60.良い収穫!!でも量が!!
司会の人が仕切り始めた。
「初めに10匹の魚!!燻製だ~~~!」
・・・・・「「「「「「「「「「おおおおおお」」」」」」」」」」・・・・・・
「開始価格は1万プノから!!」
「10000」「10500」「11000」「12000」「11500」
「13000」「12500」「13000」「13000」「13500」
色々な金額が飛び交うが、同じ金額を言ったり、低い金額を言ったりだ
これは仕方ないだろう、参加していない俺も今現在最高金額がわからないのだから
本格的な?オークションは見るのも初めてだが、あまり面白いものではないな・・・
初めの一回見るだけでいいかもしれない。
ストーコウの露店で、奴隷のオークションを見た時は結構すぐ終わったのだが・・
今はチマチマあげて行っているから長いな・・・しばらく『ぼ~~っと』して待った・・・
そろそろ終盤なのだろう、競っているのが二人になっていた。
金額は!!22万プノだと!!
「22万!他はないか!!」
「23万~~」
「23万5千!」
「・・・24万!!」
前列に陣取っていた男性貴族?と一般の女性商売人の争いだ、貴族は余裕で重ねてくる
勝負はついたようなものだろう・・・・
「25万!」
「25万!!無いか!!」
「・・・・」
「25万!!無いようなののでこれで!!これにて落札!!・・・・・・
落札したお方は、どうぞこちらにお越しください。・・墓の皆様は少々休憩をはさみますので
ご自由にしていてください」
司会者の指示のもと、ナンバーンの職員やブルゼさんの所まで誘導され、金額を払うみたいだ。
俺も少し気になり、近寄って行って聞き耳を立てていた。
「25万プノ確かに」
「聞くが、俺がこの後全部落としたとしても問題ないよな?」
「はい、問題ございません」
「ならいい、席に戻るとしよう。・・そうだ・・落札したものは終わりまで預かっててくれ
外に待たせている奴隷に終わったら運ばせる」
「畏まりました」
偉そうなおっさんは、得意げな顔で席に戻っていった。貴族なら実際偉いのかもしれないか。
俺には関係ないか。
「ブルゼさん、もう俺達はいなくてもいいでしょう?ナンバーンで扱っている品物とかを
見に行きたいのです。どうでしょうか?」
「はい、かまいませんけど、落札価格とか気にならないのですか?」
「多少は気になりますよ?でもナンバーンが扱っている、珍しいものもあるでしょう?
そう言う物も見て見たいのです。いいものがあったら買っていくつもりです」
「左様ですか、ではうちの職員をつけましょう」
「いえいえ、気の向くまま見ていくつもりなので、お気遣いなく」
「わかりました、オークションが終わるのは、日が暮れてからになると思います」
「はい、そのくらいには戻ってきます」
3人を引き連れナンバーンの中を見学だ。
安く買えるならここで買ってもいいと思うし、何があるか楽しみだ。
歩いていると、武器や防具の部屋もある、これはいらないが興味もあるので中に入って見て見るが・・・
何ともお粗末すぎる!!こんなのが武器と言えるのだろうか?刃がかけている物ばかりだぞ・・・
防具にしてもそうだ、何かの動物か魔獣かわからないが皮の服?ベルト紐?これが切れかかっていたり
皮で出来ている胸当てなどは・・・片方が破けているぞ!ん?でも・・コマツかカシナが装備したら!!
片胸が見えていいかも!これはこれでアリか!あ!!中に何か着ていたら意味ないな・・・・
盾も同じように持つ所が壊れていたり、腕に巻き付けるベルトが切れていたりだ
ナンバーンの職員に聞いてみた所、ナンバーンに流れてくる武器や防具は、専門の人が使っていて
新しくして入らなくなった物や、壊れた物、こんな感じのしかないそうだ。
新品の物は、討伐隊やハントバーンに流れるという事だ。良い物が欲しいならハントバーンに行けと・・
ハントバーンとは?聞いたことが無かったので簡単に聞いておいた。
簡単に言えば賞金稼ぎの集まり、魔獣や獣を倒したり、色々な鉱石を取りに行ったり、
詳しく知りたいなら、直接ハントバーンに行ってみる事だと言われた。
いい事が聞けた、王都に居るうちに一度行ってみよう。
隣の部屋も覗いていく。ここは服や布製品の部屋だな、見た限りでは新品もくたびれたのもある
カシナの服を買うことになっていたな。
「カシナ、ここで服を選ぶか?」
「私は、まだ一着ありますので大丈夫です」
「誰も二着はもっているのだろう?カシナだけ一着というわけにもいかないぞ」
「スイ君、私は一着も貰ってないけど?差別かな?」
「そうか~コマツは元々持っていたのとトレーネの服だけか、ならいい機会だし二人で選んだらいいぞ」
「スイ君、ありがとう」
「ありがとうございます」
「そうだ、ついでにスミカも選んでいいぞ」
「あ、ありがとうございます」
三人は別々に見るらしいな、人それぞれ好みがあるから仕方ないだろう・・・と思ったら・・・
カシナとスミカは、くたびれた物が置いてある場所で見ている。
「カシナ、スミカ」
「「はい?」」
「いいか?ここじゃなくて、コマツが選んでいる所で探しなさい」
「ご主人様、私はこちらので充分です」
「私は、服など買っていただける立場でも何でもないのです、買っていただけるだけでも・・」
「カシナ、今までミライやヒュラス達と同じようにしてきたつもりだし、ミライ達も同じ家族のように
カシナ達を見ていた気がするんだが?」
「はい、その通りです・・」
「ならコマツと同じ場所の物を選んでくれ、ただし紋様の事は忘れるなよ」
「仰せのままに」
「スミカもだ、俺は差別はしない!特に女性に対しては!!だから向こうのを選んでくれ」
「スイアーフ様、ありがとうございます」
よし!!俺はいい事を言った!!ほめて遣わす!!
いい事を言ったついでに、アールネイヤには無い、女性用のブラとパンツをどうにかしないと
いつもトレーネでもいいが、俺が忘れると洗いもしないで身に着ける・・・ブラは許せるが・・パンツは・・
俺は生地でも・・大きめの生地はすぐ見つかった。結構丈夫そうだが!!薄い・・
こっちにもパンツはあるのだが・・オムツみたいで、ゴワゴワしていてなえるし男女とも同じだ!!
そう、男性にあると思っていたマツタケが無いのだ。
薄くてもいいだろう、日本でも透けた物なんか幾らでもあったはずだ。
生地はアレでいいか、あとは裁縫道具だが・・・そんなものは無いらしい。
ではどうやって作っているのかを聞いたら、専門の人がいて念阻で作っているらしいのだ。
うちにはそんな事できる人はいるのか??出来ないものと考えたほうがいい。
糸だけでも大量に買っておいた方がいいな、縫い針はトレーネで出せるのだから。
俺の方は、買うものが決まった。三人もそろそろ決めてくれる頃だろう。
スミカとカシナは早々と決めたのか、品物を持ちコマツを後ろから見ている。
「カシナとスミカは、手に持っているのでいいのか?」
「「はい」」
「わかった・・・コマツ、そろそろ決めてくれないか?」
「あ、スイ君、一つは決まったわ、もう一つが決まらないの?どれがいいかしら?」
「その上下に分かれてるのなんかどうだ?」
「これは男女兼用で、カースゲがもってるのに似ているのよ」
「別にいいだろ?それに上下でわかれてるから動きやすいだろ?」
「そうね~ならこれでいいわ」
前から思っていた事なんだが、奴隷用の服は背中が見えるようになっているため、
前世での背中が見えるドレスに似ている気がする。
会計というか受付?に品物を持っていったら・・・・そうここはナンバーンだった!!
前世での問屋に近い場所だった・・全部200着単位での買取だという。
さてどうしたものか・・王都の普通の店で買うと3000プノ前後らしい。
ここで買うなら1着2000プノだが数が200着・・・こんなに買って村で店でも開くか?
誰も買いになんか来ないだろうが・・・ん?待てよ!!今世話になってる宿屋の女将さんには
まだ言ってはいないが、買い付けに村に来てくれれば、燻製などは売るつもりでいる。
ストーコウにも、ナンバーンとも取引をしたいと考えている。
構想はあるのだが、村には宿屋も店も無い!これではまずいだろう。
宿屋は早急に作る事にする!ついでに店も開いておくのも悪くはないはず。
思い切って買っておくか!
「スミカ、悪いがカシナと同じものにしてくれ」
「はい、もちろんかまいません」
「すまないな」
背中が空いた奴隷用ドレスもどきが・・1500×200=30万
コマツが選んだワンピタイプが・・・・2000×200=40万
もう一つの上下タイプ・・・・・・・・3000×200=60万
俺が決めた生地2㍍×1㍍・・・・・・1000×400=40万
糸が50本で1個・・・・・・・・・・・300×200=6万
結構な金額になった、176万プノだ。荷台が置いてある部屋に、運んでおいてもらうことにした。
さて、この隣も覗いていくと、家具や雑貨品だ。
ここでは、ストーコウでも買った固まる粉を買った・・・ナンバーン式で150万・・・
これも荷台の場所に運んでもらう
次だ次、食料品だ。少しだが調味料らしきものもあるが、特にこれらはいらないだろう。
目的らしきものを発見した!!白っぽい粉だ!!あるとは思っていた。
見た目パンらしきものを、メイン通りを歩いていた人がもっていたからだ。
職員に聞いたらやはり、小麦粉のようなものだとわかった。使い方が同じだ、水で溶きそれを焼く!
小麦粉だと思う、とうもろこし粉でもこの際いい、これと、未兎ちゃんに頼もうと思っていたもの!
油を見つけたぞ!!これは絶対に買う、フリャーの天ぷら、コーラの素揚げができるぞ
ナンバーン式・・・・・怖いな~小麦粉200万・・油200万・・・残金がやばい!!
ミライ達にも何かあった時用に、お金を置いて来ている・・今の残金20万プノも無い。
金がない!次の部屋とか言ってる場合ではない・・作物だ、ミライ達に畑を増やしてもらっている
畑を作ってもらって、芋だけ栽培とかでは申し訳ないだろう。
職員に栽培用の種や苗がある場所を聞き向かうことにした。
「スイ君、ナンバーンは凄い所よね。何でもそろってしまうわね」
「そうだな、ストーコウにもあるらしいから、村に宿屋を作ろうと思う。王都からストーコウまでは
最速でも2日はかかるだろ、休憩場所として村を使ってもらおうかと考えているんだが、どうだ?」
「それ!いいアイデアよ!村にもお金が入るわね」
「村人からは、芋や野菜類を買い取ればいいだろう?」
「スイ君は、すごい事考えているのね!でもそれはいい事だと思うわ」
「そのためにも、次に向かうところは重要だ。芋だけではなく他の食物も畑で収穫したいからな」
「そうですね」
「もうオークションも後半だろう?皆でよさそうなものを急いで探してほしい、たのめるか?」
「まかせて」「仰せのままに」「畏まりました」
農作物の場所に着き見回してみると、色々あるぞ!種と育つものが見本として置いてある。
初めは小麦になる物は確保したい、次は油になる食物だ。
聞けばすぐ教えてくれた、小麦は栗のように大きな実からできるみたいだ、粉栗という地球とは違うのだ
育て方も簡単!この実を畑に撒くだけで出来るらしいし、いつ撒いてもいいというお得感。
100個で5000プノだったので、迷いもせず500個即買いだ。
次は油だ、これはプチトマトぐらいの大きさの実から取れるらしい。
この中にあるのが種らしい。買う!これも買う。これも同じ価格だ500個即買いだ!
粘粘と言うらしい。
コマツ、カシナ、スミカがよくわからないが、野菜らしい種を3種。
植えてからのお楽しみでもいい、育て方はどれも簡単。価格は俺が買った物の5分の一、まとめて買い取り
荷台がある場所に運んでもらう。
結構買った!!なんせ・・・手元にはもうほとんどお金は残っていない。
目的は達成したことだし、急ぎオークション会場に戻る事にした。




