第四十九話 「Колебания(揺らぎ)」
"ヴァチィッ!!
----------ヴァチィイッィ!ッ
「(・・・・!)」
おそらく、エレベータ―だと思われるが、
天井と床が完全に辺りの暗闇を透過している
そのエレベーターの天井に目を向けると
「(な、なんじゃア.... あ、ありゃ....!)」
"ヴァチィッ!! -------ヴァチィッ!!
「(・・・・!)」
何故かは分らないが、ボール程の大きさを持った
"電気の塊"の様な物が、自分達が乗っている
透明なエレベーターの天井付近で
激しくその天井とぶつかり合っている....
「・ ・ ・ ・」
"スッ"
「--------------」
「(-------え?)」
「・・・・・」
つい先程まで饒舌に
エレベーターの中で独り言をまくし立てていた
ツベフォフの方を見ると、おそらく
その後ろに壁があるのだろうが、
まるで透明な暗闇に立ちながら
もたれかかっているかの様に俯き、
退屈そうに目を閉じている姿が見える.....
「(・・・・)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"ウィィイイイイイイイ---------
「О это мистер Цубеф?
(あ、あの.... つ、ツベフォフ氏....?)」
「!!
О, О Аймои В чем дело?
(・ ・ ・ "!"
あ、ああ エイモイ-------
・・・どうかしたのか?)」
「Нет, нет, как,
(い、いや、どうかって....)」
"ブゥウウウウウウウオオオオン....ッ"
「(ど、どこまで続いてるんだ.....!)」
"ガタッ!
ガタタッッ!
「!、・・・・」
何が起きているか分からない、光の無い底へと
落ちて行く様な.....
浮き沈みを繰り返し、空中に漂い続けている様な...
数十分程....
いや、一時間は過ぎたのだろうか....
「(な、なん.... な、なんなん....、ッ)」
"ヴァチイッ!
ヴァチィッ---------!!
「・・・・!」
何も無い周りには、時折
ボール程の大きさの光が見え、それが
透明なエレベーターの外壁と
ぶつかり合っているのか、横ズレの様な
衝撃が起きるだけで他にはただ
何も無い無音、と暗闇だけが続いている....
「Нет нет о это не так,
(い、いや-------....、
あ、あれじゃないスか....っ)」
「Что это такое?
(・・・・"あれ"とは....?)」
"ガタンッ!"
壁から身を起こし組んでいた両腕を
ぶらつかせながら、ツベフォフが
足を踏み出すとその動きに合わせる様に
エレベーターが大きく揺れ動く
「О, это разное Нет,
что верно,
(あ、あの.... い、色々....
い、いや、何がなんだか....っ
そ、その....っ)」
「ты пытаешься
снова думать? Эмо?
(・・・・また"考え"ようとしているのか?
エイモイ....?)」
「Нет, нет, думать
Ну, это эта ситуация
Один или два мыслей
мон который выходит
естественно,
(い、いや、考えって....!
そ、そりゃあこの状況でしょう....っ
"考え"の一つや二つ
当然出て来るモンじゃ....っ)」
「・・・・・」
"ドスッ!"
「・・・・」
「・・・・」
勘に触る事でもあるのか興味が無さそうに
視線を背けると、再びあるかどうかも分からない
壁際に無言でもたれかかる....
「Нет Эх ты
(い、いや....! あ、アンタ....っ....!)」
"ザッ!"
「Эмо? Я устал Вы можете
немного позаботиться?
(エイモイ-------....?
疲れてるんだ---------
気を遣ってくれないか....?)」
「Нет! Я устал,
(つ、疲れるとか-------)」
"グッ!"
置かれている状況に自分の中の線の様な物が
収まり切らなくなくなったのか、隆和が
ツベフォフに向かって足を進める!
「О, ты, Цубефт! Ты, что
ты здесь делаешь!
(あ、アンタは....っ
つ、ツベフォフ.....!
アンタは....っ 一体ここで
"何を"してるんだ.....っ!?)」
「----------