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ポセイドンズ~海上保安庁特殊警備隊(SST)~  作者: 佐久間五十六


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20/103

第19話現場①

 「人質は地下だと?」

 「セカンドユニットの突一と突二が確認しています。」

 「しかし、どうやってテロリストを制圧するつもりだ?」

 「護衛艦あらなみにいるサードユニットを投入しますか?」

 「いや、ここはセカンドユニットに任せてみよう。」

 「正気か?人質がいるんだぞ?」

 「多少の犠牲はやむを得まい。」

 「班長までそんな事を…。」

 「いずれにせよ、SST(俺達)が出動している現場で100vs0の勝利はありえない。」

 「神3正、こうしている間にも人質は危険にさらされてるんですよ?」

 「なんだ、お前も分かってんじゃねーか?作戦コードアルファ3、2、1、行くぞ‼」

 「矢部班長作戦コードアルファとは?」

 「SSTでは最もポピュラーな作戦コードで、最も慎重な作戦コードです。」

 「この状況でコードアルファ?ま、仕方ないか。」

 「射撃許可は?」

 「勿論許可する。」

 「突一と突二は分かれて行動。テロリストにのみ照準を絞れ!」

 「了解!」

 「上の方にいるテロリストは潜水班と矢部・神班に任せろ!」

 ダダダ「くっ!下からの射撃だ!」

 「そこか!」

 バーン「うわ!」

 「甲板上クリア。」

 「くっ。」

 「痛むか、細谷?」

 「これくらいの傷大したことないっすよ。」

 「思ったより傷は浅そうだな。よし急ぐぞ細谷。」

 「はい!」

 「こちら突二。地下に人質を視認。ざっと20人位だ。」

 「こちら矢部。1、2、3階を制圧。後は地下だけだ。」

 「シージャックするなら100人位は用意して貰わなきゃ殺りがいが無いな。」

 ダーンダダダダーン「矢部班長地下からの発砲音です!」

 「地下一階クリア。」

 「人質は?」

 「全員無事です。」

 「こちらセカンドユニット班長矢部。至急巡視船おおさかを事故船舶(タンカー)に接弦させて下さい。」

 「5管(第5管区海上保安本部)了解。」

 「くまなく探せ!まだ残党がいるかもしれない。」

 「細谷!?出血しているじゃないか?」

 「大丈夫っすよ。銃弾がかすっただけですから。」

 「神3正!」

 「はい。」

 「細谷を護衛艦あらなみに収容する手はずを整えてくれ!軽傷だが、被弾している。」

 「了解しました。」

 と、まぁ人質は全員無事で犠牲者0は流石SSTと言わざるを得ないが、隊員一人が被弾したのは反省点であった。幸い細谷3士の怪我は直ぐに処置され、大事には至らなかった。赤の風メンバー25人は全員射殺された。本来ならば生け捕りにして、話を聞くのが筋なのだが、重武装しており今回のケースでは射殺許可も下りており、それが矢部班長の現場判断であった。

 「神!」

 「はい。」

 「俺達の仕事はここまでだ。後は5管に任せよう。」

 「はい。」

 しかし、テロリスト達は何処から侵入してどんな組織の支援を受けているのかを知る必要はあった。そしてこの赤の風メンバーによるシージャックはまだ、長い戦いのプロローグに過ぎなかった。

 「捜査の結果、今回のシージャック事件の首謀組織はスーダンに本拠地を構えるイスラム系武装勢力"ゲロッグ"である事が判明した。ゲロッグはアフリカ最南端の喜望峰を通過する貿易船舶などに海賊行為を行っている組織で、世界最悪のスーダン内戦を戦い抜いたテロリストのエリート集団である。人員は約10万人程。一人一人の戦闘力があり、仲間の連帯を大切にしているとされている。とは言え、我々海保は軍隊ではないし、海自とてスーダン本国にいるテロリストを壊滅させるのは難しい。恐らく、仲間を殺されたゲロッグは何らかの方法で報復に出るものと見られる。各員日本領海に侵入する大型タンカーの警備を強化する様に。以上解散!」

 「了解!」

 「それから神3正ちょっと君は残って。」

 「はぁ…。」

 「君ね?折角保大出のキャリア組なんだから、ワザワザ火の中に飛び込む様な真似はオススメ出来ないよ?」

 「はい…。」

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