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第2話 初戦

 お互いがデッキをプレイマットに置いたところで、ゲーム開始の掛け声を同時にかけた。

「クラスト!」

「それじゃあ私が先行で行くね」

 理彩が先攻、莉那が後攻でデュエルは始まった。


ターン1

「私のターン!私はコスト1の≪凍える魔女・エリー≫を召喚」

 理彩によってカードの召喚が宣言されると、プレイマットとプレイマットの間に小さな草原が映像で写し出され、いかにも寒そうに震えている≪凍える魔女・エリー≫が現れた。

≪凍える魔女・エリー≫コストは1、種族は魔法使い、攻撃力は300のモンスターだ。

「へぇ、可愛い……」

 莉那は理彩が召喚したモンスターに何かほっこりする気分になった。

「でしょでしょー?このカードの効果も可愛いんだからね」

 理彩は効果の発動を宣言し始めた。

「エリーの効果発動。このカードが召喚に成功したとき、コストの最大値を1プラスする。さらにコスト3の≪輝く魔女・フラン≫を召喚!」

≪輝く魔女・フラン≫コスト3、種族は魔法使い、攻撃力は1000のモンスターだ。

「いきなり飛ばしてきたね」

「へへぇん、これで私はターンエンドだよ」

 理彩が使うデッキはコストを増やして有利にゲームを進める≪魔女≫シリーズを軸としたコスト増やしデッキだ。このデッキは先攻でも有利にできることから人気があるデッキだ。

「≪魔女≫シリーズか……戦い甲斐がありそうだね」

 莉那は笑顔で理彩を見る。

「私だって莉那がどんな強さか小手調べが必要だもん。本気で行くよ!」

 1ターン目にしてお互いデュエルに熱が入ってきた。

「じゃあ次は私の番だね」


ターン2

理彩コスト6、ライフ7、手札4

莉那コスト6、ライフ7、手札6

「私のターン、ドロー!」

 そう言い、莉那はカードをデッキから1枚引いた。莉那は手札のカードを見てどうするか考え一枚のカードを出した。

「私は、コスト1の≪見習いアイドル・ルカ≫を召喚!」

≪見習いアイドル・ルカ≫コスト1、種族は亜人、攻撃力500の俗に言う≪バニラ≫モンスターだ。

 映像には少しおっちょこちょいなアイドル見習いの姿が写し出された。

「さらに、コスト4の≪売れ出しアイドル・スイ≫を召喚!この子の効果を発動。このカードが召喚に成功したとき、デッキからコスト3以下の≪アイドル≫モンスターを一体ノーコストで召喚する。私は、コスト3の≪夢見るアイドル・メイ≫をノーコストで召喚!」

 映像では≪売れ出しアイドル・スイ≫の歌声によって、≪夢見るアイドル・メイ≫が呼び出されるのを写し出した。

≪売れ出しアイドル・スイ≫コスト4、種族は亜人、攻撃力1300を誇るモンスターだ。モンスターを召喚する能力も強力だ。

≪夢見るアイドル・メイ≫コスト3、種族は亜人、攻撃力800。

 次に莉那はバトルの宣言をする。

「いくよー、バトル!私は、≪売れ出しアイドル・スイ≫で≪輝く魔女・フラン≫をアタック!」

 スイの攻撃力は1300。それに対してフランの攻撃力は、1000。スイの方が勝ちだ。スイの歌声により、フランが破壊された。

「続いて≪見習いアイドル・ルカ≫で≪凍える魔女・エリー≫を攻撃!」

 攻撃力の差は200。攻撃は通り、≪凍える魔女・エリー≫が破壊される。

「次っ!≪夢見るアイドル・メイ≫で攻撃!」

 理彩のフィールドにはモンスターがいない。よって、莉那のモンスターの攻撃は直接攻撃として通った。

 理彩のライフは7から6に減る。

「なかなかやるじゃない。次はこうはいかないよ」

「もちろん、これだけじゃ物足りないよ。私はターンエンドだよ」


ターン3

理彩コスト7、ライフ6、手札4

莉那コスト6、ライフ7、手札4

「それじゃあ私のターンだね。いくよ、ドロー!」

 理彩はカードを引くなりニヤニヤし始めた。

「あ、理彩って昔から顔に出るタイプだったよね?まさかいいものを引いたんだね?」

 その質問に理彩は人差し指を立てて

「チッチッチ。いいものじゃないよ?すごくいいものだよ!」

「すごく……いいもの?」

「今見せてあげる。」

 理彩はそう言うと、手札から一枚のカードを莉那に見せた。

「まずはこのカード、コスト1の≪仲間を呼ぶ魔女・ムー≫を召喚。これによりコストを1増やし、回復させる。更に、このターンだけ相手のコストとの合計の値分モンスターが召喚可能!」

≪仲間を呼ぶ魔女・ムー≫コスト1、種族は魔法使い、攻撃力は100のモンスターだが、いきなりのぶっ壊れモンスターに莉那は驚愕するしかなかった。

「さてさて、現在の私のコストは14になった。さて、出させてもらおうか。

「世界が闇に染まりしとき、終わりが来たと終焉の叫びをあげよ!」来い!コスト13≪終焉の魔女・エンダール≫!」

 その召喚の宣言と同時にプレイマットの前の映像が赤く染まり始めた。そして、フィールドが荒れ地になったかと思うと、その地面から噴火したかのように炎が吹き出た。そして、今までとは比べ物にならないくらいの巨大な亜人が姿を表した。それこそが≪終焉の魔女・エンダール≫で、理彩のエースモンスターだった。

「いやぁ、このモンスター、出すのが大変なんだよねぇ。だって、このモンスターのコストって13だもん。3ターン目で出せたのが奇跡みたいなものだよ」

(こ、こんなモンスター、どうすれば……)

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