第百十三話 「死海(Мертвое море)」
ロシアにて 第五部~ਫੀਨੀਆ</フィーニァЙ
第百十三話
「死海(Мертвое море)」
「(こ、河野.... 先輩....っ??
そ、それに男と女.... あ、後は....っ
す、スサケフスキ....!
そ、それにN/Sの男.....っ、)」
"フワァァァァアアアアアアアァァァァ....
「(・・・・!)」
ツベフォフの浮かんでる先、横に並んだ
壁際の窓に隆和が目を向けると、その窓には
左から順に男、そして女更にはN/Sの捜査員....
そして何故か自分の会社の同僚である
"河野"と"スサケフスキ"の二人が
6つの窓の一つ一つに折り畳まれ
それぞれが別々にその窓の中へと
収まっているのが見える....
「Тогда вы ребята N/S,
верующий не участвует
в регрессии Акима и
Аримы Вы это говорите
(それでは、お前達.... 背信者であるN/Sは
あくまでもアキム.... そしてアリマの
回帰には関わっていない....
そう言っているのか?)」
「да, История дела была
услышана впервые в
этом подвале и я
думаю что это
очень печально,
(....ええ.... その事件の話は
この地下の場所で初めて聞かされたし、
とても不幸な事だと思うわ....)」
宗教用語を頻繁に使うせいか、
それとも正気を失っているのか
あまり意味が通っているとは思えない
話を続けるツベフォフに落ち着いた様子で
レベデワは答える
「(------空....?)」
「・・・・」
二人の話を聞きながら横に並んだ
一番右側の窓、その窓に目を向けると、
その窓は他の窓とは違い何故かその場所にだけ
人影が見えず"空"になっている....
「Мы не имеем никакого
отношения к вашему
брату и любовнику
исчезли, вы понимаете?
(・・・・私達は、あなたの兄や恋人が消えた事と
何も関りが無い-------
・・・分かるでしょう?)」
「Белый 4511,
(・・・・白の4511....)」
「・・・・?」
"スゥゥゥウウウウウウウウウゥゥウ......
「Да признание последним
Избегайте инструкций
а не еретического,
Ты так говоришь!
(そうか.... あくまで懺悔-------
告礼を避け、異端では無い-------
そう装おおうと言うのか....!)」
「・・・・」
---------ストンッ"
「Тем не менее судуба
которую я делаю
недостаточно чтобы
взять его по воле,
(だが、その事も私が行っているスドゥバ....
"意志"からすれば取るに足らない、
下らない出来事だ.....)」
「・・・・・」
"スゥゥゥウウウゥウウウウウゥウウゥ......."
「・・・・」
何か諦念の様な表情を浮かべているツベフォフが
自分の背後に並んだ窓の中央辺りへと、
吸い寄せられる様に浮かび上がって行く
「Я попал в это окно,
(この、窓の中に入った....)」
「почему Антон в окне?
(・・・・なぜ、アントンが....
その窓に....?)」
「・・・・」
"コンッ コンッ!"
「・・・・!」
恋人の家の窓を叩く様に、窮屈に
アントンが収められた窓を
ツベフォフが軽くノックする
「вы ребята я отрицал
N/S и нулевая
модификация Аким,
(・・・お前達N/Sが否定した私、そして
アキムの零転移-------)」
「история по другому
Это сказал бы,
(・・・その話は、"違う"....
そう言ったでしょう....)」
"何か"
同じN/Sの捜査員である
アントンの入れられた窓の前で
不自然な行動を取っているツベフォフに、
強く、レベデワの声が上気する
「Синий 44,
(・・・・青の44....)」
「・・・・」
まるで話を聞かず何かを呟きながら、
ツベフォフは自分の話だけを続ける
「Это пусто Есть время
когда ты чувствуешь
себя так?
(虚しい.... そう感じる時は無いか....?)」
「・・・・」
「Моя семья и любовники,
И когда моя воля я
чувствую что конец
приближается когда
моя воля которая
является надеждой
которую я посвятил
своей жизни,
есть такое время?
(自分の家族や恋人--------
そして自分が生涯をかけその身を捧げた.....
"希望"とも言える自分の意志が
間近まで迫った時..... 何となく....
"終り"が近づいた様な気がして
その物事を終える事にためらう--------
・・・そんな時は -------無いか?)」
「Поместите Антон оттуда,!
(・・・・アントンをそこから出しなさい....っ)」
「・・・・」
"スゥゥゥウウウウウウウゥゥゥウウ....."
「・・・・」
「....トンッ」
浮かんでいた空間の上側から
真下にある地面の上へと降り立つと、
ツベフォフは不思議な造形の金属の
箱型の意匠の側へと降り立つ
「Уходи и вернуться И
событие, да, Шесть
событий выливаются
как коктейльный душ
неоднократно связаны
и разделены и события
превращаются
в другую фигуру,
(出す.... そして戻す-------
そして、事象....
そう---------.....、
6つの事象がまるで
カクテルのシャワーの様に注ぎ込まれ
結合、分離を繰り返し
事象は別の姿へと形を変える-------)」
"スッ"
「(....玉...)」
意匠の上に置かれた抱えられる程の大きさの
ガラス玉に、ツベフォフが手を添える
「N/Sкоторые отказываются
разложить и т Д, И
судьба пяти человек в
этих шести окнах
события, Если это
событие должно
синхронизировать друг
с другом изменить все
не думаете ли вы так,
(・・・・貴様等告解を拒む
N/Sが否定した零転移....
そして、この6つの窓に入れられた
様々な5人の運命------- 事象.....!
その事象同士が互いに同期する
運命を持つとしたら、"全てを変える".....
そう思わないか)」