第三十話 「стена(壁)」
"グワァァアアアアアアアァァァァ....
「Вау, что это!
(な、何なの....っ)」
"ヴァチィッ!
"ヴァチィィッ!!"
「Итак, электричество!
(で、電気か....!)」
「・・・・!」
何か、場に感じる"重さ"にも慣れて来たのか
薄暗く、物が奇妙に浮かび上がる
塔の中を壁際に沿う様に巡らされた
螺旋状の階段を、上へと向かいレベデワ達は
登り続けるが.....
「ヴァチィッ ヴァチチィッ!!」
「О, лестница,!
(か、階段が....!)」
「стена,
(壁・・・)」
"ヴァチィッ! ヴァチィッ!
「(・・・・!)」
塔を登り続けてしばらくすると、
登っていた螺旋階段が突如として途切れ
「・・・・!」
その途切れた階段の先、何も無い
暗い場所を見上げると、その場所に
激しい火花の様な光を上げる
"電流"が流れているのが見える....
「Мм, там!
(む、向こう....!)」
「ц,
(っ・・・!)」
"ヴァチィッ"、
"ヴァチィッ!!"
その奥
「Гм в конце
электрического тока,
(あの、電流の先に.....っ)」
「То есть,
(あれは....)」
「・・・・」
途切れた階段から距離を離した
4、5m程先の夥しい量の
電気が流れている壁の様な場所の
更に奥に目を向けると、その先にまるで
今自分が立っている途切れた階段の続きが
そのまま続いているかの様に別の階段が
壁に沿い、塔の上まで続いていく姿が見える....
"ヴァチィッッ!!"
「・・・・」
"ユゥゥゥゥウウウウウウウウ.....
「(・・・・・)」
途切れた階段の先の場所に立ち
視線を下へと向けると、
「.....」
かなりの高さまで塔内を登って来たのか、
浮かび上がる様々な物体に紛れ、その物体の先に
自分達が通って来た入り口から漏れる
明かりが閃弱と照らし出されているのが見える....
「・・・・!」
"ヴァチィッ! ヴァチィィッ!!"