表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩について

作者: Ln_Metal

 僕の一番古い記憶は一歳半ごろになる。立ち上がってフェンスに掴まり数歩だけ歩いた事だ。

 地面を這っている僕が立ちあがるためには、まず飛び上がる様に体を上に投げ出す必要があり、その落ちる前に手で何かを掴まなければならない。掴み損ねればバランスを崩して転ぶだろう。

 その瞬間、先に言葉があった訳ではないから、およそ衝動的な欲求でそうしたのだとしか言いようがない。僕が言葉と全く無縁であったとは断言できないけれども、言葉は僕の周囲を公転する何かであり、フェンスよりもずっと後で掴む事になるであろう影でしかなかった。

 詩がおよそ言葉の全てを包含するものだとすれば、その前段階である言葉のない世界には全ての詩が在る。あるいは逆に言葉が尽きた後の死後には一つに収斂した完全な詩がある事だろう。でもそれを詩だと認識できるのはいつも詩が生まれる瞬間か消える瞬間だけなのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ