第二十話 「секрет(秘密)」
"フォォォォォオオオオオオ----------
「(これが、スイッチなのか....)」
「ウォイッ ゴウナッ!?」
「・・・何だ?」
雪の中、
"Волес Роуг(ヴォレスローグ)"と
後部座席に彫られたバイクに乗った河野が
エモイソードを見ていると、
後ろで自分の胴回りにしがみついている
スサケフスキが声を上げる
「ッ....! ツメテェナ...!
ムコウ、ヒダリィ....ッ!」
"ヒュォォォオオオオオオオオオ--------
ヴォレスローグを走らせながら
スサケフスキが顔を向けている方を見ると
そこに何か自然の物では無い、
人の手が入っている様な何かが
周りに何も無い、広い見渡す限りの
雪の中に建っているのが見える....
「・・・・!」
"グイッ"
「-------ウホ...ッ」
「(・・・・)」
ハンドルを左へと切ると、そのまま
その先に見える"何か"を目指して
ヴォレスローグが空中を
浮かび上がって行く--------
「チッ.... マトゥワ、
"イワシ"クワヨォ....!」
「(・・・・)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「(・・・・)」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ...."
"ュゥゥゥゥゥ.....
「・・・・」
辺り一面、見渡す限りの雪しか見えず
視界に見えていた"何か"の近くへと
ヴォレスローグを止めた二人は、
先程遠目から見えていた場所へと向かい
雪だけが吹雪の様に広がる
薄暗い景色の中を歩いて行く....
「ビ、ビッグヒットジャネェクワ....ッ
コ、コイツワァ、ヨォー」
「これは....」
"ヒュウウウウウウウウゥゥゥ...."
「("電話BOX"か-------?)」
「テレフォニィェア....
"テレフォニィェア・ヴォトクァ"
ジャネェカ....?」
「(・・・・)」
一面雪の中で見つけた、ぽつりと
その景色と異なる黒い縦長の
透明なガラス張りの視界に入って来た
その"何か"に目を向けると、
どうやらその何かは街中でよく目にする
"電話BOX"
の様にも見える....
「ウォィウォィ....
ナンドゥワットゥエ コナトクォロニ
"デンワ"アルンダイ・・・・?」
「・・・さあな」
何故か、とスサケフスキが尋ねるが
理由が分かる筈が無い
「・・・・」
それに確かめ様にも、今
この目の前に建っている
縦長のボックスの様な箱状の物は
雪が張り付いているせいかガラスの部分を外から
中に見通す事ができない....
「・・・・」
"ガシャンッ"
「・・・・電話だ...」
「ホ、ホントニデンワダッテノクワイ?」
「・・・・」