58.部下も上司も似た者同士
明日はスミカの買取交渉と、オークション準備、あと何かあったか?思い出せないなら
あったとしてもそんなに重要ではないだろう。
もう結構遅い、宿屋に着き女将さんに挨拶をして、そのまま部屋で休む事にした
俺は狭い部屋に小さなベッド、だが!トレーネでベッドを継ぎ足し十分な広さを確保した。
ここでもふと思った・・・こっちにスミカが一人で寝て、広い方で3人で寝たら問題なかっただろ・・
ま~いいかコマツも気にしていないようだし。
ベッドに横になり目を瞑ってコマツを待つ・・・・・
・・・・・・あれ!!!気が付いたら朝でした!!!あのまま寝てしまったようだ・・・
コマツには抱き枕にされていた、触れるだけでもこっちの女性は満足、コマツはいい気分で寝ているが!!
俺は満足してないはず!!だが不思議とそんな気分にはならなかった・・・なぜだ??
不思議に思いながらも、コマツを起こし、カシナ達の部屋に。
カシナ達はすでに起きて着替えも済んでいた、そのまま降りて食事を取ることにした。
「女将さん朝食4人分お願いしたいが」
「はいよ、朝食は2種類あります、猪豚とトカゲどっちがいいかね?トカゲがお勧めだね」
トカゲだと!!なぜか食べたくないなそれは・・・猪豚に決まりだ。
3人に聞くと3人ともトカゲだってよ!!俺にはトカゲは絶対に無理だ!
トカゲだと言われなければ、食っていたと思うが。屋台で売ってるのも何の肉だかわかったものではないな
朝食は済んだが、まだ討伐隊に行くのは早すぎるだろう。
そこでストーコウでもやっていた事、宿屋で魚を出して様子を見る、販売価格も同じでいいと思う。
早速女将さんに交渉だ。
「女将さん、相談なんですがここで魚を出してみませんか?」
「ここでですか?」
「そうです、簡単です今あるメニューに魚をつけて、料金を4000プノ多くとるだけですよ
あとわかるように宣伝もしないとですけど、どうですかやってみませんか??」
「付け合わせ程度に考えていいのでしょうか?」
「そんな感じでいいと思いますよ、魚付きが多く料金をもらう、こんな感じでいいです」
「わかりました、やってみましょう」
よし!暇つぶし成功だ。提案したからには手伝わないとな。3人にも手伝ってもらい外に出て呼び込みだ。
俺は厨房で魚を切り分ける事にしする、3枚におろし切り身の部分を4つにする、これだけだ。
中骨と頭はスープにでもしたらいいだろう、出汁が出て美味いはずだ。
呼び込みもうまく行ってるな!!客が入り始めたぞ、魚を前面に押し出した呼び込みが成功してる。
『珍しい魚の料理が、たった4000プノ上乗せで食べられるチャンスです!!』これだけで充分だ
魚が3万プノ以上の価格と知っていたら、4分の一の切り身でもかなり安いはずだ。
すごい!あっという間に満席だ!満席と言っても20席ぐらいしかないのだけど、
外には待つ人も列も出来ているじゃないか。
「女将さん、肉料理はどのくらい出せますか?外にも何人か並んでいますが?」
「えっ!!・・・あと20人ぐらいが限界だね」
「わかりました、外の呼び込みとを止め、20人並んだら終わりにしておきますね」
「すまないね、手伝ってもらって」
「こちらの提案なんで気にしないでください」
すぐコマツ達に話を通し、呼び込みはやめてもらい、人数制限も伝えた。
まだ18人しか並んでいなかった、間に合ったようだ・・・ここはカシナに任せた。
中に入ると、出されていた魚を食べている客は、美味そうに食べている。
それを見ている客は、ソワソワしながら自分に運ばれてくるのを待っている。
食べ終わり出ていく客は、この価格で魚を食べられたことを、感謝している人が多かった、成功だ!
外で並んでる客もいなくなり、中で食べていた最後の客も出て行った。
女将さんも疲れたようだ、客が出ていくと椅子に座りぐったりだ、奴隷の娘も同じだ。
「女将さんお疲れ様、売り上げはどうでした?」
「え・え~すごい事になってますよ・・この短い間で20万プノですよ!つかれました・・
魚の上乗せ分16万プノが、お客様のですね」
「いえいえ、それは差し上げますので王都に居る間宿を貸してください」
「それはいいけど、いいのかい?」
「はい、それに10日お世話になったとしたらその金額ですよ」
「うちは構わないよ、昨日フリャーも魚も食べさせてもらった事もあるし、何日でも泊って行っていいよ」
「そうですか、女将さん夕方もやるなら魚一匹6000プノで卸してあげますけどどうしますか?」
「本当かい!!そんな価格でいいのかい?」
「はい、かまいませんよ。何匹買っていただけますか?」
「ちょっと待ってください」
ストーコウで卸した価格なんだけど・・・感謝されている・・・俺が悪い気持ちになるのはなんでだ!
ここはストーコウより人も多い、金持ちも多いはずだ!!気にしないようにしよう!
「お待たせしました。さっきの売り上げと、うちに置いてあるの合わせても30万プノが限界でした。
50匹よろしいでしょうか?」
「それは構わないのですけど、夕方の食材分とか買うお金は大丈夫ですか?それとお釣りとか?」
「あっ・・・買う事ばかり考えてそっちは全然でした・・・仕入れにお釣りに7万・・・・・
23万プノ・・・38匹いいでしょうか・・」
こんな女将さんを見ていたらなんかせつなくなった・・・
「女将さん、代金は今日の夜でもいいですよ」
「ありがとうございます。必ず夜にお支払いいたします」
「夕方からの料金を少し上げても問題ないと思います、6000プノで出した方がいいですね、
それと俺たちは夜は手伝う事は出来ないので、1人奴隷を買うのもいいと思いますよ?」
「そうですね、奴隷も救えますし、考えてみます。料金もその価格でやってみます
何から何まで本当にありがとうございます」
そろそろいいだろう、討伐隊に向かうか。部隊長のヤリーモ、こいつもユカシ並みにいやな奴だろう。
いきなりスミカを合わせない方がいいだろうな、顔も見せない方がいいと思い、
コートにフード付きを着せておくが・・結構怪しい格好、背中が見えてフードコートだ。
討伐隊本部に着き、ヤリーモに会いに来たことを告げると、ここでしばし待てとの事、
すぐに会えるとは思ってなかったので、想定内だ。
本部は建物も大きいが、受付らしき場所がが一ヶ所しかない。簡単に言うと体育館の入り口に
受付があるようなものだ、人は10人ぐらいいる。
しばらく待つ・・・本当に待った!!すごくまったぞ!!
兵士が来て部屋まで案内された・・奴隷は部屋の外で待てとの事、コマツも一緒に待ってもらうことにした
何かあったら面倒だ。兵士がドアをノックしている。
『コンコン』
「入れ」
「失礼します、お連れしました」
「わかった、お前はさがれ」
「はっ!」
軍隊だ!!ここは軍なんだから当たり前か。
「俺に何の用だ?」
「はい、ユカシ様に聞いておられるかと思いますが。討伐を頼んだ村から来ました」
「聞いている、生意気な平民とはおまえのことだな?」
「いえいえ、いたって普通です。滞在している場所もお伝えしに来ました」
宿屋の場所を教えたら、なぜか俺が不愉快になる嫌な顔をしながら『ニヤニヤ』されたぞ!
「メイン通りの宿屋ではないのだな、そんなものだろうな」
「はい・・」
ハイ確定!ユカシと同じ人種だ!こいつも俺の敵だな!
初対面で見下された。泊ってる場所でか?金がないわけではない、カシナ達の対応が悪すぎだからだ。
そんな事を言った所で、態度が変わるとも思えない。
「それくらいなら、下の兵士に伝えるだけでよかっただろう?俺も忙しいのだ」
「いえ、それもありますが他の事です」
「話せ」
「はい、ユカシ様が村に来る時に、一緒に同行していたスミカを保護いたしました。
スミカに聞いた所、主人はヤリーモ様だと聞き、面会を求めました。
怪我や体力もすでに回復しておりますが、いかがいたしましょうか?」
「チっ!余計な!・・・で?平民はその礼が欲しいという事か?」
「いえいえ」
聞いたところ、捨てるから気に縛り付け殺そうとしていた、この行為は罰則対象になるはずだ
嫌な奴だし少しつついてみるか。
「スミカを見つけたときは何故か、木に縛られておりました。なにかあったのでしょうか?」
「ユカシからそんな報告は受けていない、俺は知らないぞ!!」
「さようですか?」
顔色が変わったぞ!もしかしてこの事がばれたら、俺が思ってるより大事になるのでは?
剣の事も混ぜて、無かったことに出来ないだろうか?
「用が済んだら帰れ!」
「え!まだスミカの事が何も解決していませんけど?帰れと言われるなら
大隊長様にでも聞いていただかなくてはなりませんね」
「おい、平民!俺を脅そうとでも思っているのか?」
「なぜですか?スミカの事を話に来て、解決される前に帰れと言われたら、
スミカの処遇がどうしていいのかさっぱりわかりません、こちらは困ってしまいます。
奴隷商に相談、もしくは大隊長様に相談、こうなるのは自然の流れかと思いますが?」
「わかった、相談しようではないか」
確定だな、この話は知られるとまずい事になるらしい。開き直られるギリギリまでは
強気で行くぞ。
「それとユカシ様から、私がここに連れてこられた理由は聞いておられますか?」
「ああ~聞いているぞ。何でも剣を献上するとか?」
「その剣は私の財産なので、献上は出来ませんと申したのですが、それでも献上しろの一点張りなので
私がここにきて話し合いに参加しますと、着いてきた次第です。これはたとえ大隊長様や団長様がいても
考えを変えることは無いです」
「大体わかった・・・奴隷の事を先に済ませよう。助けていただいたことに礼として
1万プノを渡そう。これでこの事は見なかったことにして、終わりにしてくれ」
部隊長のヤリーモさん・・それ自白と同じでしょ!!
まだ終わりにはしないけどな。俺の説教タイムだ。
「スミカが戻ったとしても、また同じことになるでしょう?」
「・・・・」
「ヤリーモさん、今切り抜けられたとしても、この先もっと大変な事態になると思いますが?
大隊長様や団長様の人柄を私は知りませんが、規律を重んじる方が居たらどうなると思いますか?」
「・・考えておこう」
「それで、今後スミカをどうするつもりですか?」
「平民に言う必要などない」
「はい!?・・そうですか、・・やはりユカシと同じ人種でしたか・・もう面倒です、
スミカは俺が買い取りますよ、いくらです?」
パターンとして、こんな時は大概ありえない金額を要求してくる。俺が絶対に買うと思っているはず、
そう俺は絶対に買うのだが。スミカは千プノと聞いた、紋様書き換えに5千プノ、6千プノなら適正だろう
奴隷が・・・魚の燻製と同じとか・・・
「ほ~平民はあの奴隷が欲しいのか?そんなに言うなら譲ってやってもいいぞ、ありがたく思え」
「ハァ~・・・それでいくら何ですか?」
「あいつは良くできた奴隷だからな、そんな簡単には手放すわけにはいかぬ。しばし待て」
「ハァ~~・・」
木に縛り付けてでも、捨てようとしてたやつの言葉がこれか、討伐隊とはこんな奴らの集まりなのか?
このような感じなら、大隊長もあてにできそうもないな・・・
「おい平民、仕方ないから3万プノで譲ってやる」
「ん?なんですかその金額は?聞き間違えですよね?」
「3万プノだ!」
「聞き間違いではなかったのか・・・では入りません。この話も無かったことにしてください」
「ん?なぜだ!」
「押し問答になるだけで無駄だからです・・・・剣の事はどうしますか?やはり後日来た方がいいですか?
何を言われたとしても献上はしませんが、どうですか?」
「それはまだわからん、待機していろ」
「ハァ~・・何も纏まりませんでしたね。・・・・村に討伐に来たのはいいが、
連れてきた奴隷は木に縛って捨てる。討伐隊は、虎野を討伐するどころか返り討ちにあい、
兵士を何名か失う。しかも、その魔獣を討伐した村人の武器を献上しろと王都まで連れてくる」
「なんだそれ!!」
「経緯ですよ、次回ここに呼ばれた時に、スミカも連れてきますので安心してください。
最後に一つ、討伐隊で一番強い人は虎野を何体なら倒せますか?」
「団長なら10頭は倒せるわ!」
「なるほど、ありがとうございました。では、今日はこの辺で失礼します」
「フン!」
討伐隊の強さも大体わかった・・・嘘ではないなら全然大したことないぞ!
俺は虎野など、100頭いたとしても負ける気などしない
出力をあげたカミナリズババーンで全滅だろう。
話はまとまらなかったが、もっと強気で対応してもいい気がした、これは収穫だ!




