第六十六話 「В море(海にて)」
"ザアアアアアアアアァァァァーーーーーー.....
「(何なんだ この場所は....?)」
「ハアアアァァ ハァァアア...ワイミテエダ.....」
"ザザー.....
"ザザー....."
「(かなり、狭い場所みたいだな....)」
「シャァァアアアアアアアア」
「・・・・・!」
「ハワイ.... ハワイミテエダ....」
「(・・・・)」
辺りに穏やかな波が漂う中、
この空間のおそらく端にあると思われる
樫の木の様な柱の下で、河野が
頭上の枝の隙間に見える空を見上げると、
そこに奇妙な鳴き声を上げる
"鳥"の様な物が飛んでいるのが見える....
"ザザー.....
ザザー......"
「カンガエテモシカタナイヨオ....
ゴウナスワーン.... ゴウナスワーン....."」
「(-------この野郎....)」
先程からこの柱の周りを筏で漂い、
この場所から離れる方法は無いかと
探し回っていたが、今筏の端で
デッキチェアーの上に寝そべっている
スサケフスキを見ると、
どこから持ってきたのかは分からないが
サングラスを持ち出し、パンツ姿で
日の光を一身に浴びている姿が見える.....
「-------お前.... この状況だぞ?」
「・・・・アア。 タイヘンナジョウキョウダワ」
"ガタッ!"
大分"ゴウナ"の線も分かって来たのか
文句を言われるかも知れないと思い、
スサケフスキはデッキチェアーから
のそりと立ち上がる
「シカタナイショオ.... シカタナイ....
コノバショダア....
ウミダケッシ....
デキルコトモネエ....
アセテモ.... シカタナイヨオォ....」
「いや、だからと言って
何もしないでここにいたら....
ずっとこの場所に居続ける....
"遭難"みたいな状況だろ? これ?
食料とかも....」
"ガサッ"
「コレ、アルンダワ」
「-------"缶詰"か?」
「ヘヘッ..... ゴウナサンガ
ソロソロヤルトネエオモテ、
"イイトコロ"ダケノコシテオイタゼ....」
「・・・・"ボルシチ"か?」
"ピピッ"
「コウノ.... スサ-----ケフスキ..... ?」
「!?」