第六十話 「Мужчина по рыбалке(釣りをする男)」
"カシャッ カシャッ カシャッ カシャッ.....!"
「Ой!
(おい.....!)」
「да,
(・・・・ええ)」
レベデワは懐にある"ウダフ"の感触を確かめると、
目の前、氷の湖の上で
"赤いпальто"を身に纏い、
フードを帽りこちら側に背を向け
目の前の氷穴に向かって
釣り糸を垂らしている男に、
貼りついた様な笑顔を向け話し掛ける
「Ало! Хороший человек
Сегодня выглядит
очень холодно,
(アロ...! 素敵な男性....
今日はとても寒いみたいだけど....)」
「・・・・」
「(...
Что это рыбалка?
Кольцо?
ИлиСибирский Шука?
(・・・・・
それは、何を釣っているの....?
オーコン? それとも....
シベリアン・シューカ?)」
「・・・・」
顔からはみ出すような造り笑顔を浮かべ、
懐のウダフに手を当てながら
レベデワが男に向かって話し掛けるが、
男はまるで振り向かず
ただ氷の上に空いた穴に向かって
釣り糸を垂らしている....
「Сегодняочень приятно
ловить рыбу!
(今日は... 釣りをするには
かなりいい天気ね....!)」
「・・・・」
湖の外に広がる、何も無い、暗闇しかない
無空間を晴れ晴れとした表情で見上げながら
話し掛けるが、男は返事を返さず
ただ、押し黙り無言で氷の中に釣り糸を垂らす....
「В таком странном месте
Рыбалкачто?
(こんな、変わった場所で....
"釣り"、なんて-------
「Россия,
(ロシア.....)」
「картина?
(え?)」
"ガランッ!!"
「Реквима!
(レベデワッ!)」
「Хм!
(ッ-------!!
"パンッ!!
パンッ!
---------パンッ!!"
「Россия,
(・・・・ロシア.....ッ!)」
「Антон!?
(-------アントンッ!?)」
「Кишаааааааааааааааа!
(キシャァァァアアアアアアア--------!)」
「Э-эсверху!
(う、上から--------っ!!)」
"バサッ バササッ!!"
「ЭтоКобу!
(こ、コブッ-------!!)」
"ドサッ!!"
「Зафера!?
(ザファー!?)」
話し掛けた途端、男が立ち上がり
レベデワに向かって向き直ると
アントン-------!
「Нупочему это?
(な、なんで-------ッ
「Shaaaaaaaaaaaaa
(シャァァアアアアアアッ」
そして、上空から先程階段の場所で見えていた
"フライング・ウーマン"
「(・・・ ・!
奇妙な尾の長い、腐った女の頭を持つ
鳥の様な生物がレベデワ達の頭上目掛けて
襲い掛かって来る!
"パンッ!
パンッ!
---------パンッ!! パンッ!!
「Русский!
(ロシアァ.....ァッ!!)」