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50.王都行の燻製

区切りの50話目です。

 どうやら俺は、ユーキの夜泣きなどは全然わからずに寝ていたようだ。

まだ生後半年なんだから何時間かおきに、おっぱいをやるらしいがキョウチはその都度

ミアートの元に行きおっぱいをあげていた、その間もミアートは起きる事もなかったという。



「キョウチ本当に助かった、ありがとうな」

「いえ、お役に立ててうれしいです」

「体調はどうだ?きついならまだ寝ていてもいい」

「問題ありません」

「そうか無理はするなよ」



 リビングに行くと半分ぐらいはすでに居た、その中にはミアートもいる

ユーキもつれてきていたので預けたら、気まずそうにお礼を言われたが、俺は何もしていない

キョウチが全部見てくれたことを伝えると、キョウチにお礼を言っていた

一日でもミアートにとっては、ゆっくりと休めただろう?いや強制的に休ませたみたいだけどな。


 まだ起きてきていない人も少し待ったら、全員集まった。

最後はミライとトーネだったな。



「朝飯は魚を河原で捕ろうと思う、フリャーの餌にするのに先に捕りそれを朝飯に充てようと思う」

「スイ君持っていくものはあるの?」

「いや特にないが、燻製を作るチップにする木を、俺とヒュラス、ミホで取りに行こうと思う」

「他の人は先に着くと思うから、魚を捕って朝飯の用意をしててもらいたい」

「わかりましたわ」

「まだ少し暗いが出発だ」



 ブンキョウさん宅の裏の方の林に行き、この前と同じ木を切り倒し持っていく、

アレ・運ぶ人のために3人で来たが、ポケットにしまえばいいじゃないか、

まだ寝起きで頭の回転が悪いだけだよな・・・多分・・河原に向かうのにも三人とも手ぶらだ

なんかアフォらしくなった、これならヒュラスとミホに、別な手ブラでもしてもらおうか?

などと変な事を考えてしまった。うん、これはまだ寝ぼけているだけだ、そうに決まっている!


 馬鹿な事を考えながら河原に向かうと、朝食の用意を始めていてくれた。

罠を渡すのも忘れていたよ、急いで出し手が空いてる人で、急いで仕掛けてきた

今日の俺はダメダメだ、いつもの事だとは思いたくない・・


 ミライ達が焼いてくれた魚を食べ終わり、燻製機をいつもの倍以上の30機用意した。

魚はこの前のカミナリズババーンで一気に捕るから初めは全員で拾う。

その後はミライ、ヒュラス、コマツが頭付きで内臓だけ取る作業を、

カシナ、キョウチ、ミホが燻製機担当だ、残りのミアート、アミ、カスミ、トーネが罠担当だが

待っている時は、どちらか忙しい方のサポートになった。


 罠を仕掛けていない辺りで、カミナリズババーンを放った、またもきれいに円を描くように

魚が浮いてきた。念阻を感知して俺の方から逃げようとした結果だな。

コマツやカシナ以外の奴隷達は、念阻カミナリを初めて見たのでびっくりしていた。

カシナはこれより範囲は狭いが虎野アゲルサーベ討伐の時に見ていたな

 

 さあ~俺も混ざって拾う、すくう網もあるし、人も多くなったので前回みたく、逃げられた魚は少ない。

一回で前回以上の魚が取れた、あと一回は捕りたいが燻製機次第で回数が増えるだろう

この後は持ち場に散っていった、罠の方も食事の時間があったからもう一回目は上げてみてもいいころ、

罠の数も多くしたからこっちも期待できるだろう。

来るときに伐ってきた木をチップにして、カシナに渡したしこれで大丈夫だ。


 皆が作業しているときに、俺はというと昨日とった獲物の肉で、干し肉もどきを作る、といっても

これも燻製にする。干す手間を省くために燻製で、一気に水分を飛ばしてみようと思う。

少し作って、うまく行ったら全部燻製にするつもり、試しに昼にでもみんなで食べてみようと思う。



「兄さん、フリャーとコーラを入れる水槽がないのですけど?」

「悪い、用意するの忘れていた、今出すから」

「兄さんらしくないですよ」

「すまない・・・・それで,獲れているのか?」

「罠の数も多いですから、前回よりも確実に多くとれそうです」

「そうか、それはよかった」



 大きめの水槽を2個ずつ計4個出しておいた。

まだまだ燻製は出来ないだろうから、ミライ達の様子を見に行く。



「早いな、一回目のはもう捌くのは終わりそうだな」

「そうね、前回はヒュラスと私だけで捌くのから、燻製までしていたからね、

今回は人数も増えてるし、分担できて集中できるからね」

「もう少ししたら二回目を取りに行くか?」

「でも燻製の方が間に合わないのかも?」

「わかった、改善できるかわからないが様子を見てくる」



 燻製機30台出したんだが間に合わないのか?一台で15匹ぐらいは、一気に燻製にできるはずなんだが

見るとすぐに・・・・原因はわかった・・・・10台も稼働していない・・・



「カシナ、どうした?使われていない燻製機が多く有るみたいだが?」

「あ、ご主人様、申し訳ありません、私達3人とも使い方がわからず、ヒュラス様に教えていただき

遅れてしまったのと、火を起こす枯木などの確保がまだまだ確保できておりません」



 30台分の枯れ木を探すのはさすがにきついな、生木は燃えない、それでも10台は稼働させている。

俺の燻製は家を建てたときに、余った木材をポケットから出して使った。

こっちの分は・・・・考えてもいなかった・・・・



「悪かった、使い方や、枯れ木の事など、全然頭の中になかった」

「いえ、始める前に聞く事をしなかった私の責任です」

「家を建てたとき、あまった木材を今出すが、全然足りそうもないな、これで出来るだけいいから頼む

足りない分は俺が何とかする」

「仰せのままに」



 干し肉燻製もどきもそろそろいい頃合いだ、燻製機の中から取り出して見ると、いい出来だ

一つ食べてみると、これは成功だ!味も昨日から付けておいたから美味いぞ、全部燻製にしてもいいだろう

並べられるだけ全部並べておき、この後は薪集めをしなければいけない、それも出来るだけ早くだ。


 林の中を歩くも、薪にするには全然足りそうもなかった。

面倒ではあるが、木を何本か伐り倒して乾かせて薪にするしかないと考え、切り倒しポケットに入れた

カシナ達が居るとこに戻り、木を出し適当な大きさに切り、そこに熱風をあてる。

ある程度当てないと乾かない、これが面倒なんだ。


 この作業をしていて気が付いた、また同じ失敗を繰り返していた事があった。

そう、燻製用のチップも生乾きだ、燻製機を見ると白煙が上がっている・・・

仕方ない、次からのは乾燥させたものを使う、前回のも失敗ではないのだから問題ないはずだ。



「カシナ待たせた、この薪を使ってくれ、足りなくなりそうなときは言ってくれれば用意する」

「仰せのままに」



 丁度、罠班のアミとカスミが来たので、燻製機を手分けして使えるようにしていった。

もちろん俺も手伝った。30機使えれば一台15匹出来るから450は作れるようになる

4回、回せば1800か凄い数ができるぞ。


 この後は順調そのものだ、昼までに魚の追加を2回した、一回目の追加は終わり

二回目のが半分は、まだ捌き終わっていないが、もう昼食の頃だ 作った燻製でいいだろう。

俺の方の干し肉燻製も順調に出来上がり、昼食に出せた、すこぶる好評だ。


 まだ早い時間だが4回捕ったんだ。今捌き終わったので終わりにする。

だがまだ燻製が終わっていないから、罠の方もまだ終わりにはしていないが

フリャーもコーラも取り過ぎだな、どちらも3つの水槽に入っているし、

これはストーコウにもっていった3倍は軽くあるぞ、運べるのかが心配だ。



「カシナどうだ?」

「はい、今燻製機に入ってるので終わりに、もうそろそろかと思います」

「そうか、ではミアートの方も終わりにするように言ってくるか」


 

 罠の班に来てみると、罠を確認している所だった。



「ミアート、今確認してるので終わりにしよう」

「あ、兄さん、もう水槽が一杯になってますよ」

「今捕れているのは、新しい水槽に入れる、短い間だから両方とも入れていいからな」

「大丈夫?」

「今捕ったのは池に放そうと思う、フリャーとコーラは追加で放流していなかっただろ」

「了解です」



 罠の方もすぐに終わるだろう、水槽が7つだし、荷台を7台置いておくか

捌いていたミライ達に運んでもらうか。俺が一台運べば何とかなりそうだ、戻りながら運ぶ



「ミライ、3人を連れてミアート達の所に行ってもらいたい、予想外に獲れすぎて運ぶのに人手が足りない」

「いいわよ、まかせて」



 あ!罠の回収に、俺もまたいかないとダメだった・・・しぶしぶミライ達の後を追っていった。

アミとカスミで荷台に水槽をのせたようだ、子供でも力は凄い。

罠は一か所に集めておいてくれたので、すぐに回収できた。

ただ戻るのももったいないな、少しでも放流用の魚も持ち帰るか。



「ミアートにトーネ、悪いがもう一度坂を取るから手伝ってくれ」

「あい」「わかりました」

「全部はすくわなくていいからな、水槽に入れられるだけだぞ」



 カミナリを落としたから沢山浮いている、素早くすくい上げて水槽に入れる。

人の欲というものは・・・浮いているとすくいたくなる、水槽は満タンだ。

弱らせる前に早く放流しないと、急ぐ!


 燻製も終わって回収している早く終わった。燻製は全部ポケットにしまい

燻製機もトレーネに戻しもう帰るだけだ、終わったぞ~

帰る途中あのいやな兵士と会うかもしれないし、誰かに見られる可能性もある、

中が見えないように布をかぶせていく。



「皆お疲れ~予定よりも多く獲れたな、2000万プノ以上はあるだろ」

「スイ君・・・何ですかその金額は!」

「話したでしょ、ストーコウでこの半分も無い量で、カシナ達を買ったり買い物をしても

まだ1000万プノはあるんですよ」

「あらためて聞くとスイ君はすごいわね」

「いや、皆のおかげだ・・・・帰るぞ~」



 荷台が8台だ、目立つ・・な・・・・

トーネとミアート、俺が荷台を引いていない、ミアートはユーキ、トーネは引けるが背の高さの問題で、

俺が運ぼうとすると誰かがすぐに変わりますと来るからだ。



「ミライ、夕飯はまた魚でいいか?そろそろ飽きないか?」

「うん?飽きないけど?普通なら一生食べる事が出来ない人の方が多いのよ」

「そうなんだよな、でも俺は飽きてきた」

「何贅沢言ってるかしら、家でも釣れば食べられる、川に行けば好きなだけ獲れる、

こんな生活できるとは思ってなかったよ」

「ミライ達の暮らしが楽になれば、それだけでいいとするか」

「そうよ、それとも魚じゃなくて、あの釜土に投げ入れた芋だけにする?」

「俺が贅沢言っていただけだ!!!」



 以前の俺は毎日毎日、畑から取ってきた芋を釜土に投げ入れたものを食べていたんだ。

そんなに月日もたっていないのに、毎日魚は食べられるようになったんだ。

俺以外は全員劇変だろう、でも俺は・・食事レベルが駄々下がりなんだよ。


 ・・・・家の前にいるし・・・・何だよ・・・・

お供か何かわからないが三人でいるぞ、まだ何か用があるのか?



「ミホ、キョウチ、二人が引いているのは池に放流するものだ、見えないように放流してほしい」

「「畏まりました」」

「他の荷物は家の裏手に運んでおいてほしい・・・・あとカシナが引いてるのは

ミアート変わってやってくれ、トーネはユーキを抱っこしてミアートについて行って」

「了解」「あい」

「カシナは俺とあのいやな兵士の対応だ」

「仰せのままに」



 一応あの剣を出しカシナに持たせておく。

まためんどくさい事になるのか・・・・・

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