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第6話 決意の刻

今回はデュエル回ではありませんが、主人公、莉那の決意を題材にしました。お楽しみください。

「ところでオーディションに≪クラスターデュエル≫を使うってどう言うこと?」

 莉那は疑問に思い腕を組ながら理彩に質問した。

「私も噂でしか聞かないんだけど、それ専用のルールが設けられてるデュエルらしいよ。細かいことはなんにも公表されてないみたい」

 理彩もほとんど知らないらしく、腕を組んでそう言った。

「そうなんだ……じゃあ行ってみるしかないってことか……」

 莉那はうーんと唸った。その様子を見ていた店員がこれならと寄ってきた。

「このオーディションは……」

 店員の思わぬ言葉に莉那と理彩は店員に聞いた。

「なにか知ってるんですか?」

 店員は頷くと説明を始めた。

「このオーディションは、お客様が言った通り≪クラスターデュエル≫を使用する噂は本当です。デュエルの名前がついています。≪歌唱デュエル≫です」

「歌唱……デュエルですか?」

「はい、ルールも変わっていてコストの制限がないんです。自由に召喚をして、歌って踊るといった感じらしいですよ。また、相手に与える打点も変わるとか……つまり、このデュエルはプレイヤーのカードとの≪絆≫が重要になりそうですよ」

≪絆≫と言う言葉の響きに高揚感を感じた莉那は決意をした。

「なるほど、つまりカードを信じていけば勝てるデュエルって言うことですか。私、やってみようかな」

 莉那がそう言うと、理彩の目はさらに輝きを増し、

「ほんとに!?本当にやってくれるの?」

「まだお母さんの許可は持ってないからやるとは言いきれないけど、やってみようと思う。それで自分の 実力が知りたい。それと、少しくらいは夢を持ちたいと思ったんだ」

「うん!その意気だよ、莉那!そうと決まればまずは許可取りだね!」

「うん。とりあえず今日は帰って聞いてみるよ」

 莉那はそう言うと、オーディションの紙を理彩から受け取り、家に直行した。


「たっだいまぁ!」

 莉那は元気よく玄関のドアを開け、叫んだ。

「あら、莉那じゃない。ずいぶんと元気だね」

 母親はエプロン姿で莉那を迎えた。

「お母さん、後で話がある。いい?」

 母親はエプロンで手を拭きながら頷いた。

「いいよ。先にご飯食べちゃいなさい」

「はーい。着替えてくるね」

 莉那はそう言って、階段を駆け上っていき、部屋に入った。

 そして、急いで着替えて、一階のリビングへと入った。

 机には様々な料理が並べられている。

「いただきます!」

と言ってから食事を始めた。

 莉那はご飯や、惣菜を口に頬張り、お腹一杯になったところで、本題に入ろうとした。

「話のこと言ってもいい?」

「いいけど、その前に挨拶してきなさい」

「あ、忘れてた。先にそっち済ましてくるね」

 莉那は立ちあがり、戸をあけて、和室に入った。そこには仏壇があり、花が供えられている。また、今夜の食料も供えられている。

 莉那の父親の仏壇だ。莉那の父親は莉那が小学3年生の時に交通事故で亡くなった。その瞬間に莉那も一緒にいた。莉那は腕の骨折で済んだが、父親は莉那を庇って、全身を強く打ち、亡くなってしまった。最初は実感がわいていなかったが、葬式の時にやっと理解し、涙が止まらなくなった。それから三日三晩泣き続けたらしい。

 ……らしいと言うのはその時の記憶がほぼないからだ。

 莉那は線香をたき、鈴を一回打ち鳴らし、合掌した。

(今日ね、理彩とデュエルできたんだよ。それでね、オーディションに誘われちゃった)

 そんなことを心の内で話ながら、手を合わせ続けた。

 合掌を終え、和室を出てリビングに入ると、椅子に腰を掛けた。

「じゃあ話すよ」

 母親に承諾を得てから話始めた。

「今日、理彩が≪クラスターデュエル≫をやってることを知ってデュエルしてきた。それで勝ってこれをやってみないかって誘われたの」

 そう言ってオーディションの要項が書かれている紙を机の上に出した。

 その紙を母親はじっくりと読む。

「それで、やっていいか聞きたくて」

 母親は莉那の方をじっくり見た。そして、母親はあることを聞いた。

「本気なの?」

 その問いかけに莉那は真剣な表情になった。

「うん。やると決めたら受けるよ。そして、合格する」

と決意を口にした。

「いいんじゃない。やっと目標を見つけたって感じだし。今まで何もないような顔だったのに、今は目がすっごく輝いてる。やって来なさい。そして、勝ち取りなさい、合格を」

と、母親は娘の決意を聞き入れ、オーディションに参加することを許した。

「ありがとう、お母さん」

「いいのよ。さあ、今日はもう寝て明日から頑張っていきなさい」

「うん。おやすみ!」

 莉那はそう言ってリビングを後にして自分の部屋のなかに入っていった。


(オーディション……か。頑張るぞ!)

 スケジュール帳の中にある≪アレイスタードラグーン≫を見て、深くうなずき、布団のなかに入った。

(見ててね、≪アレイスタードラグーン≫。いつか必ず、君をデッキ入りさせてあげる。そのときはちゃんと使いこなせるようにするからね!)

母親に許可を得ることが出来た莉那は次から特訓します。では、次の投稿までお楽しみに。

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