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57.商談

間が開いてしまいました。orz

「ひとつ聞きたいのですが、過去オークションでは最高落札はどのくらいになりますか?」

「魚ですと3万と少しですね」

「いえ、魚だけではなく、過去のオークションに出されたものです」

「確か武器です。1000万プノだと思います」

「そうですか」



 過去最高が1000万プノか、ストーコウでの売り上げが1200万で、今回の持ち込みが

2倍以上だ、単純計算でも2400万プノ・・まとめて出しても、はたして買い手がつくのかが心配だ

魚とフリャー、コーラを3回に分けて出した方がいいのかもしれないな。



「こちらの物を見てもらえますか?」



 フリャーとコーラの入った水槽を見せてみる事にした。



「申し訳ありません、見たことがないのですが、これは何でしょうか?」

「え!!そうなんですか、これは魚と同じ川などにいるフリャーとコーラです」

「!!!噂には聞いたことがあったのですが初めて見ました・・二匹ずつ・・これも売り物ですか??」

「ええ~そのつもりで持ってきました」

「申し訳ありません、私にはこの価値が全然わかりません・・上の物を呼んでまいります

少しお待ちいただいてもよろしいでしょうか?」

「かまいませんよ」



 担当のレンジさんは、急いで部屋を飛び出していった・・・

その少し後に、ナンバーンの受付?事務?らしき女性が飲み物を、人数分持って来てくれた。



「コマツ、あのまま話しててもよかったのにな」

「スイ君はなにを言っているの?そんなの無理に決まってるじゃない、これは夫の役目ね、

妻の私はそれを見守るだけよ」

「・・・オークションの過去最高額が1000万プノとなると、持ってきた魚を一回で出すと

どうなんだろうと思うんだが?」

「そうね、この後の話し合い次第じゃないかしら」

「それもそうだ、その時に考えたらいい」



 しばらくして、担当のレンジが上司らしい人と一緒に入ってきた。

いかにも偉そうな、見た目50歳前後だろう。



「お待たせして申し訳ありません。私では分かりかねますので、上司が変わって担当いたします」

「初めまして、王都支部長プルゼです、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「早速ですが、フリャーを見せていただけますか?」

「どうぞ、こちらです」



 王都支部長が、食い入るように水槽の中を見ている。

レンジさんが見たことがないくらいだ、珍しいのだろう。



「確かにフリャーですね。王都では何十年か前に見たっきりです。しかも生きているとは!!

レンジから聞いたのですが、こちらもオークションにと、お考えなのでしょうか?」

「いえ、まだ何も決めていませんが、オークションに出すとどのくらいになりますか?」

「こちらとしてもお答えしたいのですが、前例がないので何とも言えませんが、

ナンバーンで買い取るなら1尾5万プノは出しましょう」

「「え!」」



 コマツも聞いて、びっくりして反応していた。カシナとスミカは、ただただ話を聞いているだけだ。



「申し訳ない、5万では納得いかなかったでしょうか?」

「いえいえ、考えていた価格より高かったので、びっくりしただけです。

5万プノ出してまで食べたい物なんですか?」

「はぁ~~!・・・申し訳ない。食べるなんてしません、貴族様の観賞用に、もしくは研究です。

このように生きた状態のフリャーは、初めて見ました。大変貴重なものです、食べるなんて事は・・・」

「あ~そっちですか。フリャーはわかりました、コーラはどうなりますか?」

「コーラとは平らな小さい生き物の事ですかな?」

「はい」

「この仕事を長いことしているのですが、コーラは初めて見ます。

川にいる生き物で、コーラと言うのが居る、この程度しか知識がないのです

ご存知のように王都周辺には川がないので、見る機会もほとんどないですから、

フリャー同様の価格はつくはずです」



 さて、どうしたものか。フリャーもコーラも1000匹以上はいるはずだ。

数が多い分価格は下がるのは仕方ないが、食べる事以外でこんな数を買い取ってもらえるのか?

それに、鑑賞と言っても上手くできるのか?ま~これは俺が考える事でもないか。


 魚が生きてはいない事も伝えておかないとダメだろう。それと数だな・・

間違いなく価格は下がるはずだが、ストーコウと王都での価格が違い過ぎる、今後の取引もあると思う。

それに、今後は向こうから町に来てもらうようにしたい、そこでお互いの価格の差を知ったら面倒だ。

ストーコウで売れた価格にした方がいいだろうな。



「魚の事なんですが、このようには生きておりませんが大丈夫でしょうか?」

「え!!死んだ魚だったのですか!!う~ん・・・魚は痛みが早いと聞きます。昨日まで生きていたとしても

明日ぐらいまでしか食べる事は出来ないと思います・・・明日のオークションは厳しいですね」

「ま~普通ならそうだと思います。ですが加工してあるので、保存方法さえ間違えなければ明日から

10日程度は持ちます」

「そのような事が出来るのですか!!それが本当なら、明日のオークションは問題ないです。

しかし・・正直信じられません、疑っています」

「そうでしょうね・・・・・コマツ、持ってきた魚を出して見せてあげなさい」

「わかりました」



 コマツが袋に用意していた魚を一匹取り出し見せた。

俺は思ったことがある・・・いいのかそれ!皿に乗せるわけでもなく、テーブルにそのまま置いても・・

おいてしまったのはもう仕方ないか・・相手も気にしている様子でもない・・でも俺がきになる!

テーブルの下でわからないように、トレーネで皿を出しコマツに渡したら、気が付いてくれたようで

皿に魚を移し替えてくれた。それ以前に気軽に手で食材を掴んでいいものか?多分考えても無駄だな。



「これが魚ですか?以前見た魚とは感じが違うし、色も違う気がしますが?」

「はい、魚を長く保存できるようにするため色は変わっただけです。問題はありませんし

それ以上に美味しくなっていると思います」

「さようですか」

「見ただけでは信じられませんよね?そちらの魚を差し上げますので、今食べてみてください」

「「えっ!!」・・・貴重なものをそんな気軽にいいのでしょうか??」

「かまいませんよ」



 王都支部長プルゼがレンジに目配せをしていた。すぐにレンジは席を立ち部屋を出て行った。

その後すぐ、先ほど飲み物を持って来てくれた女性が入ってきて、また4人分の飲み物を出してくれたぞ!!

入れ違いにレンジさんは戻ってきた、小さい皿とフォーク、それと七輪のような物を持って。

焼いて食べようとしているのか!あ~~それが普通か。そのままでも食べられるが、考えてもいないだろうな。



「その魚は簡単ですが、すでに調理してありそのまま食べられます」

「生ではないのですか?」

「はい、先ほど生だと日持ちがしないと言われたでしょう?日持ちをさせるために、調理はしてあります

味もこちらの方がよくなっていると思います」

「・・・・では、いただいてみます・・・・・・・!!美味い!!魚とはこんなに美味いものだったのか!」

「残さず食べてくださいよ」



 パターン完成、食べ終わるまで話はしないだろうな。俺も先ほど出された飲み物を・・・

あら!!こっちでいう酒じゃないか!!前世での甘いジュース。これは決して安いものではないはず

俺がまだアールネイヤの物価がよくわかっていないのもある。

もう食べ終わる頃だろう?見ると・・・骨をバリバリとレンジさん・・お頭をバリバリとブルゼさん・・

うちで見慣れた事なので、ま~いいか・・



「どうでした?魚は満足していただけましたか?」

「もちろんです!!貴重な物を、感謝いたします。味は問題なくそれに日持ちもするとなれば、

オークションに出しても何も問題ございません」

「その事で、レンジさんにも聞いたことですが、こちらでの最高価格が1000万プノのようなので

少し心配なのです」

「といいますと?」

「ええ~魚の数が少し多いのです、一匹3万プノ前後ですと軽く3000万プノは超えるのですが」

「え!!え!・・ど・どういう事でしょうか??」

「1000匹以上はあるのですが」

「・・・・・本当ですか・・??」

「はい、はっきり数えてはいませんが、1000匹以上は確実にあります」

「わ・わかりました・・」

「あともう一つ、フリャーとコーラも数えてはいませんが、かなりの数がいます」

「・・そ・そうですか・・・相談いたしましょう・・」

「よろしくお願いします」



 数が数だから簡単には決まりそうもない・・俺としては全部売り切りたい。

苦労して皆で用意したんだ!実働一日だけどな、少しぐらいなら売り残ってもいいとは思う。



「魚は生きているのが一匹だと思っていました、そのため受付がオークションを進めたのです。

オークションで魚をそんなに抱えても、困りますよね?何より価格が!貴族様でも買えるかどうかになります

だからと言って、このオークションは流したくないのです。

月に一回あるかないかの目玉になると考えています。困りました」

「ナンバーンの方で買い取ってから、そちらでオークションをするとかはどうですか?」

「それは出来ないのです。いろいろと決まりなどやルールなどがありまして」



 20~30匹を何回かして、残りは何バーンに買い取ってもらうでいいんじゃないか?と思った。

この話は長くなりそうだ・・・俺はだんだんめんどくさくなっている・・早く宿屋に戻って・・

コマツと遊びたいのだよ!!



「ナンバーンで、買い取りはしてくれるんですか?」

「ええ~もちろん致します」

「では、数を減らして何回かオークションに出す、残りをナンバーンで買い取るこれでどうですか?」

「そ・それで結構です!!」

「オークションの数はそちらで決めていいです、お任せします。後買取価格を相談したいのですが?

簡単でいいので価格提示お願いしたいです」

「はい、魚を一匹25000プノ、フリャーが一匹4万プノ、それとコーラが・・一匹3万プノ

この提示にさせてください、数が多いので価格が少し下がるのと、ナンバーンの利益も出したいので

どうでしょうか?」



 ナンバーンの利益は、もちろんなければ買い取ってなどくれないからかまわない。

それでもこの価格は高すぎだぞ!ストーコウと王都で3倍以上だ!あとから問題が出ないわけがない!

ストーコウの価格に、1000プノ上乗せぐらいの価格でいいだろう。



「いえいえ、それでは後々問題が発生すると思います」

「では、先ほどの価格に一割のせますので、ご検討お願いします」

「そうではありません、ストーコウでも最近売りに出したのです」

「ナンバーンストーコウ支部にでしょうか?」

「ストーコウでは料理屋の集まりと、宿屋の主人の知り合いに売っただけですね」

「さようですか」

「それでですね、価格を見直します。魚7000プノ、フリャー13000プノ、コーラ7000プノ

ストーコウと王都であまりにも開き過ぎたら、今後が面倒になるのです。どうですか?」

「ナンバーンとしては、文句などございませんが、安すぎかと思いますが?」

「この後ナンバーンさんが、どのような価格で売ろうとこちらは何も言いませんが、

ストーコウでも同じような価格で下ろしたことは、忘れないでください。この次もあるかもしれないので

価格の設定は慎重にお願いします」

「はい、お心づかい感謝します」



 価格も大体決まったし後はもうないだろう?早く宿に戻って休みたい・・・

でも引き留められているわけでもない。俺のただの我儘である。

なぜならそこには、コマツのおっぱいが目に入っているからだ!!


 ここまで結構な時間がたっているのも事実・・



「話はもうこのくらいでいいでしょうか?」

「最後に、明日出来ましたらお昼ぐらいには商品をお持ちしていただけないでしょうか?」

「それは問題ないと思います」

「ありがとうございます、今からオークションの開催を知らせていきます。よろしければ宣伝用に

フリャーとコーラを預からせていただけませんか?説明もしやすくなるので」

「かまいませんよ、では魚も一匹置いておきます、あと水槽は移し替えてもらえると助かります」

「わかりました」



 レンジがすぐに席を立ち、水槽代わりの物を持って来て移し替えていた。



「それではこれで失礼します」

「ありがとうございました、明日よろしくお願いします」



 結構長かった商談も終わり、宿屋向かって歩き出した。

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