第四十五話 「играть(芝居)」
「何だ・・・ これは....?」
「-------ドウシタッテンダイ シャチョオ?」
「見ろ、これ・・・・」
「・・・・?」
先程から部屋の中を歩き回っていた河野が
立ち止まり、声を上げているのを見て
その側までスサケフスキが近付いて行くと、
目の前の何も無い白い空間に
黒い"線"の様な物が見える....
「・・・・」
"スッ"
「・・・・"物"があるな....」
「モノ.... ソイツハナンダイ?」
「・・・・・」
"スッ スッ"
「ほら.... 何も無い様に見えるが
ここ・・・・ "何か"あるぞ....」
「・・・・ア、アア」
黒い線が薄っすらと長方形の様な形に
浮かび上がっている河野が今手を触れている
何も無い場所に目を凝らすと、そこに
何となくようやく見える様な
自分達の背丈よりも大きい
"玉"の様な物が見える....
「玉か、コイツは....」
「・・・・ウソジャネエノカ?」
「・・・・嘘?」
"スッ"
「ア」
「・・・・と、扉か?」
ヒュウウウウウウウウウ----------
「オ、ウォイ....!」
「・・・・!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"ヒュウウウウウウ----------"
「(そ、外--------)」
長方形の枠の様な物に付いていた
取っ手の様な物を回すと、その枠は扉だったのか
その扉が開き、二人がその扉の中へと
足を踏み入れると周りには一面、砂浜--------
"ザーーーーーーーーーーー
「---------触るなっ!」
「エ?」
"--------ボンッッ!!
「ツ、ツゥオアハ....っ?」
ドサッ!
「す、スサケフスキッ!?」
「チ、チクショウ....ッ」
"ガタタッ!"
「ナ.... マ、マサカコンナバカミテエナ
ワナニヒッカカルトハ....!」
「・・・・!」
砂浜に転がっていた黒い金属の様な物を見つけ
それを拾おうとすると、
どうやらそれは動物に罠を仕掛ける
トラバサミの様な物だったらしく、
スサケフスキの右手に思い切り
罠、トラバサミが食い込む....!
「お、お前....っ!」
ザアアアアアアアアアァァァァーーーーーー....
「ヘヘッ.... ナ、ナミガデテ....
スコシ、チョウシニノッチマッタミテエダア....
マ、マサカコンナワナニ
ヒッカカルトハヨオ.....!」
"ザザァーーー..... ザアーーーー.......
「ナ、"ナミノオト"ガ....ッ キコエテクルゼ....ッ」
「(---------)」
河野が耳を澄ますと太陽の光に直射日光、
そして緩やかな波の音が聞こえてくる.....
「(夏だ.... 夏が....っ 来る....っ)」
"グッ グッ!"
「--------アッ オイッ ゴウナッ!?
タスケナクテイイノッ!?」
「・・・お前なら、"平気"だ.....!」
ザッ ザッ ザッ ザッ----------!
「・・・・!」
そのまま波の音が聞こえる海岸線を歩き、
河野は水平線に向かって消えて行く--------
「(風が----------
「ウォ、ウォイッ!? テメェッ!?」
「---------」