表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レティシア公爵令嬢は誰の手を取るのか  作者: 宮崎世絆
幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/62

18 逸材認定されちゃったんです

「ちなみにお母様。確認だけさせて欲しいのだけど、魔法ってどうやって使うの? 何か呪文を唱えれば、その魔法を使えるの?」

「いいや! 決まった呪文など、本当は存在しないんだ! 魔術の話になるんだが、魔法とは、自然の摂理に基づいた現象を、魔力を使って再現することなんだ! 例えば風。誰でも、感じることが出来るだろう? そよ風なら、優しく撫ぜる様な風を想像する! 想像しながら魔力を放つ。その時にイメージに合う言葉を放つんだ! こんな風に! 『そよ風(ブリーズ)』」


 ルシータがレティシアに掌を向けて呪文を唱えると、ふわりと優しい風が、レティシアの髪を揺らした。


「え……って、お母様、風魔法使えるの?!」

「ハハハ! 得意属性でなくても、魔力が高ければ、簡単な魔法ならば誰だって出来る! まあ、得意属性でも、想像力が乏しい者であれば難しいだろうがね!! そういう者は、魔術書を読んだ通りに真似をするしかない!!」

「そっか! ()()力が豊かなら、もっと凄い魔法になるんだね!」

「ああ!! 想像力があり、魔力の高い者であれば、そうだな!! 得意属性なら尚更だ!!」


(おおおっ! つまり魔力の高い私なら、かなりリアルなイメージを()()さえ出来れば、凄い魔法が使えるということ! それは凄い!!)


「義母様。つまり魔術の勉強とは…僕なら風と水の、自然現象を学ぶという事ですか?」

「流石ユリウス! 大まかにはその通りだ!! かなり奥が深いからな! 得意属性を極める為にその属性だけ学ぶのも良いが、色んな属性についてある程度知っておく方が、何かと便利だ!! その分、かなりの年月は掛かるがな!!」

「成程……」

「属性を学ぶには、その得意属性を持つ者に教えを乞うのが良い! もし火の属性を学びたかったら、そこのランディにでも頼むが良い!!」


 いきなり白羽の矢が立ったランディは、慌ててかぶりを振った。


「無理無理無理ですって!! そんな畏れ多いっつうか、めんど……レオナルド様の側近だから、色々と忙しいんです!!」


(今、面倒臭いと言おうとしたな)


 三方向から睨まれたランディは、笑って誤魔化そうとした。


「それなら大丈夫だ。私の事なら、心配しなくても良いぞ」


 突然鍛錬場の入り口の方から、声が聞こえた。振り向くと、レオナルドがこちらに歩いて来るのが見えた。


「お父様!」

「少し様子を見に来た。……ランディ、お前は火の属性に特化しているからな。遠慮なく、教えてやると良い」

「ちょちょちょっ! お、俺は、人に何か教えるのって超苦手なんすよ! 勘弁してくださいレオナルド様〜!」

「「よろしくねランディ!」」

「二人まで、何言っちゃてるんですかーー!!」


 鍛錬場にはそぐわない、皆の笑い声が響いた。


「……さて! 魔力制御の説明も終わった事だし! 後は、自分の魔力に自然と慣れるまで待つだけだ! レオが来てくれたのに悪いが、もうここに居ても仕方がない! 帰ろうか!!」

「あ! 待って! 折角だし、お父様の魔法見てみたい! ここでなら丁度良いでしょう?!」

「私のか?」

「僕も、是非見たいです!」

「ハハハ!! それも良いな! レオ!! とっておきを見せてやればどうだ? 例えば風魔法を使った、浮遊魔法とかな!!」

「浮遊魔法?! お父様空飛べるの?!」


 咄嗟に、赤いマントを靡かせるスーパーヒーローを思い浮かべた。

 ……その姿のレオナルドを思い浮かべてはいけない。絶対に。


「いや、飛べると言うには語弊がある。宙に浮かぶ魔法、と言えばいいか。天井までの高さに問題は…ないか。……二人共、浮んでみるか?」

「うん!「はい!」」

「では二人こちらへ。……いくぞ、空中浮遊(レビテーション)


 レティシアとユリウスの真下の地面に、大きな緑色の光が輝くと、同時に強い風がそこから勢いよく噴き出してきた。

 その凄まじい風力で身体が浮かび上がると、子供の身体は、あっという間に空中に舞い上がり、鍛錬場の天井近くまで浮かび上がった。


「うわぁ!!」


 ユリウスは驚きの声を上げて、手足をバタつかせている。

 レティシアもいきなりの高さに、びっくりしたが、前世でも、こういうアクティビティがあるのを思い出した。


「あわわわわ……こ、これって……!」


(まんま、インドアスカイダイビングだー!! やったことないけどー!!)


 インドアだった前世だが、興味本位で色々調べたことがある。コツやテクニックも。

 一気にリラックスしたレティシアは、前世の知識をフル活用して動いてみた。

 上昇下降を繰り返し、慣れてきてさらに回転まで。クルクル回転しながら、レティシアは笑顔で叫んだ。


「これ楽しー!!」


 暫く空中浮遊を、大いに楽しんだ。


 風の勢いが次第に弱まり、二人はゆっくりと地面へと降り立った。ユリウスは少し青い顔で片膝を付いた。


「どうだった二人共!!」

「少し、怖かったです……」

「すっごく面白かった!!」

「……レティは凄く跳び回っていたな。私でさえ、あそこまで跳び回れる自信は無い」

「初めて見ましたよ、あんな動き! 流石お嬢!!……さま」

「えへへ、ありがとう。でも、風魔法じゃなくて重力魔法なら、もっと浮遊魔法って感じで良いのかもって、思った」

「レティ、重力魔法って?」

「兄様知らない? 確か土属性か闇属性になるんだったかな。重力を操って、自分の身体を浮かせるっていう魔法」


(……あれ、もしかして。……また調子こいて、存在()()ない()お話しちゃった……?)


「……レティシア、何故、重力という概念を知っている? そんな事、教えた覚えは無いぞ」


 レオナルドが訝しげに聞いてくる。


(あわわわっ、ま、まずい!)


「え、えーとねー。物が落ちるの見て、何で下に落ちるのかなって、何でかなーって考えてたら、何か、見えない()()で引っ張られるからかなーって思った…から…です……」


 かなり無理がある説明を、してみる。

 黙って聞いていたルシータが、いきなりレティシアの両肩を掴んだ。


「……素晴らしい!! 凄いぞレティ!! 何という想像力! 何気ない疑問から、重力という力を導き出すなんて!! レティは、魔術の真髄を極めれるかもしれない逸材だ!!」

「へ」

「流石レティ。……僕も、負けてられないな」

「成程。レティは、やはり知の女神の生まれ変わりだったのか……流石シータの子だ」

「お嬢!! 何かよく分からないっすけど、凄いっす!! ……あ、様忘れた」


(……もう誰か助けて下さい!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ