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プロローグ 燻る理想は

 夢を抱いていた。

 

 遠い日の理想。 敵わないと知っても、追い掛けたくなる背中。


 少年は、英雄になりたかった。


 こっちの世界でいえば、アキレスやアーサー。 日本でいえば信長など。


 そういった、誰もが知り、その偉業に喝采を送ってくれるような、そんな人間になりたかった。


 今でも、夢を見る。


 「カーロン様!」

 「カーロン様!」


 妄想するは凱旋。 巨悪を討ち、誰もが自分を褒め称える、そんな風景。 そんな光景。

 

 少年は馬に乗り、自分が守った世界、自分が成した偉業を実感する。

 

 彼が目にするのは、幸福に満ち溢れた世界。 


 貧民も貴族も関係ない。 誰もが自分に羨望を抱き、我もまた英雄たらんと、希望を抱くことができる様に

――。


 馬は城にたどり着く。

 

 威圧感のある城門。 しかしそれも、彼にはもはや気にならない。


 何しろ自分は、英雄なのだから。 すべてを救った、正義の味方なのだから。




 そんな自分を、無双する自分を、()()していた。 



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