第百十一話 「Спарсива・Коктейль(スパシーバ・カクテイ)」
「С, Спарсива・Коктейль?
(す、スパシーバ・カクテル....?)」
「・・・・・」
まるで訳が分からず、自分の先から
浮かんでいるツベフォフの下へと続く
土の地面を隆和が先まで見通すと、
浮かび上がっているツベフォフの真下に
アート状の奇妙な造形、そして疎らな色をした
金属の箱の様な物が見える....
「(・・・・ッ!)」
思わず自分の首に掛けていた
ヘッドフォンに隆和が手を添える
「Вы ребята N/S,
(・・・お前達、N/S....)」
"スゥゥウウウウウウゥゥウウウウウウ....."
「・・・・」
周囲の状況にどこか宗教的な雰囲気を
感じさせるせいなのかも知れないが
ツベフォフを見上げると
人間では無く、どこか別の存在、まるで
"天使"が浮かんでいる様な
錯覚にすら陥って来る-------
「Вам не нужно
скрывать это!
(隠さなくてもいい....!)」
"スゥゥウウウウウゥゥゥウウウ....."
「(мужской?)
(-------"男"?)」
「вы ребята российское,
правительствокоторый
изучал теорию
давления магнитного
поля не народ и
Ахим и Арима!?
(....お前達、ロシア政府は....っ
"零転移"....
磁場圧力理論の研究を行っていた私達を
"国民では無い"..... そう見做し....
アキム....ッ
そしてアリマを------ッ、!?)」
"ガタンッッ!!"
「О чем ты говоришь,
(・・・何の事を言ってるの....っ)」
「・・・・」
強い言葉を投げかけてくるツベフォフから
顔を背けず壁に埋め込まれた6つの窓、
その窓にレベデワが目線を向けると
左から2つめの窓の中に
河野、そしてアントンと同じ様な姿勢で
円窓の中に入れられた二人の男と女の様な人影が、
まるで動かず横になっている姿が見える....
「Да Судуба Ридерва Ты
мой брат Аким и! Я не
знаю что Арима
исчезла, Вы
говорите это,
(そうか....
судьба(スドゥバ)レベデワ....
お前は私の兄.... アキム、そして....!
"アリマ"が姿を消した事を
知らない-------.... そう言うのか....)」
「Конечно Арима твой
любовник, И Аким
твой настоящий брат,
(....確か、アリマはあなたの恋人.....
そしてアキムはあなたの実の兄.....)」
"ブシュゥゥウウウウウウウウウウ--------ッ!"
「・・・・!」
紅潮している様に見えるツベフォフと
離れた場所で向かい合いながら、並んだ
6つの窓の下側に目を向けると
文字、そしてパネルの様な物が見え
その壁のパネルが何故か分からないが
ゴムの様に不自然な動きで壁の上を
ゆっくりと這う様に
動いているのが見える-------
「да нс, И уровень дева
который является
судьба, Вы не
участвуете в Акиме и
Ариме, Так что ты
собираешься смыть
грех лжи как СИСММА!
(・・・そうか....っ あくまで、N/S....
そして、судьба(スドゥバ)
であるレベデワ-------
お前達はアキム、そして
アリマの事に関わっていない.....
そう告解.... まるで"シスマ"の様に
罪、を嘘で洗い流すつもりか....!)」
「・・・・」