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59.特別オークション??

 3人を引き連れて宿屋に戻り、ナンバーンに行く用意をすることにした。

宿屋に戻ると、女将さんたちは夜の準備で忙しそうにしている、邪魔をするのも悪いと思い

挨拶程度で済ませ、フリャーとコーラを荷台に積みナンバーンに向かう。


 ナンバーンに着くと、昨日とは違って外は荷台や馬車、奴隷の荷物持ちが多い。ここで

コマツ達には待っていてもらう、目を離した時に荷物が無くなったら目も当てられない。

建物の中も人が多い、昼間だからだろうか?2か所の受付がやけに並んでいるぞ。

俺は人が誰もいない窓口で、ブルゼさんを呼んでもらう事にした。



「いらっしゃいませ、受付でしょうか?」

「あ、はい」

「4日後の奴隷オークション参加の期限は本日までです。参加料として10万プノいただきます」

「え!奴隷オークション?」

「はい、特別オークションの受付です」



 特別オークション、奴隷の?すごく気になる単語が出て来たぞ!!



「その特別オークション?とは何ですか?」

「はい?ここはオークションの受付ですよ?初めてのようなので説明をお聞きしますか?」

「よろしくお願いします」

「では、係の者を呼んでまいりますのでお待ちください」



 この受付の女性が、説明してくれるのだと思い頼んでしまったが、長くかかりそうだ・・・



「すいません、この話はブルゼさんにも聞けますか?大丈夫なら説明はブルゼさんに聞きますので、

呼んでいただけないでしょうか?」

「支部長ですか?」

「はい、ブルゼさんに用があり今日来たのです。スイアーフと言います、お願いできますか?」

「お待ちください」



 受付の女性は奥に入って行ったけど・・・ここの受付はいいのだろうか?

他の受付と比べると暇そうな場所みたいだし、俺が心配する事ではないな。

特別奴隷オークションはすごく気になる。参加料だけでも10万プノだ、普通ではない事はわかる。

どんなものなのか興味がある、見て見たいぞ!


 少しするとブルゼさんが、数人の職員を引き連れて中から出てきた。



「こんにちは、お待ちしておりました」

「こんにちは」

「商品はどちらでしょうか?」

「外で待たせています」



 軽く挨拶をして、コマツ達と合流し、裏口から入っていく。

途中オークション会場になるという場所も二か所見せてくれた、講堂だ!

小さい方で200人の講堂、大きい方は500人は入れると聞かされた。

今日のオークションは大きい方でするらしい。


 倉庫にも使うだろう広い場所に案内され、数を数えるらしい。

大小色々な水槽などが用意されている、オークション用と買取用に分けるのだろう。

数を数えるのに確認してほしいとの事なので、コマツにはフリャーを、カシナにコーラ、スミカに燻製

を見ていてもらうように頼んだ。数が今回は多い、結構かかるはずだ。


 数を数えるのは3人に任せて、今日のオークションの説明を聞くために、ブルゼさんと別な部屋に行く。

俺はさっきの受付で聞いた、特別奴隷オークションが気になっていた!これも聞きたい。



「早速ですが、本日のオークションについて説明をさせていただきます」

「はい」

「オークションは全部で12回行おうと考えております。魚単独を10匹、30匹、50匹で3回、

フリャーとコーラも同じ数で3回ずつ、残りの3回は、3種類を先ほどの数をセットで出そうと思います

無いとは思いますが、最低落札の価格も設定しております。昨日買取金額から一匹2000プノを

引いた金額×数です、魚1匹7000プノですから、そこから2000プノを引いた5000プノ

数が10ですと5万プノが最低落札になります。よろしいでしょうか?」

「はい、おまかせしますよ」


 

 オークションは損してもいいと思っている。残りの数をナンバーンが買ってくれるのだから

微々たる誤差だ。それよりも4日後に行われるオークションの方が気になる。



「昨日からの宣伝でしたけど、思いのほか予想よりも人が集まりまして、

大きい方の会場で行うことになりました」

「なぜ、参加者が多いとわかるのですか?」

「先ほど見ていただいたと思うのですが、店内受付で並んでおられた方がいたと思うのです

あの方達は、今日のオークションに参加しようと受付をしていた方たちです、すでに終わらせている人も

結構な人数おりますので、にぎやかになると思います」

「そうですか、オークションの手数料とかはどのくらいになりますか?」

「今回の手数料はございません。参加料を1人1000プノいただいておりますので

人気が出るオークションは特別オークションとなります」



 魚も聞きたかった特別オークションになるのか!!俺のはもう大体わかった。

この話の流れで聞いた方が早いだろう。



「今日のオークションは大体わかりました。4日後に特別奴隷オークションがあると

先ほど受付で聞いたのですが、詳しく教えていただきたいのですが」

「はい、どのようなことでしょうか?」

「特別奴隷オークションとは何なのでしょうか?10万プノが参加料だと聞きました」

「はい、参加料からもわかるかと思いますが、この奴隷たちは普通の奴隷ではありません

召喚士が召喚した奴隷です。数年に一度あるか無いかのオークションになります」

「そのオークションに興味があります、買う気がないとしてもさんかしてもいいのでしょうか?

もちろん参加費は収めますよ」

「ええ~もちろん問題ございません」

「その時にお願いがあるんですが、当日その奴隷と話すことは可能でしょうか?」

「え!・・・奴隷とは話せませんよ?言葉が全く通じません」

「そうですか・・・では近くで見る事は出来ますか?」

「・・・・」



 話す事が出来ないのか・・・ストーコウでは異世界召喚と聞いたので、地球の人かと思ったが

話す事が出来ないならどうなんだ?俺は話せているぞ!日本に転生した未兎ちゃんとも話せる・・・

よくわからないぞ!もし日本からの召喚なら、話せないのはおかしい・・・・

もしかしたら日本じゃなく海外?是非とも一度会ってみたい。



「近くで見るだけでかまいませんので、何とかならないでしょうか?」

「・・今回はナンバーンも潤う取引になるでしょう、しかたありません、今回特別にすこしですが・・・」

「ありがとうございます・・・もう少し聞きたいのですが」

「どうぞ」

「オークションに出る奴隷は、一人だけですか?」

「3人出る予定で、今回は珍しく男2名に女1名と聞いております、貴族様が新しく召喚された者を買取

今までの奴隷を手放すという感じかと思います」

「そうですか・・落札価格はどのようになります?」

「状態によりますが、男は500万プノ以上、女はその時の状況次第ですね、10万プノの時もあれば

100万プノの時もありましたが、噂では召喚された女は決して卵は産まないらしいのです

男の方も子供は孵化させられないとか?これはうわさなので真実はわかりません」

「ありがとうございます」



 地球式なら女性は卵なんか産めるはずがない、だが男ならこちらでも子供は出来るのではないか?

う~んわからない、地球からではないのだろうか?オークションに出る男はいらないが、

女は状況次第で買ってもいいかもしれないと思う。


 

「もうよろしいでしょうか?」

「はい、オークション参加の受付お願いします」

「では係の者を呼びに行かせます、お待ちください」



 先ほどの受付の人が来て、参加料を支払うと許可書のようなものを渡された。

いたって簡単だ・・・金を渡す・・・許可書をもらう、これだけだ。


そろそろ魚も数え終わるころだろう?ブルゼさんと様子を見に行く途中、オークション会場となる場所に

人が押し寄せてきてるぞ!!もう始まるのか??



「先ほどの職員に、会場案内をするように指示をいたしました。そろそろ始めなようと12回の予定ですから、

いつ終わるかわかりません」

「そうでしたか、オークションの見学はしていてもいいのでしょうか?」

「もちろんです、席もご用意いたしてありますので」

「4人分ありますか?」

「はい」



 部屋に入ってみると、少し前に数え終わっていたらしい。

燻製1426匹 フリャー1134匹、コーラ1331との事、

それぞれ180匹はオークションに使われる。 


 燻製1246 フリャー954 コーラ1151、この数がナンバーンが買い取ってくれる数だ

燻製が思っていたほど少なかった気がする。それでも結構な金額にはなるだろう。


 職員がオークション会場の出品待機室に、品物となる三種類を運んで行く。

残された買取の物は、このままここに置いて置き鍵をかけるとの事、盗まれたりしたら大変だからな。



「オークションに入る前に、商品の説明をしていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

「え!俺が?あんなに人がいる前で?」

「はい、魚の食べ方などを、フリャーもです、特にコーラ!名前だけは知っていても

見た事が無い人が殆どです。食べるとしても食べ方など知らないでしょう。私も知らないのですから」

「ハ、ハイ・・一応やってみます・・」



 間もなく始めると言うので、会場に入ることになった。3人もメインステージ横に席を用意され

座っている。俺も終わったらその場所で見る予定だ。


 進行役の職員が、オークションに出品される品物や個数、回数などを話し始めていた。


 そろそろ俺の番か・・・こんな人前で話す事なんかなかったので緊張するぞ!

それにしても、参加者は女性の方が圧倒的に多いぞ!それに男たちは端の方に固まっている

あ~女性が苦手だったな!だが今はそんな事はどうでもいい・・・

さて、呼ばれた・・・出番だ・・・



「皆様、よろしくお願いします。え~商品の説明をさせて頂きたいと思います。

まず初めに魚ですが、これは長持ちさせるために燻製にしてあり、風通しの良い、日に当たらない場所なら

今日から10日ほどは保存できます。食べ方ですがこのまま食べる事も出来ますし、

軽く温めてもいいと思います・・・・

次はフリャーです。今現在生きております、保存方法は水槽などに入れておけば、何もしなくても

10日ぐらいは生きているはずですが、個体により定かではありません、食べ方はそのまま焼いて食べられます。

最後にコーラです。こちらはフリャーと同じでいいと思います。食べ方はフリャーよりもしっかりと

火を通した方がカリカリになり美味しくなると思います・・・・・

また鑑賞用にする人もいるかと思いますが、飼い方はよくわかっていませんので、個人の判断で

お願いします。以上です」



 簡単に終わらせた!!質問など一切受け付けないスタイル、俺が一方的に話して終わり。

質問の受付はナンバーンにお任せだ!


 前の方に陣取っている人は身なりもいいが、一目でわかる!オークションなのに首輪をつけ

鎖でつながれている奴隷達がいるのだ!あの人たちが貴族なのだろうな・・・


 司会進行や王都支部長プルゼさんが、質問などを受けて大変そうだったが見ないふり!


 色々あったがいよいよ開始だ。

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