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第六十二話 「морской ветерок(潮風)」

挿絵(By みてみん)


"チャプ.... チャプ....


「("ルコモリエ"、だとか....)」


「Ага(アーガ)....ッ プリセス....ッ....


 カヤノーヴァ・イダ・イナ・


 イノォチェァアアァ....ッ」


"ポンッ ポンッ"


「(この"柱"に何かあると思ったが.....)」


「・・・イスクラ・ダ・プラウダ・シグルナフ・


 ダ・イノ・イノ・イノ・イナ・イナイ・


 イノチェーァア....ァッ....」


巨大な空へと向かって伸びる


"樫の木"の様な柱の前


「(・・・・この周りは.....


  意外とそこまで広いって訳でも


  なさそうだな...)」


「ザアアアアアアアアァァァァーーーーーー.....


「(・・・・・)」


訳も分からず、無人島の様な場所に


連れて来られた河野はこの空間、


ドーム状の様な形になっているのか


今自分がいる場所の先に見える景色を


先へと進もうとするが、


何故かその景色はツベフォフが以前


塔の最上部の部屋で見せた


"トリック"を使っているのか、


それ以上先へと進む事ができず


【・・・・】


特に何か目につく様な物がある訳でも無く、


今自分の目の前にある木の様な質感をした


空へと続く、巨大な柱に手を添える---------


「おい、スサケフスキ....」


「--------ナンダイッ? シャチョォ?」


"ポンッ"


筏の反対側で、デッキチェアにトランクス姿で


寝そべっているスサケフスキを見ると、


どこかで拾って来たのか銀色のガラクタの様な物を


頭上に向かって放り投げている


「お前.... この場所が


 "ルコモリエ".... ロシア神話の話みたいだが....


 その、「ルコモリエの場所に似てる」....


 そう言ってたよな?」


「アア タシカニ、イッタゼ....?


 ....ダガ、ソレガナンダッテンダイ、


 シャチョオ....?」


"ポンッ"


「・・・・・」


何か、舐めているのか、それとも挑発しているのか


わざと自分を社長と呼ぶ事で


苛立たせようとしているのか、スサケフスキは


銀色の塊を林檎の様に頭の上に放りながら


挑発的な目つきを見せて来る....


「(・・・・・)」


その"挑発"、を軽く無視すると河野は


その"ルコモリエ"について尋ねる.....


「この世界がルコモリエ....


 そんな話はどう考えても、有り得る筈が無い。


 この世界はあの男....


 "ツベフォフ"が作り出した世界だ....


 そうだろう?」


「・・・・"ヨタ"バナシ、


 ッテエノハナンナンダイ?」


「・・・ああ、 "下らない話"だとか....


 "嘘"とかそんな話だが....


  ・・・それで、この世界がルコモリエ....


  わざわざ、この世界をその


 "ルコモリエ"だとかに似せて


  造ったって事は、そこに何か"意味"の様な....


 "何か"があるんじゃないか?」


「イミネエ....」


"パシッ"


放り上げたガラクタが、乾いた音を上げる


「そうだろう? 


 ・・・・何故、この世界がルコモリエ....


 神話の世界に似せて造られてるのかは


 分からないが、これだけ広い場所だ....


 こんな場所をわざわざ地下の場所に


 作ったって事は、そこに何かしら


 "意味"があるとは思わないか?」


「・・・・ワカラネエ.... ワカラネエヨ・・・・


 ゴウナスワン....」


"コト.....


「ツベフォフ、ノヤロウガナニヲカンガエテ


 ソシテココガナンナノカワ....


 ソンナコトカンガエタッテトテモワカルトウァ


 オモネェシ、ジカンノムダテヤツダロウ....?」


"ガタッ、


放り投げていたガラクタを


デッキチェアーの平らな場所に置くと、


スサケフスキはその椅子から立ち上がる


「ウミダア....」


「・・・・」


"ザアアアアアァァ..... ザアアアアアアァァァ.....>"


「ウミ.... ダアァ.....ァ」


「(・・・・)」

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