第十六話 「Волес Роуг(ヴォレスローグ)」
"シュオオオオオオオオ----------....
「(この、"動力"-------)」
"シュウウウウウウウウンッ"
「イッテエ.... ナニガドウナテ
コイツグワマトゥア
ウゴキヤガッタッテンダ・・・ッ!」
「(・・・・)」
雪の中、河野は再び動き出した
乗り物の背にスサケフスキを乗せながら、
雪の上を浮かび上がり暗い銀世界を
走り抜けていく--------
「オッ.... ドウナッテヤガルンドゥアッ....!」
「・・・・」
"シュウウウウウウウウ----------"
突然動かなくなったと思った乗り物が
再び奇妙な音を上げ動き出した事に、
スサケフスキは奇妙な顔を見せ
運転している河野に問いかけるが、
「(おそらく--------
【--------"バササッ!"】
「(あの、"雪"--------)」
山頂、雪の中での
スサケフスキとのやり取りが浮かんでくる
「(----------....)」
"ピッ ピッ"
「オイッ ドウオモウンダ・・・ッ?」
「(・・・・)」
自分の両腕の間にあるメーターが付いた
機器の様な物に目を向けると、
あまり記憶は定かでは無いが
液晶の様な物の中に表示された
ランプの様な物が、赤から青色に
変わっている様に見える--------
「(多分---------)」
【ハ、ハラ...ショー....!】
このバイクの様な乗り物は、
燃料切れを起こしていたのでは無いか
「(たぶん、そうだ....!)」
あの山頂の場所で、突然動かなくなった
このバイクの様な乗り物。
「(それが.... 何がどうなったのか....
蹴りを入れたせいかも知れないが
雪... スサケフスキが雪をこのバイクに
浴びせたから、このバイクが
動く様になったんじゃないか・・・?)」
「В...олес Роуг...
"ヴォレスローグ"ッテカイテアルゼ」
座っている後部座席の椅子の横に
スサケフスキが目を向けると、そこにロシア語で
"Волес Роуг"の文字が
書かれているのが見える--------
"フオオオオオオオオォォォォ----------
「(山頂で、この乗り物が止まったのは
単純に燃料切れ--------
そしてこのバイクが動かなくなったのは
ただの故障だと思い込んでいたが、
実際にはこのバイクの燃料は
"雪"で、たまたま雪をスサケフスキが
このバイクに浴びせかけたのが
良かったんじゃ無いか....?)」
"フオオオオオオオオォォォォ----------"
走りながら、バイクの下の横腹辺りに目を向けると
激しく蹴りを入れたせいか
何かキャップの様な物が外れ、
バイクの中へと繋がる硬貨よりやや大きめの
穴が開いているのが見える
「(それに--------)」
「オッ・・・! オトコマエダヌェ------ッ?」
"チャッ"
自分の座っている椅子の
足元の場所に立てかけられた
エモイソードを手に取ると、
腹が満たされて満足したのか、スサケフスキは
先程襲いかかって来たとは思えない様な態度で
機嫌を伺って来る....
「(この剣-------)」
【ヒ、ヒカッテルズゥエ---------....】
【ナ、ナンダ・・・】
「(・・・・)」
この剣を近付けると、この乗り物は
光を放ち、動き始めた--------
「(もしかすると・・・・)」
「ンァスポジェ... コレカラッ
ドウスルツモリダイッ!?」
「・・・・」
フォォォオオオオオオオオオオ----------ンッ.....