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#4

妹は俺に朝起きてから起きたことを話した。


曰く、彼女が今朝ベッドの上で目を覚ますと隣に見知らぬ女が寝ていた。制服姿で。

初めは兄の友達かと考えたが、それなら自分の部屋で寝ているのはおかしい。

そう思い、女を起こさないように隣の両親の部屋に逃げ込み、女が家を出るまで隠れていた。

ということらしい。


「お姉ちゃんが朝ごはん食べてる時があっただろう?あの時俺を起こせば良かったじゃないか。」

「だって!あの女の他にも知らない人がいるかも知れないし、それに…」

「それに?」

「…晴人が何とかしてくれると思ったの。」

「…」

頼ってくれている、といえば聞こえはいいけど、実態はただの他力本願だ。


「ま、結局役に立たなかったけどね!」

「……」

他力本願娘にそんなこと言われる筋合いは無い。

玄関口に怪しい人物が来たのとは訳が違う。起きたら既に家の中にいたのだ。家の中に知らない人が居たら普通の人はどうするものなのだろうか。明らかに泥棒の風貌をしていたら俺も対応が違ったかも知れないけど。

というか明らかな泥棒ってなんだ?ほっかむりをしているとかかな?そんな古典的な泥棒いないだろ。古に存在していたかも怪しい。


「雪菜がいうのもあれだけど、もうちょっとは何かしてくれると思ってたよ。まさかソッコー逃げてくるなんて、期待はずれもいいところだよ。」

「あれは逃げたんじゃない。一旦状況を整理してだな…作戦…そう!作戦を練ってたんだ!」

「現実逃避して寝てたくせに。」

「何で知ってる!?」

まあ確かに逃げたのはミスだった。それは認める。あれで普通に泥棒だったらどうしよう。いやむしろ、そっちの方が楽かも知れないが。


「まあ今は居ないんだから良いじゃん。」

「良くはないでしょ。それにあの人学校行くって言ってた?また帰ってくるのかな?晴人の友達ではないんだよね?」

「俺の友達にあんな奴いない。」

「そもそも友達が…」

「いない。って何言わせんだ!居るわ!」


妹は微かに笑ったがすぐにまた暗い顔に戻ってしまった。

「そんな顔すんなよ。まだあの人が悪い人って決まった訳じゃないだろ?」

「…それ本気で言ってる?」

妹が俺を睨むような目で見る。

妹が俺以上にあの人を警戒するのも無理はないか。起きたら横に見知らぬ人が寝てるなんて、想像するだけで恐ろしい体験だ。余計なことを言ってしまった。


「気分転換に外でも歩こうぜ?家の外にも何か変化があるかもしれないし。」

妹は静かに頷いた。

断られると思ったが、案外素直に着いてくるようだ。今は一人にされる方が嫌なのかも知れないな、と俺は思った。


家を出る前に家の中を一通り確認したが家の中に何かが盗られたような形跡は無かった。


彼女は一体何者なんだろうか?





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