第百十八話 「Отправить в Советский(ソヴィエトに送る)」
秋、そして九月。
「タカカズ------ッ "作物"が取れたよっ!」
「連音....!」
"タッ タッ タッ タッ タッ!
「見て、こんなに.....
"芋"がたくさん....っ 取れたよっ!?」
「(帰って来たのか....)」
長きに渡るムズルドバナル・イナイイスタシヤ
別名、アージュコラヴェルド・デラ・
イクタ・ヘクサ・メヴォワナマリアラ
スパルデコフゲツナロシナロスハ、シナイカワ
ミナイガワ・メナモコスサナタ・フラ
サンタージェアクベージェ・ダスヴァヴェージュ
での次元を越える戦いを終え、
自分が経営する牧場へと帰って来た隆和は
目の前に向かって駈けて来た
女子高生のスカートでは無く、
別のスカートをヒラつかせながら芋を手一杯に持ち
駆け寄って来た連音に笑顔を向ける
「Такаказу ....
Я наконец вернулся.」
「・・・・?」
「Я был удивлен, когда
мне сказали, что
призрак был
многочисленным в
Арк -холле, и нижняя
иерархия была
правителем высшего
измерения, чем Гобол
Зарк,
«Гига Акгдольфреер».
(アークホールで幻体が複数分岐して、
一番下の階層がゴボルザークより更に上の
次元の支配者
"ギガアークゴドルフレイアー"
だったと聞かされた時は私も驚いたが....)」
「-----ああ、ロシア語モードの
スイッチを切り忘れてたか」
"ピッ!"
ロシア語で話す遥に、隆和は自分が
筐体のロシア語モードのスイッチを
切り忘れていた事を思い出し、
それをONからOFFに変える
「・・・・とにかく、還って来たんだな....!」
「ああ、"還って"来たんだな」
"ニコッ"
クソみたいな笑顔を、隆和が遥に向ける
「お姉ちゃ~ん!」
「麻衣・・・・!」
他の二人とは違い、しっかりと
女子高生の制服を着た麻衣が
スカートをヒラつかせながら、二人の前に
農地を横切りながら笑顔で駆け寄って来る
「ようやく.... "還って"来たんだ....!」
「ああ、"還って"きた....!」
"ニコッ"
再び、隆和がクソみたいな笑顔を麻衣に向ける
「還って....!」
「タカカ--------」
「ッ!?」
"シュゥゥゥウウウウウウォォオオオ--------!?"
「な、何だッ!?」
「そ、旻が....!」
「タカカズ--------!」
突然、周りの農地を光が包み
旻から光が溢れその光と共に
頭上の旻から"声"が聞こえて来る....
「タカカズ、よ--------....」
「ウド・"レスティマール".....!」
「タカカズ.... さん.....!」
「(レスティマール....)」
全てを包み込む様な水、そして
春の流れを感じさせる様な慈愛に満ちた声、
そして牧場の雰囲気を一変させた
旻から聞こえて来る"声"に、
隆和はその"声"が
インダストリアル・イビルアーク
32階層
大気を分割し、酸素分子を取り出し
その酸素分子を更に細かく11に分けた後に
その11に分かれた世界を三つに分けた
"攣龠の断層"
の女神、
ウド・レスティマールだと悟る
「タカカズ....」
「レスティマール....」
「お姉ちゃん、光が....!」
「・・・何で、スイカって割れてしまうん?」
「・・・・」
"ボォォォオオオオオオオオオオオオオ----------
「・・・よくぞ、ここまで
辿り着きました---------」
「・・・・へっ、」
"スッ"
旻から聞こえて来るレスティマールの一言に、
満更でも無い様な表情を浮かべると、隆和は
斜に構えた態度で鼻の下を人差し指で軽くこする
「・・・・ゴヴォルザーク....
いえ、真実、彼は正体を隠し、
その真実の姿は我々7777の
インダストリアル・イビルアークの分離、
そして結合を促す為に次元の波動の周波数を
"調整"しようとしていた存在でしたが....」
「(ゴドルフレイザー.....)」
【・・・・忘れるな....!
"タカカズ"、よ--------】
【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.....】
【ゴドルフレイザー.....】
【貴様は、首尾良く.....
奏功成させしめて、この"翠透五十二階"
で我.... そして、我の分体を見事に割譲する
その、"事"を成し得たが.....っ!】
【タカカズ-------っ!?
せ、"世界"が....っ】
【・・・・!】
ゴヴォルザークの繰り出す
"絶対消滅完璧死亡確定"、
次元その物の構造を一から全て変質させると言う
究極超秘術を、
"エモイムーブ"
そのムーブ一つでかわした隆和は
自分が持っていた聖剣、エモイソードの真実の姿
"あぬ"
の意志によって見事に最終奥義、
"エモイ突撃"
を繰り出し、ゴヴォルザークの
分体、そして場に溢れる"嫌な空気"
を一変させた.....
【クハハ....ッ
忘れるな、タカカズ、よ-------】
【・・・・!】
【崩滅..... タカカズ、
涅辺の消滅が近づいてるぞ....!】
【・・・・!】
ゴドルフレイザーからフォームチェンジによって
その姿を変えたゴヴォルザークが、圧力によって
その質量を量子程度に圧縮された姿に
縮まって行くのを見ながら、
聖三姉妹が長女
"天音寺 遥"
の声にこめかみから
冷たい汗が流れ落ちる---------
【クハハ....ッ、!
忘れるな、タカカズよ---------
お前は、見事この我に勝利し、
この世界の質量....
その質量を根本、源から自分の恣に
変えたのかも知れぬが、それは
"再生"では無く"旅立ち"を意味する-------】
【・・・・また、この世界が
繰り返されるってのか....】
"グォォオォオオオオオオオオオオ----------ッ!"
【タカカズ....ッ! 涅辺が
"変わる"ぞ---------ッ!?】
"シュウゥゥゥウウウウウウウ
ウウウォォオオオ--------....."
【・・・・!】
最後の負け惜しみの一言なのかも知れないが、
徐々にその物的質量を縮小させて行く
ゴドルフレイザーを周りの質量が
崩壊して行くのを目にしながら、
隆和はそれを無言で見守る-------
【・・・忘れるな....っ "個"と"存在"....!
"存在"がある所に、"個"は存在するが
だからと言って、"個"は"存在"と
絶対的な統一的.... いや、真理的価値を
一にするものでは無いのだ.....!】
【・・・・どうなろうが、またお前が
"増幅"を繰り返すつもりなら
またこの俺が"止める"、だけさ】
【・・・・・!】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"ボォォォオオオオオオオオオオ----------
「あの、最終決戦....
見事、あなた、次元の勇者である
エモイ タカカズは
様々なゴドルフレイザーの"量的変化"
を乗り越え、遂にゴドルフレイザーの
質量.... その質量自体を
縮小させる事に成功しました....!」
「タカカズ--------
"ポンッ"
「遥・・・・」
「・・・・ふふ」
「・・・・!」
滅多に笑わない遥が自分の肩に手を置き、
顔一杯に満面の笑みを浮かべている事に
この長く、そして一瞬を感じさせる様な戦いが
精霊、そして女神の加護を受けて
終了した事を悟る
「タカカズ-------」
"ボォォォォォオオオオオオオオオ---------
「・・・・何だ? レスティマール?」
「あなたは、この地球を救い
次元の危機へと立ち向かい、見事
物的、量的な生還を果たしました.....!」
「(地球か....)」
「私達--------
生きとし生ける者達は、この
地球によって生み出され
母親.... 母親です....!」
「母親....!」
"キラッ!"
隆和の眼鏡の隙間から、光が差す
「母親.... そして、兄弟.....
人は、人の力無くして一人で生きて行く事は
できないです....」
「人・・・・」
「自然.... そして、"大地".....
空、海、大気--------
全ての質量が、アナタ達人間....
連鎖.... 連鎖です」
「連鎖・・・」
「タカカズ....!」
「ひ、光が・・・・!」
"フワァァァアアアアアアァァァァァアア......"
「レスティマール様.....!」
光だけが優しさを包む様に、牧場の旻の上に
レスティマール、ただ唯一神
絶対的な攣龠の断層の宿命者である
女神が旻の上に、降臨する--------
「タカカズ.... あなたは、"宿命"を乗り越え
この牧場へと.....
生還を果たしました....!」
「そうだな・・・・!」
"キラッ!"
「???」
「あ、流れ星!」
"キラッ"
"キラッ キラッ"
隆和、そして聖三姉妹たちの帰還を
まるで祝う様に、牧場の旻に
流れ星がきらめく---------
「タカカズ.....!」
「・・・・何だ?」
"キラッ!"
「流れ星が.....!」
「レスティマールの頭上に....!」
"キラッ キラッ"
「タカカズ..... アナタは-------
"ボォォォォオオオオオオオオオオ----------
まるで、生命の喜びを分かち合う様に
レスティマールの頭上で流れ星が
瞬いては消え、消えては瞬き出す......
「これから.... 地球.....
タカカズ、あなたはこの地球で
どこへと向かい、そして何を
成すつもりですか.....!」
「・・・・な、何って」
レスティマールの一言に、思わず隆和は
腕を組み、考え込む
「(俺は.....)」
牧場の景色、そして全ての平穏が
包み隠さず光の様に目の中へと
流れ込んで来る-------
「(俺、は......っ)」
「全ての地球の導きを乗り越え、
次元をまた元のあるべき相応しい姿へと
復元させたタカカズ....
あなたの事を
"世界"
は待ち望んでいます.....!」
「(これから.....)」
"キラッ"
"キラッ!"
「タカカズ..... あなたは、
"どう"するつもりですか.....?」
「(・・・・・)」
全ての風、刻を乗り越え、今再び
このレスティマールが治める地球
へと帰って来たが、レスティマールの
ふとした問いかけに、思わず考え込む.....
「(・・・・・)」
"ヒラッ ヒラッ"
「(・・・・?)」
「・・・・」
「(・・・・・!)」
"ヒラッ ヒラッ!"
電車に乗る中年男性がドアの隙間から
隣の車両にいる女子高生を覗き見る様に、
遥、連音、そして麻衣が履いている
スカートが目に入って来る
「タカカズ..... "アナタ"は-------
"ヒラッ ヒラッ!"
「(・・・・!
そうか、俺は....
レスティマール様....
・・・・俺、は--------
「・・・・・」
「俺、は.....っ」
"スッ!"
「・・・・?」
「地球.... そして、母親.....
家族..... 全ての者達が
感謝をし、その人生を生きる権利がある-------」
"スッ"
「・・・・・」
旻に向かって隆和が人差し指を掲げたのを、
レスティマールは公女の様に
見下ろす--------
「・・・行こう、地球へ--------!!」
"バッ! バッ!"
「地球.....!」
「・・・地球が....っ
俺達を待ってる--------っ、!」
「・・・・地球が....!」
「地球さ!」
「地球・・・!」
「地球だ!」
「地球....!」
「地球-----------------------、っ!!
「地球----------
「地球・・・・
「地球------------ッ、!!」
「地球--------------
「(---------地球....) !________
ロシアにて 第五部~ਫੀਨੀਆ</フィーニァ-Й-
~Общий, конец-