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30/40

4人でランチ

このお話から、またヒロイン攻略に戻ってますよん(*´σー`)エヘヘ

 3股が認められてから、初の休日。


「ん、いらっしゃい」


 俺は、麻衣ちゃん・・・・・の家に呼ばれていた。


「おす。お邪魔します」


 麻衣ちゃんではなく、亜希に迎えられた俺は、そのまま家に上がる。


「瑠羽より後に来るなんて、偉くなったわね」


 椅子に腰かけながら、亜希は揶揄うようにそう言った。

 既に到着していた瑠羽が、「やっほー」と手を振って声を掛けてくれる。


「悪かったよ、瑠羽。折角忙しい中時間作ってくれたのに」


 俺が素直に謝ると、


「気にしてないよ、約束の時間よりも早く来てくれてるわけだし」


 瑠羽は微笑みを浮かべ、そう言った。


「あ、友馬さん、こんにちは」


 キッチンから、麻衣ちゃんが俺に声を掛ける。


「こんにちは、麻衣ちゃん。何か手伝うことある?」


 俺の言葉に、「それじゃあ」と呟いてから、


「こっちの準備がちょうど終わったので、お皿を並べるのを手伝ってもらっても良いですか?」


 麻衣ちゃんの頼みに、俺は頷く。

 手を洗ってから、美味しそうに盛りつけられたワンプレートランチをテーブルに運ぶ。

 食器を並べて、席に着く。


「わぁ、凄いっ! 美味しそう!」


「良い匂い、早く食べましょ!」


 瑠羽と亜希が料理を前にし、瞳を輝かせながらそう言った。

 今日の目的は、これだった。

 麻衣ちゃんの手料理を食べたいという亜希と瑠羽のリクエストがあり、一緒に食事をすることになっていたのだ。


「そうですね、食べましょう」


 麻衣ちゃんはそう言うと、俺たちは揃って「いただきます」と言い、食事を始める。

 主菜、副菜、サラダにスープが乗っかった、彩もバランスも良いワンプレート。

 見た目はもちろん完璧、お洒落な喫茶店で2000円くらいのランチとして出されていても不思議ではない完成度。

 少し前までなら、見た目だけが良くて、味はお察しだったのだが……。

 俺は躊躇うことなく、口に入れた。

 これは――。


「わ、美味しい!」


「ん~、麻衣ちゃん凄いっ!」


 亜希と瑠羽が、頬を押さえながら、感動したようを隠さずに言った。

 

「うん、めちゃくちゃ美味い……この間食べたよりもさらに美味いっ」


 俺も、感想を伝える。

 麻衣ちゃんはホッとしてから、


「良かったです、喜んでもらえて」

 

 と、嬉しそうに呟いた。


「全く、友馬も公人も、こんなに美味しいご飯を今まで独り占めしてたなんて……ひどいと思わない、瑠羽?」


 責める様な表情の亜希が、瑠羽に向かって問いかけた。


「こんなに美味しい料理を二人で独占してたの? それはひどいんじゃない、友馬君?」


 瑠羽も、亜希の言葉を聞いて、どこか責める様にそう言った。


「あ、それは……」


 麻衣ちゃんが事情を説明しようとしたが。


「育ち盛りの中学生男子の食欲を抑えきれなかったんだ。悪かったよ」


 それを遮り、俺は亜希と瑠羽に向かって言う。

 

「今は、身体だけじゃなくって、精神的に成長したってことね」


 呆れたように溜め息を吐いて、亜希はそう言った。

 不審がられた様子はない。麻衣ちゃんの呟きは、聞こえていなかったようだ。


「そう言う事」


 俺はそう答えてから、麻衣ちゃんへ視線を向けた。

 彼女は恥ずかしがるように頬を赤く染めてから、ニコリと笑った。

 麻衣ちゃんがメシマズだったことを、ここで説明する必要はない。

 

 ――亜希に説明すると、『その頃から麻衣のこと狙ってたわけこのスケベ?』くらいは言われるだろうし、ここで庇うことで麻衣ちゃんの好感度も上がるだろう。

 ……という下心も、もちろん説明をする必要はないよな?



 麻衣ちゃんの料理をあっという間に平らげ、今は食後のお茶を飲みながら、まったりと話をしていた。


「そういえばもうすぐ中間テストだけど、亜希ちゃんと麻衣ちゃんは成績良いの?」


 瑠羽が二人に向かって問いかけた。


「あたしは、大体平均くらいかしら」


「私も……まぁまぁです」


 亜希はあっけらかんと、麻衣ちゃんは少し間を開けてから答えた。


「麻衣ちゃんのその間は、成績が良い人が自分で成績良いって言うのが気まずい時の間だよね」


 瑠羽は冷静にそう言った。

 彼女の予想は大正解で、麻衣ちゃんは学年上位の成績の持ち主だった。


「ちなみに俺は……」


「はいはい、学年2位すごいね」


 瑠羽は俺に塩対応をキメた。

 いつもストレートに優しい瑠羽のそっけない態度。……悪くない感覚だぜ。


「そんな学年2位の友馬くんにお願いがあるんだけど……テスト勉強、対策とか教えて欲しいなって思って」


 瑠羽が恐る恐る問いかける。

 彼女は芸能活動で忙しく、1年生の時は、成績が悪かった。

 

「もちろん、任せてくれ」


 俺の言葉に、瑠羽は「ありがとう……」と、微笑んだ。

 テストの内容を、繰り返したときの中ですべて把握している俺が勉強を見れば、赤点はありえない。

 テスト対策に無駄な時間を取る必要がないのは、この繰り返される世界で、数少ない利点だ。


「わ、私も……時間がある時だけでいいので、見てもらっても良いですか?」


 麻衣ちゃんも、俺に向かってそう言った。

 わざわざ俺が勉強を見なくても、麻衣ちゃんなら成績上位をキープできるだろうが……何でも良いから口実にして、俺と一緒にいたいのだろう。

 ……可愛いなこの娘。


「もちろん、一緒に勉強しよう」


 俺の言葉に、コクリと頷いた麻衣ちゃん。


「亜希も、一緒に勉強しよう」


 こういう時、中々素直に言い出せない亜希に、俺が声を掛けると、


「ゆ、友馬があたしと一緒に勉強したいって言うなら、しょうがないわね。勉強なんて一人でしたほうが効率良いとは思うけど、恋人の頼みは断れないわっ」


 と、早口で言われる。

 それから、彼女をじっと見ると、


「……ありがと」


 と、ぼそりと言った。

 可愛いな、亜希も……。


「そう言えば友馬って、万年2位だけど、学年1位を狙ったりはしないの?」


 思い出したように、亜希は問いかける。


「狙っても取れなかったんだよ」


「……あのHENTAINOTEに掛ける情熱の5%くらいでも追加で勉強に注いでいたら、学年一位くらい取れたんじゃないの?」


 亜希は不愉快そうに言った。


「……すみません」


 俺はぐうの音も出なかった。

 あの㊙美少女ノートに費やした情熱は、常軌を逸していた。

 亜希の言う通り、学年一位も射程圏内だったかもしれない。


「そう言えば、学年一位って誰なの?」


「私たちのクラスの、学級委員長の伊院千代いいんちよさんが毎回学年一位を取ってるんだけど……分かる?」


「同じクラスだったんだ……でも、わかんないや」


 瑠羽は気まずそうにそう答えた。


「私は知ってます。1年生の間でも有名ですね、2年生に凄い頭の良い人がいるって。……ちなみに、友馬さんもすごく有名ですよ」


「……俺が?」


 問いかけるものの、どうして俺が有名なのか、知っていた。


「変態ノート先輩として、有名です。男子の間では、友馬さんの書いた2,3年生の女子のノートの情報が出回ってるって噂ですよ」


 麻衣ちゃんが冷たい眼差しを俺に向けて言う。

 亜希と瑠羽も、同じようにこちらを見ている。


「それはない。あのノートの内容は公人にしか共有していないからな」


 友人キャラとして、そこは断言しておいた。


「そういう問題じゃないのよ?」


 苛立ちを隠さず、亜希は中指を立てながら言った。

 

「……でも、それで良いかもって最近思ってる。あたしたちは友馬の良いところ知ってるし」


「そうそう、他の女の子に知られたら、また彼女が増えちゃうかも」


「そう考えると、友馬さんは嫌われてるくらいがちょうど良いですね」


 三人は、俺をじっと見つめながらそう言った。

 中々居心地が悪い時間だった。


 とりま、去年の俺をぶん殴りてぇー……。

 俺は恋人から冷めた視線を向けられつつ、すっかり冷めたコーヒーをすすりながら、そう思うのだった。




 それから、週明け。学校での出来事。


「阿久友馬くん。私はあなたをこの学園で最も嫌い、そして唯一軽蔑している」


 俺に向かってそう宣言しているのは、伊院千代いいんちよ

 クラスを纏める学級委員長であり、学年一位の才女にして――。

 

 俺が次に攻略を開始するヒロインである。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] ちょっと遅くなりましたから、続き読み始めました。 なるほど、前の30話がなくなって、とりあえず29話は篇゛ディンク、29話に至るまでの話が再開された、ということですね。修正前の29話で、攻…
[良い点] 前の話を改稿して自然な形になったので違和感はなくなりました。 [気になる点] 前話はわざとなんですかね?話が繋がってないというか、随分強引な幕間のように感じたので… [一言] 再開ありがと…
[良い点] 雨白かったです! [一言] 新章スタートありがとうございます! 応援してますー
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