第七十七話 「Напоминает(酷似)」
"ガシャッ!
「Да Томас
(そうか.... "トマス"は....)」
「(な、何だ....?)」
"ガタッ! --------ガタタッ!!
「(ヒ、ひわ....
こ、この部屋は-------??)」
"ガラッ....."
「Арима
(アリマ.....)」
「(ま、麻衣....っ、)」
"ガタッ! ガタタッ!!"
暗い場所から透明なエレベータの外壁をすり抜け、
隆和が後をついて行くと、ツベフォフは
古びた石壁で覆われた部屋の中へと入り
何か奇妙に独り言を呟き始める.....
「(マ、マネ..... ヒ.... ひワッ....?
マ、"マネキン"......??)」
"ガタッ ガタタッ!!"
震えた手で首元のゴーグルを握りしめながら
瓦礫だらけの部屋の中を見渡すと、
その石造りの床の地面の上に
全く同じ様な顔つきをした
"白人女性"のマネキンが
大量に置かれているのが見える....
「ひ、ヒワ....ッ
わ ワワワ」
「Аймой?
(・・・・エイモイ....?)」
「Нет Ма Мане это пол
Ма манекен,
(・・・! い、いや...
マ、マネ....ッ そ、その床....
マ、マネキン.....ッ?)」
「Кишаааааааа
(キシャアアアアアア....)」
「!? Что?
(!? -------な、なに?)」
「Да Томас Ее,
(そうか.... "トマス"は
"彼女"を.....)」
"ガシャッ...."
「(・・・・!)」
瓦礫やマネキンに埋もれていて気付かなかったが
気味の悪い鳴き声の様な物が聞こえ床を見ると、
そこにマネキンと全く同じ顔をした
生きているかどうかも分からない
"鳥"の様な物が事切れているのか
目を閉じて横たわっている姿が見える....
「Алима!
(アリマ....!)」
「・・・・ッ」
"スッ"
「Все в порядке почти
время мой брат
(大丈夫.... もう少しで、兄さんは------)」
「(アワッ アワワワワッ)」
"ズサッ!"
床の上に転がった生物を食い入る様に見ていると、
その気味の悪い生物をツベフォフが両手で抱え
髪の長いその女の顔を撫でる様に
自分の顔の側へと引き寄せる........
「Кишаааааааа,
(キシャアアアアア.....)」
「Алима Это скоро
наступит!
(アリマ.... "もうすぐ"だ------!)」
「・・・・!」