第二十八話 「Синхронизация(同期)」
"ガチャ"
「(開いて.....っ)」
"グワァァアアァァァァアアア...."
「ナ、ナンダッテンダイ--------
コ、コイツハ-------.....ッ!」
"グニャァァァアアァァアアアア....."
「(あ、頭が....っ)」
塔の中
「(な、何だ、この場所は....っ!)」
"塔に何かある"
「(ツ、ツベフォフがやってるのか...っ)」
誰から送られているかも分からない
電話からのメッセージを聞き取ると、
河野は山頂の小屋で見ていた
ツベフォフ、レベデワ達が
向かって行ったと思われる
方角に聳え立つ巨大な塔の存在に気付き、
その塔までヴォレスローグを走らせて来たが....
【ヒヒイインッ】
【この馬は・・・・】
【コリャ、レベデワ....
N/Sガノッテルウマジャネエクワ....?】
「(・・・・な、何だってんだ....)」
塔の入り口
【コリャ ナカニレベデワグワ
イルンジャヌェエノクワ....?】
【・・・・】
その塔の入り口に自分が乗っている
ヴォレスローグと似た様なバイク、
そして数頭の馬が入り口付近に
留められているのを見て、河野は
この建物の中にN/S、自分達を追っている存在が
いるのでは無いかと思い、
塔の周辺を伺いながら歩いていると
少しして正面の入り口と別の扉を見つけ、
N/Sの影が周囲に無い事を見て
塔の中へと足を進ませる....
「(な、何なんだ、この....っ
頭の....重さは....っ)」
塔に入るか入らないか直ぐに
「ナ、ナンカヘンナ.....ッ
オカシイゼ・・・・ッ」
突然空間が歪んだ様な....
はっきりと感じる鈍い重さが頭に乗し掛かり
「(・・・・!)」
側にあった台に手を掛け
河野は目を薄く開けながら、暗い
空間の中を見渡す---------
"シュゥゥウウウォォオオオオオ-------
「・・・・!」
「ナ、ナンダ、コイツハ....!」
"ズ.... ズズズズズズズ.....ッ
「・・・・!」
「ウ、ウゴイテヤガルズゥエ....!」
"ズズ.... ズズズズ....
暗闇の中狭い通路の様な場所を先まで見通すと
「・・・・」
"ズズ....."
そこに何かの均整の取れた黒い塊の様な物が
通路の先に置かれているのが見える....
「ナ、ナンダ.... アリャア....」
ズズズズズズズ.....
「(・・・・!)」
塊が動き出す
"ググッ.....!"
「・・・・!」