第二十一話 「Святой Свет(聖なる光)」
"ビュォォォオオオオオオオ--------
「ロシア....ロシア、ロシアロシアロシア....!」
「(・・・・)」
"ガシャンッ"
「アイッ.... ツカエネエノクワ?」
「・・・・みたいだな」
"ビュウウウウウウウウウウウウ.....
「(・・・・)」
電話BOXの中から河野が出てくると、
嵩が無く直接雪を浴びているせいか
スサケフスキはかなりの速さで
揉み手をしながら、電話BOXから出て来た
河野を見る....
「(こんな所に、電話--------)」
「ヘヘッ... フフェフェフェフェ....ッ」
「(・・・・)」
"ビュオオオオオオオオ------------"
「ギギブブヴァヴィチ....
ギギブブバヴヴァニブヴィチィ....ィッ」
「(・・・・)」
周りを見渡すと、辺りには360°
視界全てを覆う様に雪が広がり、
今目の前にいるこのロシア語の
スラングの様な物を呟いて
高速で揉み手している男以外には
何一つ視界を遮る物は無い....
「コンナトコニデンワッテ....
ゴウナクゥン... ゴウナクゥン...」
「・・・・」
"ヒュォォォオオオオオオオオオ----------
「(そう言えば....)」
"ザシャッ"
「・・・・オッ」
「・・・・」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ"
「ウラーッ -------オイ!
モウイクッテェノクワッ」
「・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"ガサッ!"
「オムェ、ソイツワ--------」
「・・・ああ」
"ガシャッ!"
突然電話BOXから自分達の乗って来たバイク、
ヴォレスローグの方へと向かった河野が
その運転席の下に立てかけられた
隆和の持っていた剣、プラスチックでできた
"エモイソード"を手に持ち、再び電話BOXの前に
立ったのを見てスサケフスキは
何か日本人は困った事があるとゲームに頼る
性癖があると思ったのか、エモイソードを持った
河野を見下すような目つきで見る....
「・・・コンナトキヌィ、
"ゲーム"ダッテクワ....?」
「(この、剣--------)」
【Ну, это ослепительно
(ま、眩しい------っ!)】
【Я-я не вижуl
(み、見えねえ------ッ】
「(・・・・)」
あの、岩肌の前の出来事---------
【ウ、ウカンデヤガルズゥエ------....!】
【・・・・!】
そして、缶詰のあった
遺跡で見つけたバイク---------
【"ハンノウ"シテルジャネェカ....ッ】
【ば、バイクが....】
「(そして、山頂にいた時--------....
"ザシャッ、ザシャッ、ザシャッ、ザシャッ!
エモイソードを強く握りしめると
その剣を手に持ち、河野は再び
電話BOXへと向かって歩き出す-------
「ウォイッ... ソノケンドゥエ
ドウスルツモリダッテンドゥワイッ!?」
"ザシャッ!"
電話BOXの前に立ち、手にした
エモイソードを雪の中空に向かって
高く、天へと向かって掲げ上げる!
"フォォオオオオオオオオ----------...."
「(岩肌の前--------.....
「ナ、ナンドゥワッ」
"フウウウウウウウウ....
「(そして、遺跡の中---------
「ヒ、ヒカッテヤガル.....」
エモイソード、その剣に括りつけられた
銀の瓶を電話BOXの前に翳すと
剣、そして目の前の電話BOXが
青白い光を放ち輝き始める-------!
「(山頂の小屋--------!
"キィィィィイイイイイイイン--------ッ....
「ヒ、ヒカリグワ・・・・ッ」
輝きを放つ光の剣に、今、分かった--------
「(この、エモイソード------....
・・・・この、エモイソードに括りつけられた
銀の瓶はこの岩肌の先の世界の動力を動かす
"装置"だ-------ッ!)」
「ナ・・・・」
"ビュオオオオオオオオオオオオ--------"
「・・・・」
「・・・」
「・・・・」
「ド、ドウイウコトナンドゥワイ....ッ?」
淡い光を放つ電話BOXと同時に
辺りが静寂に包まれ、静まり返る--------
「・・・プルルルルルルル」
「!」
「・・・・!?」
「プルルルルルルルルルルル
「・・・・!」
「デ、デンワグワ・・・ッ」