第4話 ≪トップアイドル≫の力
「≪トップアイドル・クナミ≫で≪終焉の魔女・エンダール≫を攻撃!ここで≪クナミ≫の効果発動!自分のフィールドに≪アイドル≫モンスターが2体以上いるとき、このモンスターは直接攻撃をするまで何度でも立ち上がる!≪アイドル≫は決して屈しない!」
一度目の攻撃、≪終焉の魔女・エンダール≫は≪アイドル≫たちによって倒された。
「≪エンダール≫!」
「まだまだだよ。これで最大コストはこちらが上になったことを忘れずにね!」
「しまった!≪エンダール≫がいなくなったからこちらのモンスターの最大コストは≪仲間を呼ぶ魔女・ムー≫の1になったってことか!……と言うことは……≪トップアイドル・クナミ≫の攻撃力は4100!?」
「その通り!さあ≪クナミ≫よ、今こそ≪魔女≫たちを虜にするチャンスよ!≪トップアイドル・クナミ≫で≪仲間を呼ぶ魔女・ムー≫を攻撃!」
攻撃力の差は圧倒的で、≪エンダール≫に続いて≪ムー≫も破壊され、理彩のフィールドにはモンスターがいなくなった。
「3回目!直接攻撃よ!」
≪クナミ≫の歌声により歓声が上がり、その歓声が雲を呼び、巨大な雷が発生し、≪魔女≫達の≪指導者≫に直撃する。
これにより理彩のライフは5になる。
「一斉攻撃よ!≪月夜のアイドル・ヨミ≫、≪駆け出しアイドル・ラン≫よ≪指導者≫に攻撃よ!」
≪ラン≫は効果により打点が3になっている。つまり、総攻撃をすると理彩のライフは1になる。
「仕方がない、この攻撃は通るよ。次でどうにかしないと……」
理彩は焦っているのか冷や汗をかきながら手札のカードを見ている。
そして、映像では二人の≪アイドル≫が≪指導者≫に攻撃している様子が流れていた。これで理彩のライフは1になった。
「負けてたまるかぁ!次で決着をつける!」
白熱したまま、勝負は続く。
ターン5
莉那コスト7、ライフ6、手札0
理彩コスト9、ライフ1、手札3
「わ、私のターン!お願い、来て!ドロー!」
理彩は勢いよくカードを引いた。
「うーん……この状況なら……」
理彩はこれが最後の自分のターンにならないように、作戦を練っているようだ。そして、作戦が決まったのか、手札のカードにてをかけた。
「少しでも信じる!カードの……いや、私たちの力を!≪オブジェクトカード≫、≪魔女の学園・カレッジオブ・ウィッチャーズ≫を設置!」
≪魔女の学園・カレッジオブ・ウィッチャーズ≫設置条件は自分のフィールドもしくは墓地に≪魔女≫と名のつくカードが3枚以上
映像には、≪トップアイドル・オンザステージ≫とは正反対の闇夜の中に佇む暗黒の学園のようなものが現れた。
「このカードの効果を発動する!このカードが場にあるとき、コストを6使用して、墓地から効果を無効にして≪終焉の魔女・エンダール≫を召喚!≪魔女≫だって何度でも立ち上がる!さぁ、決戦だ!」
莉那は自分のフィールドの状況を確認して、攻撃力のことに気がついた。
「でも、こちらの≪アイドル≫モンスターは≪トップアイドル・オンザステージ≫の効果で攻撃力は1000アップしている。一番攻撃力が低くて≪駆け出しアイドル・ラン≫の1900だよ?しかも≪エンダール≫の効果は≪魔女の学園・カレッジオブ・ウィッチャーズ≫の効果で無効化されている。理彩、あなたはこの状況をどうすると言うの?」
理彩はフフンと言うと、説明を始めた。
「そんなの簡単だよ。このカードさ。≪オブジェクトカード≫をモンスターゾーンに設置する!設置条件は自分のライフが2以下の時。来い!もう一枚の≪オブジェクトカード≫よ、≪魔女の庭・ウィッチャーズガーデン≫!」
「≪オブジェクトカード≫をモンスターゾーンに!?その戦略はモンスターが出せなくなることがあるから大体の人がやっていない、上級テクニックじゃん!理彩、あなたはそこまでして私に勝とうと?」
莉那は驚きを隠せないでいた。
「もちろん!このデュエルは絶対に勝つ!≪魔女の庭・ウィッチャーズガーデン≫の効果発動!このカードが設置されたとき、相手モンスターのコントロールをこのターンの間だけ得ることができる!私が選択するのは、もちろん≪トップアイドル・クナミ≫よ!このカードの効果で攻撃力は下がるけど、莉那の≪オブジェクトカード≫の効果は使わせてもらうわよ!」
「な、なぜ?私の≪オブジェクトカード≫の効果が適用されるの?」
莉那は目を丸くしている。
「このカードだよ。コスト3の≪星屑の魔女・ダスター≫を召喚!そのまま効果発動!このカードがフィールドにいるとき、相手の≪オブジェクトカード≫の効果を発動することができる!≪トップアイドル・オンザステージ≫の効果発動!自分のモンスターの最大コストが相手モンスターの最大コストより大きいとき、≪アイドル≫モンスターの攻撃力を1500上げる!もちろん、莉那のモンスターの攻撃力は永続効果だから1000アップするけど、これで莉那の≪アイドル≫達は殲滅が可能な訳なんだよ。さぁ莉那、どうする?」