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55.王都は奴隷にはつらい!!

 兵士からの質問タイムだ。お決まりの目的、滞在日数などだ。

考えたら今回は楽じゃないか!目的は兵士に呼び出された、ついでに食べ物を売りに来た。

滞在日数は、大隊長の予定次第で不明。


 この事を兵士から聞いていたらしいので、荷物検査も何もしないでいいみたいだ。

ストーコウでもした、額に何かよくわからない事をされた。

スミカは王都在住の奴隷なので、金はかからなかった。カシナは5千、俺とコマツで4千、

合計9千プノだった。


 王都の注意事項などは特になかった。これが一番困る、何がダメなのか明確にわからない。

スミカに頼るか・・・


 街の中に入ると、ストーコウよりも人が多い活気もあるが、奴隷事情もすごいものだ・・・

前世のペットと同じで、首輪をされている者も多く見かける。



「スミカ、奴隷は見ればすぐわかるが・・・なぜ首輪をされているんだ?」

「何年か前に、奴隷商の初奴隷を見た貴族様が・・奴隷を持つ者は首輪をつけるのが

力の関係を奴隷に知らしめる絶好の物だとかで、皆マネをしだしたのです・・」

「馬鹿らしいな・・・やられる方の身になってみろって!」

「スイアーフ様は、他の主人達とは全然考え方が違いますね」

「そうか?それよりも宿を決めないとな、スミカはどこかいい所を知らないか?」

「もう少し行きますと、メイン通りになります、そこに行くと何軒かありますが、

中に入った事がないので、どこがいいとかはわかりません・・」



 それもそうだな・・・スミカは奴隷で王都に主人がいる、となれば泊まる必要なんて皆無だった。

この際どこでもいいか、初めに見つけた所に行ってみる。


 早速見つけたので入ってみたが・・ふざけんな~!!!

俺とコマツは一人7千プノこれは相場だったら仕方ないが、カシナとスミカは一人1万5千、

ま~奴隷は売かかると聞いていたので、これも仕方がないと思う。

俺とコマツは普通の部屋、だがコマツとスミカが裏の掘っ立て小屋だと!!!!

こんなところキャンセルだ!!


 この後何軒か回ってみたが、どこも似たり寄ったりだった・・・

ここまでひどいとは思わなかった。荷台を引きながらだから余計イライラする。


 行く当てもなく適当に進んでいくと、開けた場所があった。

ここは露天がある、イライラしてるのは、腹が減ってきているのもあるかもしれない。



「皆、少し休憩にして何か食べるか?適当に買ってくる」

「ご主人様、私が行ってまいります」

「カシナが行くと、何かまた嫌な事があるかもしれないので、私が行ってきますわ」

「俺が行ってくるが、持てないかもしれなからスミカついて来てくれるか?」

「はい」

「コマツとカシナは、荷物を見ていてくれ」


 

 俺はスミカを連れて適当な屋台で、食べ物を買うが・・・ここも芋とただ焼いた肉だな。

目新しいものはないが・・目的は別にある!情報取集だ。

まずは宿屋の情報だ。価格は高いのは当たり前のようだが、泊まる部屋を一緒に出来るところはないか?

明日露店の出し方などを聞いた。


 まず宿屋、メイン通りにはそんな所はまずないと言う事だが、裏通りには何軒かあって一番のおすすめを

教えてもらえた。次の露店だが大きい街なら何処にでもあると言う『ナンバーン』に登録すればいい。

ナンバーンは前世でいう組合みたいなものらしい。露店ではなくそこに直接売ることも出来るみたいだ。

情報量として結構な量の肉を買ったが・・・・美味くない・・・・


 

「スミカ、色々聞けたし戻るぞ」

「はい」



 買った肉や芋はまずい・・・コマツもカシナも無理をして食べている感じだった。

スミカだけは、食べていたが・・・



「スミカ、無理して食べなくてもいいぞ・・・それよりもこっちの干し肉の方が美味いだろ?」

「いえ、私にはこの肉も十分に贅沢なもので、普通なら食べる事などできない物です」

「無理しないで、干し肉を食べたらいいぞ」

「その肉の味に慣れてしまったら、ご主人様の所に戻った時に出される食事が・・・・」



 スミカには買い取ることを言って無かった、これは言わないでおいた方がいいからだ。

もし何かあって買い取れない事になるかもしれない、確実になるまでは言わない方がいい。

カシナ達に俺の事を少なからず聞いてるはずだ、奴隷に対しての扱い方などや食事など

期待させてダメでしたでは可哀そうだ。



「でも無理はしないで、食べられるときには食べておいた方がいいと思うぞ?」

「・・はい・・」

「露店の店主に聞いたんだが、裏通りにある宿屋に行こうと思う。値段はそんなに変わらないらしいが

奴隷だからと言って、別の部屋にはならないと言っていた。そこに行くぞ」



 言われた場所に着くと、メイン通りにある宿屋とは全然違うな、寝る所さえあれば良い。

中に入ってみると、ストーコウで泊った宿屋に似ている、古い宿屋だが雰囲気は悪くないな。



「いらっしゃい、4名かな?食事?宿?」

「宿です」

「二人は親子かね?そこの二人は奴隷だね?」

「ぷぷっ」

「違います!!私は妻です!」

「これは失礼しました。そっちは奴隷で間違いない?」

「ええ~そうよ」



 コマツが必至だよ!女将さん面白かったです。



「見た所、奴隷たちはひどい扱いは受けていないと言うか、普通の人以上の服を着ているじゃないですか!」

「ああ~そうなのか」

「こんな奴隷はめったに見ないよ、汚れも無い、痣も無い、奥様と比べても遜色ないですね」

「女将さんなんですかそれは!!スイ君ここはダメです!他に行きましょう!!」

「ぷぷっ・・・・いやコマツもカシナ達に比べても、遜色くらいまだまだ若いって事だろ。

それにまだ話も聞いてないぞ」

「スイ君!!若さとか女将さんは一切言ってないんですけどね!!」

「・・・・・」



 女将さん、コマツが怒ってしまうからやめてくれ、俺も墓穴を掘った、でも面白い!



「お客さんは奴隷を、雑に扱っていないようだね?」

「普通に接しているとは思うけど?それよりここはメイン通りの宿屋と同じではないのでしょう?

奴隷は外で寝ろとか別の部屋になるなら、他に行くけど」

「おや!珍しい主人もいたもんだね、安心しておくれ、ここはお客の希望には答えているつもりだよ」

「二部屋あいていますか?」

「空いていますよ、一人4千プノで一万6千プノになるけどいいかい?

食事はその時に貰っている、もちろん強制ではないです」

「女将さん、奴隷は倍の値段になると聞いたのですけど?」

「お客さんは特別ですよ、奴隷に厳しい人には売の値段はとりますよ」

「いいのですか?違反で罰則とかになりませんか?」

「こんな場所まで、調べに来る役人なんて今まで1人もいませんよ」

「ありがとうございます」



 ここの女将さんは、奴隷に何か思うところがあるのかもしれないな。

コマツよりも年上だ、開花した能力おっぱい年齢は・・・不発だ!!40歳前後だろうか?

この能力の欠点は、服の上からでは効果はない・・・らしい・・・



「女将さん、荷台が4台あるんですけど、どこかおいてもいい場所はないでしょうか?」

「裏庭に適当においておくれ、ただし盗まれたりしてもうちでは責任は取れないよ」

「はい、それはわかっています・・・・・・皆、裏に回って少し作業だ」

「了解」「はい」「仰せのままに」



 裏庭に回り、前回のストーコウと同じくフリャーはおがくずを取り除き水を入れ

二つの水槽に入れ替えた。コーラの方は水を取り替えただけ。


 少し弱っているフリャーが何匹かいるな、数が多かったため下になったフリャーが

押し付けられたためだろうな・・・あきらかに弱っているのだけ取り出しておいた。

今から食べてもいいだろう。


 荷台はそのままおいておき、鉄の鎖で歯車を固定、動かない物を持っていく馬鹿もいないだろう。

水槽には鉄の箱をかぶせて鎖の鍵をつけたし、これで問題ないだろう。


 宿屋に戻り、女将さんに宿泊費を払うと、奥から女性が来て部屋まで案内された。

女性の後をついて行ったからわかる、この人は奴隷だ、背中が見える服だ奴隷紋もあった。

この人が粗末にはされていないのは見てわかる。怯えは無く、生気もあるのが感じ取れた。


 部屋は結構広くてきれいだ、さて部屋割りはどうするか?ん?こっちの部屋は狭いぞ??

ベットも小さいしどう見ても一人用だぞ・・・



「コマツこっちの部屋見てくれ、狭くてどう見ても一人用じゃないか?」

「こっちがスイ君用みたいね」

「え!そうなのか?なぜ?」

「なぜって・・考えればすぐにわかるじゃない。スイ君は特別なのよ、女性が居ても平気なのは・・

普通の男性は無理でしょ?だから女将がこうしたんでしょう」

「そうだったな・・・今日は一人か・・コマツと寝たかったのにな・・」

「私は平気よ、ベットが小さい方がスイ君にくっついていられるもの!今日は私がスイ君を抱いて寝ます」

「・・・・・」



 荷物はない、部屋もわかったし、一階の食堂にでも行くか、屋台の肉はほとんど食べていないから

何か軽く食べようと思う。コマツ達もそんなに食べていなかった。スミカは結構食べていたけどな

四人で食堂に向かうことにし、階段を下りて行った。



「スミカはどうする?まだ食べられそうか?」

「はい・・・お願いします」

「女将さん、今からでも食事大丈夫?」

「メニューはもうそんなにないけど、それでもいいかい?」

「はい、軽めのメニューでいいので4人分お願いします」

「4人分かい!!てっきり2人分だと思ったよ」

「え!なんで?4人で来ているのに?」

「夜は、奴隷に食事を与える人なんかほとんどいやしないからさ」

「うちでは俺も奴隷も三食食べていますよ」

「え!!なんだいそれは!普通の人でも三食なんかとらないよ、まして奴隷にも三食取らせるなんて

初めて聞いたよ!!」



 王都の奴隷は、朝食だけしか食べられないのか。この宿屋にいる奴隷も同じなのか?

それなら少し自重した方が、いいのかもしれないな。



「女将さんの奴隷も、朝食のみなんですか?」

「いいえ、うちは朝夕同じ物を食べていますよ、だから、うちよりいい待遇があることが信じられないだけ」

「やっぱり!案内してもらってる時に、王都で見た奴隷とは違うなと思っていたんです」

「奴隷の気持ちや辛さは、わかっているつもりだよ。5年前まで私も奴隷だったからね。

この宿屋は私のご主人様の物、それでご主人様は、自分で死期が近いとわかっていたようでね

お情けで私を開放してくれて、宿屋まで残してくれたんだよ」

「そんな事情があったんですか、それでカシナやスミカを気にかけていたんですね」

「王都の奴隷たちは貴族の被害者になっている・・私が奴隷の時はここまでひどくなかったんだよ」



 元凶は貴族の思い付きのような物言いから始まったみたいだ。

と言っても俺なんかには何もできない、出来るとしたら、奴隷を少しでも多く買い取るくらいか

今はそんな大勢買い取ったとしても、食料が不安だ・・・あまり考えないようにするしかないが気になる。



「王都と言うくらいなんだ、王は何も言わないのか?」

「女王は寧ろ、これを推進している感じだね」

「では、他の貴族は?」

「王都の貴族は、皆推進派だよ」

「どうしようもない感じで、手詰まりか・・」

「お客さんに言ってもどうしようもなかったね、すまないね」

「いえいえ、王都の奴隷の事がいろいろわかり助かりました。それより食事が二人分しかないようなので、

これを使って何か作ってもらえますか?」



 王は女王みたいだが貴族と一緒で、ダメダメみたいだな・・・俺には関係ないか。

食材として、女将にフリャーを渡してみた、ストーコウでも同じような事をしたから口コミ期待だ。



「なんだいこれは?動いているからまだ生きているみたいだけど?」

「それはフリャーですよ」

「へっ?初めて見たけど、本物かい?」

「そうですフリャーです」

「王都には川がないからね、この年まで見た事なんかなかったよ。

初めての物だからどうやっていいか、想像もつかない、すまないね~」

「調理場を借りてもいいですか?」 

「かまわないよ」

「コマツ、カシナ、二人で何か作ってくれないか?」

「まかせて」「仰せのままに」



 調理場を借り、コマツとカシナ、フリャーで何か作ってもらうが、ただ焼くだけだろうな・・・

それはそれで美味いが、他の料理は見たことも無いが、殻も頭も足も香ばしくて残さず食べている。

茹でたりしたらどうなんだ?今度やってみるぞ。


 焼き終わったようだし、せっかくだから燻製も、女将さんと奴隷の娘も一緒にたべますか。

でも、女将さんはフリャーの価値が全然わからないみたいだった??

王都には川がないから知らないだけだろう。

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