13.魔術と魔法
性別が変わったからって、0歳児には関係ないね。
もとの世界に“戻る”のは不可能と言われ、理不尽さにクラスメイト達は荒れたが、興奮を抑えるギフトかスキルがあったのか直ぐに鎮静した。
召喚された次の日からいくつかのカリキュラムがスタートした。
まず体力測定から始まり、最低限の護身術とか一般教養であるとか。
ほとんど眠ってすごしている我とゆうは見学だ。
戦闘訓練もどきは3日で終わり、あとは希望者が徐々に本格的なものを受ける予定で、あと一週間に一度非希望者も体がなまくらにならないように集まることになった。
併行して魔術講座も始まり、適性の低い者も受講している。
まあ我らはどちらも保育施設代わりにドワー腐とエル腐とただいるだけだがな。
魔術講座では、科学でも物理的でもないためか優等生グループほど飲み込みが悪くてすぐに理解を示した婦女子たちは手持ち無沙汰で腐界に没頭している。
生活にあれば便利な最低限の“種火(小)”、“湿らせ”、“送風(弱)”を初級魔術をパッケージ化した、“ままごとセット”をマスターして次の“お手伝いセット”と個別魔術の予習を始めている。
内容については知らないけど冒険者に便利な初級は“なりきりセット”と翻訳された。
魔術式を使って安定した効果を得る魔術講座のほかに、魔力効率が悪いが意識の偏った“幻想”で効果を出す“魔法”の存在も教わった。
魔物から手に入る魔石に、模様のような魔術式を刻んで任意の効果を引き起こさせたり、刻印をした道具と組み合わせて“魔道具”を作る職もあるらしい。所謂触媒でもあり魔術効果を安定・増幅・制限と制御させる“杖”もこの類とされる。
“魔術”は、魔術式を元にした安定した効果。“魔法”は、幻視を具現させるのでときにより不安定になる。
『あー、平氏と源氏か』
誰かがダジャレにもなってない言葉を呟いた。疲れているのだろう。
魔術は、魔石と自身の魔力と周囲の魔素を燃料として|発動(activate)し効果に繋げる。
魔術は特定単一の効果には、既に設定されているから初動と効果の程は安定し、効率も良い。
しかしこれでは多用途の効果を獲る事ができないので、魔術と魔法の併用を編み出し、“杖”が開発された。
多くの杖は汎用性寄りでいろんな効果に対応させるのと安定を第一とした簡易な処理のみが刻まれ、具体的な効果の選択は、魔法による。
詠唱は、まだ有効な具体的イメージを持てない初心者が補助的に行っている。中級者ともなれば、きっかけとしてのみ魔法の名称を口にし、上級者なら無言で発動させる。上級者でも詠唱するのは、より効果を高くするために魔力を練るときの習慣らしい。
我は講師を務める魔道士(魔術と魔法のどちらも高い水準)の話に耳を傾けた。




