 「ま、お互い頑張ろうぜ!神2正!」

 「おう!」

 国際テロ組織ゲロッグを調査している中での当然の昇進に神海人2正(セカンドユニット班長)は驚きと戸惑いを隠せなかった。ファーストユニット副班長の同期である大山には昇進争いで一歩前に出た形であったが、神にはそんな事を気にする余裕は無かった。それに伴いセカンドユニットのメンバーは全員ワンランク昇進した。神班長はノムケンとスーさんのダブル3正を副班長に任命して、階級争いをさせぬ様に配慮した。

 「神班長!」

 「どうした?」

 「良い新人が入ってくれると良いですね!」

 「あぁ、そうだな。」

 「それよりもゲロッグの報復を恐れていますね?」

 「キムは俺の心が読めるのか?」

 「顔に書いてありますよ?」

 「そうか。ゲロッグは絶対に報復をしてくる。そう遠くない未来にな。」

 「とにかく、新メンバーを含めて要警戒体制で臨む。良いな?」

 「はい!」

 その頃本庁では…。

 「SSTの人選はどうなっているんだね?林次長?」

 「安田前隊長の横領は既に全額返金されており、マスコミに騒がれぬ様に刑事告訴はしないつもりです。それに伴いセカンドユニット班長の矢部をSST隊長に昇格。セカンドユニットの班長には神2正(一階級昇格)をあて、セカンドユニット全員をワンランク昇進させました。欠員補充に関しましては、現在本庁と調整中であります。」

 「例の若造がセカンドユニット班長?」

 「はい。昇進のスピードは異例ですが、先のシージャック事件では自ら先頭に立ち、テロリストを制圧。人質を全員無傷で救出しました。」

 「容疑者は全員射殺してしまった様だが?」

 「テロリストの火力は口先でどうにかなる相手ではなく、現場に判断を委ねました。」

 「林次長?」

 「山久長官、本庁にいる我々と現場で戦っている彼等とはどうしても、認識にズレが生じます。海保は伝統的に現場第一主義と言う不文律があります。どうかそれをご理解下さい。」

 「分かった。その件はもう良い。それよりも例のゲロッグと言うテロ組織についての報告がまだだが?」

 「はい。直ぐに準備致します。」

 次長も長官の前ではうだつが上がらない様だ。

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