第18話出場
遂にこの日はやって来た。SSTに出場要請が入って来たのである。概要はこうだ。韓国船籍の巨大タンカー"チョンナム"(約2万トン前後)が、日本の極左ゲリラ"赤の風"にシージャックされたと言う。場所は京都の舞鶴港の北西20㎞の日本海上で、既に第5管区海上保安本部の巡視船おおさか、と海上自衛隊の護衛艦あらなみが現場に向かっている。
それ以上の詳しい状況はわかっていない。尚、海保は既に特別警備隊を派遣したが、当該勢力の火力に圧倒されて、乗員の救出には至っていない。
「赤の風?それならもう10年前に消滅したはずやけど?」
「乗員は100人いる。救出には赤の風メンバーの射殺許可が必要ですが?」
「俺達SSTに打順回って来たゆう事は、発砲許可も下りとるはずやで。」
「皆、重火器のチェック急いでくれ!あと5分でサーブ340BヘリとEC225LPヘリでセカンドユニットとサードユニットを現場に派遣する。ファーストユニットとフォースユニットはこのまま待機。」
「了解!」
「現場では矢部セカンドユニット班長の指示に従え‼」
「サードユニット了解!」
「ヘリ発進します!」
「急げ!作戦はヘリの中で話す。」
「神3正?行きますよ?」
「おう。」
「まずは当該タンカーへのリペリング降下を試みる。無理なら巡視船おおさかで強行接弦あるいは潜水班による侵入を試みる。サードユニットは海自の護衛艦あらなみにリペリング降下して、後方待機だ。もし、セカンドユニットだけで収拾がつかないようなら、直ぐに応援要請をする。」
「了解!」
「スーさんと星は循環式潜水器の準備を。突撃第1班のノムタカと細谷、突撃第2班のノムケンとキムさんはタンカーの外側から侵入。私と神3正は潜水班と合流。内部制圧にとりかかる。」
「俺達8人だけで大丈夫ですか?」
「先ずは現状把握だ。敵が何処に何人いて人質は何人いるのかって事を知る必要がある。それに多人数での突撃にはリスクもある。」
「連絡にはこのレシーバーを使う。チャンネル合わせておけよ。」
「流石矢部班長。仕事がお早い。」
「お、タンカー見えてきたぞ!つーかデカ!」
「ん?黒煙?火災か?急ぐぞ!」
甲板にリペリング降下出来そうだったので急いでリペリング降下した。
「よし、ここからは予定通り二手に分かれるぞ‼しくじるなよ?」
「分かってますって。」
「どうやら敵は中に身を固めているようです。船外の警備は手薄でした。」
「こちら突一、タンカー甲板には人影なし。」
「こちら突二、赤の風メンバー二人を拘束。これから尋問します!」
「どうやら上手く潜入出来た様だな?SSTもうちのSBU(海上自衛隊特別警備隊)と実力伯仲だな。」
「そうですか?海保なんか海自さんの足元にも及びませんよ。」
とサードユニットが緊張感を欠いた時の事であった。
ドドド「うわ!?」
「どうした矢部班長?」
「マシンガンです!1名被弾。」
「細谷!大丈夫か?」
「幸い防弾チョッキの上で軽症。応援待たれたし。」
「サードユニットを呼んでも何も変わらへんのじゃないか?」
「矢部班長!人質は地下だそうです!」




