第四十二話 「жидкость(流動的)」
「Э, он был потоплен,
(し、沈んでったぞ--------)」
「хм,!
(--------っ....!)」
「(---------....)」
目の前で追っていたツベフォフ、そして
被疑者である"エモイ"が
暗い空間の中、まるでその空間の地面に
吸い込まれる様に沈み込んで行ったのを見て
「Разве нет ничего?
(何も、無いよな....?)」
「Фантастика!
(じょ、冗談でしょ....))」
「(---------、)」
拳銃を構えたジュチ、そしてレベデワは
その場で固まった様に三人が消えて行った
暗い空間の地面を覗き込む---------
「пакет,
(пакет.... 袋....)」
「ч?
(・・・・ ッ?)」
「Он Эмои с этим
японцем средних лет,
(彼.... エモイ....
あの日本人の中年男性と....)」
「Заффер,
(ザファー....)」
レベデワが拳銃を構えたまま呆然と立っていると、
後ろにいたザファーがその横を通り抜け
ツベフォフの消えた場所まで
近付いて行く--------
"カチッ!"
「(Огни,)
(ライト.....)」
"パッ!"
「земля,
(・・・・地面が....)」
「Он, Цвефов,
(彼------- ツベフォフ......)」
"パッ....."
何も無い、真空の様な深い暗闇の中
ザファーがツベフォフの消えた場所を
ライトで照らすと、そこにこの塔の中の様子と
何ら変わりが無い石造りの
地面が見える--------
「Он просто освещает это
место, Я использовал
преломление света,
чтобы это выглядело
вот так, сюжетный,
(彼は、ただこの場所を光.....
光の屈折を利用して、
この様な場所に見せてただけ....
сюжетный スジョニィ....)」
「И вы имеете
в виду трюки?
(と、トリックって事か?)」
「・・・・」
"パッ パッ"
「но Цувефов, И в земле!
(で、でも、ツベフォフ....
Иは地面の中に....!)」
「сверхтекучий,
("超流動".....)」
「??」
"パッ"
ツベフォフが消えて行った地面を注意深く見ると、
ザファーが呟く
「Тело есть совокупность
атомов И есть материя
которая проходит
между этими атомами,
(....物体は原子の集合体....
そして、その原子の間を
通り抜ける物質が存在する....)」
「・・・・」
"ゴトッ"
「Цвефов проскользнул
сквозь каменный пол?
(....ツベフォフが、その石の床を
すり抜けたって事か?)」
「・・・・」
"スッ"
構えていたウダフを自分の腰に差すと、ジュチは
床の辺りを何か、探し回る様にライトで照らしている
ザファーを皮肉めいた表情で見る
「Вещество в
сверхтекучем
состоянии может
проходить сквозь
другие стенки
и вещества,
(超流動状態になった物質は
別の....
壁や媒質を通り抜ける事ができる-------)」
「Я не знаю, что
ты пытаешься сказать,
(・・・・何が言いたいのか分からないわ)」
「суммируя,
(・・・・つまり....)」
"--------ガタンッッ!
「и дверь?
(・・・・と、扉か?)」
「Это просто умник,
цистеин суситеин,
(ただの、
"умник(オムニェク=知ったかぶり)"
って事.... цистеин
ススィティイン...)」
「Так вы имели в виду
что Цвефов оттуда
спустился?
(そ、そこからツベフォフは
下に行ったって事?)」
ツベフォフの沈み込んで行った場所を
ザファーが照明で照らすと、そこに
蓋の様な形状の扉が現れる.....
「Правда в том,
что это просто,
(真実は、"単純"って事さ...)」
「Цувефов здесь внизу!
(つ、ツベフォフは、この下に.....!)」
「(・・・・И....)」