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48.兵士再び~~性格が出る~~

秋なのに・・秋の味覚サンマすらまだ食べていません。

 困ったぞ・・・

コマツが戻ってきた時に、あのいやな兵士もついてきたよ・・・ 


 この前の剣の事だ、売り言葉に買い言葉で800万プノで譲ると言ってしまった。

更に討伐隊が明後日王都に戻るから、同行しろだと・・

王都の討伐隊の本部に話をしに行くとまで言ってしまっている。

行かないともっと面倒になる予感しかしない。



「おい!平民明後日の朝出発だ、拒否は出来ないぞ!」

「そうは言われましても、こちらにも予定や準備などもあるんですが」

「そんなもの明日一日あるんだ、何とかするのが民の務めだ!」



 勝手だな・・百歩譲って王都に行くのはいい、近いうちに行ってみようとしてた事だし

それよりも討伐隊と一緒に行くのが問題だ!荷物などをポケットで運ぶ事が出来なくなる

トレーネも簡単に使えない、それ以上に俺が耐えられないぞ!!


 コマツは、軽い小さなもめ事程度にしか思っていなかったようだ

結構大ごとだとは知らなかったらしい、気まずそうにこちらを見ていたが、

コマツが悪いわけではないから、そんなに気にしないでほしい。



「兵士様、こちらも言ってしまった手前、王都に行きますが、明後日の朝は難しいかと」

「ダメだ!明後日行く事は決定だ!」

「では、兵士様たちは朝出発してください、こちらは遅く出ても、必ず王都に着くまでに追いつきますから」

「それもダメだ!必ず来る保障も追いつく保障もない」



 なんだこいつ!別に一緒に行かなくてもいいだろうが!!

一緒に行くメリットなんかないだろ!ムカムカする

そう思っている時に、コマツに話があると囁かれ、兵士と距離を開けるように言われた。



「兵士様、申し訳ありませんが、ほんの少し外してもよろしいでしょうか?

明日からの予定を詰めるのに、話しておかなければならない事がありますので」

「私からもお願いします、急な事で申し訳ありません」

「フン!!!」



 何だあれ!『フン』だと上から目線もいいかげんにしろ!!



「あの兵士たちは、食料と労働をスイ君に求めているみたいなの、家に食料を持って帰ったのが見つかり

前回の魚の事もあって、まだあるだろうと魚を目当てで同行しろと・・・・本当にごめんなさい・・」

「なるほどな・・あと労働とは?」

虎野アゲルサーベに襲われた歩けない兵士を運ぶのに、カースゲから荷台を借りていたのよ、

それを運ばせようとしてると思うわ・・」

「あいつは本当にきらいだ!」

「それとカースゲから頼まれて、王都に行くなら兵士に貸した荷台を帰りに運んできてほしいと、

それくらいなら別にいいと思い、安請け合いをして来てしまいました・・対価として3000プノ・で・」



 申し訳なさそうに、対価の3000プノを俺に渡してきた。

俺もそのくらいなら全然いい、ポケットに入れれば何でもない

大体兵の魂胆がわかった、これは絶対に一緒にはいかないぞ!!



「兵士様お待たせしました。やはり明後日の朝に出発は無理です」

「ダメだ!さっきも言っただろう!決定したことだ」

「そうは言われましても、明後日は大事な取引がありましてどうにもなりません」



 もちろんそんな取引はないが、適当ないけない理由を作った。



「ダメだ!そんなものは誰か代わりにやらせろ!」

「そうもいかない取引なのです」


 

 そんなに魚と運び屋が必要なのか!!意地でも絶対に一緒にはいかないぞ!!

 


「ダメだ!!」

「これ以上、話していても押し問答になるだけですよ?歩み寄らなければ、まとまらないと思うのですけど?」

「平民の分際で意見するのか!」

「わかりました。明後日の取引は諦めます、朝から王都向かう代わりに、損失を討伐隊に

請求させてもらいます、兵士様に保障人として契約書にサインをお願いします」



 これは全く持って詐欺だ!!取引などないのに保証してもらうとか、バレたらどうなるんだ??

兵士がこれでもいいと言ったらどうしようか?また王都の討伐隊本部が適当だと困るな。



「それでいくらなんだ?1万プノぐらいか?そのくらい払ってやるわ!」

「何を言っておられるのですか?今回の損失は200万プノですよ」

「ハァ~~~何を言っているんだそんなの払えるわけないだろ!!」

「ですから、兵士様ではなく討伐隊本部にですよ、それを約束した証明契約書です」

「そんな金額無理に決まっているだろ!!」

「では朝から行くのは無理です」

「それでもダメだ!!」



 何だよこいつ!子供かよ話にならない。

デパートのおもちゃ売り場の前で、買ってもらえず喚き散らしている子供と同じだな・・・



「ではどうしますか?」

「お前が朝からくればいいのだ!!」

「わかってもらえないのですか・・・では明後日は王都には行きません、

別にそこまでして行く必要も、こちらにはないですから」

「ムムムム!!!」

「お話は終わりです、お引き取りを」

「ちょっと待て~!!!平民の分際で!!」



 駄々を捏ねだした!!!鎧はこの前ぶった切ってやったが剣はもっている

その剣に手を伸ばしたし・・・何だよ思い通りにならないと暴力ですか・・子供の癇癪そのものだ



「ダメだったから、今度は剣を使って言う事を聞かせよう?って事ですか?」

「切り捨ててやるわ!!」

「こちらも黙ってやられると思いますか?虎野アゲルサーベも倒せなかったのに?」

「お前は剣も持っていないだろう」

「そうですね、俺は何も持っていないな・・・・・カシナ出て来なさい」



 カシナはドア向こうで、漆黒を身に包み待機していた。

指示を出していたわけでもないのに、気が利くというかよくわかったなと思う。

俺はサーモレーダーを使い、兵が他にいるのか確認した時に、カシナがいる事がわかった。



「仰せのままに」

「兵士様はカシナに勝てるかな?剣は全部はじかれると思いますが試してみますか?」

「ムムムムム!!」

「ご主人様切り捨ててもよろしいのでしょうか?」

「ああ~兵士様が剣を抜いたらいいだろう、許可する」



 カシナの持っている剣の斬れ具合もわかっている兵は、見る見るうちに青ざめて行った

気分爽快!!でもこれって、虎の威を借りる狐にみえないか・・・

この兵士がカシナさえいなければ!とか思ってそうだ。



「フン!平民など斬ってもつまらぬ!俺が妥協してやるから感謝しろ!

明後日遅れて出発してもいいが、必ず王都に着くまでには追い付けよ」

「兵士様も人が悪いですね、初めからそうしていただければよかったのに」

「物分かりがいい方だからな!平民、俺が優しくてよかったな、それとその女が来ている鎧も

全部持ってこい、それが条件だ!!」



 おいおい、物分かりがいい人が、後付け条件とかないだろう。

鎧も見た事だし、本部でつるし上げにでもして奪ってやろうぐらいは考えているな・・

捕られたとしても、あとからトレーネに戻して回収するだけだしな。



「では明後日、王都でお会いしましょう」

「フン!必ず守れよ平民」



 帰っていったよ・・・・本当にめんどくさいやつだ。



「スイ君、ごめんね、こんな大事だとは思っていなかったのよ」

「コマツが気にする事じゃない・・・・・それとカシナ、よくわかったな!しかもフル装備とか」

「はい、以前の兵が窓から見えたので、何かあったらと思い、出過ぎたことをしてしまいました」

「いや、カシナがいたから早く終わったようなものだ、助かったよ」

「お役に立ててよかったです」



 つかれた~!!

まだ時間もあるし部屋で休むか。カシナにコマツの部屋の案内を頼んだ

俺はそのまま部屋に直行、ベットで横になって明日の事を考えていた・・


 明後日王都に行くのだが、ストーコウと同じく燻製を持って行ったほうがいいだろう。

今後プノは多く有っても困ることは無いはず、となると明日は総出で燻製作りだ。

今回は人も多く、トレーネも多い結構な数を持っていけそうだ、皆には夕食後にでも話しておこう。


 王都に行くのは、荷台を頼まれたコマツは確定だ、あとは誰にするか?

ミライを連れて行くと、ヒュラスもついてきそうだ、その逆も今回はミライに用事がないので来るな・・

兵士の抑止力としてカシナがいいか、決してベストCカップだからではない!でも半分はそれが理由かも・・・


 大体こんなものだろう?明後日はもちろん朝からついて行く、当然用などないし、

お昼から行ったら追いつくのに苦労する、そんなことする必要など全くない。

兵士たちがわからないくらいの距離をとればいいだけ。


 もうリビングに集まるころだな、いやな事があった後だ楽しく行こう。



「みんな集まっているな、第2回夕飯は自分で釣れ!を開催する!!

・・・・ただし釣り上げたのは、絶対に残さず食べる事いいな?」

「「「「「はい」」」」」

「コマツは初めてだから、もし釣れない時は誰かに釣ってもらってもいい事にする」

「よろしくお願いします」

「ミライとヒュラスはどうする?手伝ってもらうか?」

「私は大丈夫だけど、ミライはトーネに助けてもらったら?」

「何言ってるの!!ヒュラスこそミホに頼んでおきなさいよ!」



 部屋を移動して、夕飯争奪戦だ!

今日多く放流したから、昨日よりも魚影は濃い、これで釣れないようならどうやっても釣れないな。

部屋の床を上げて、壁に固定すると水面が見える。コマツは初めて見るからびっくりするのかと思ったが

普通だった・・・なんか拍子抜けだ。びっくりするのに慣れてしまったか?


 コマツには今回はカシナとミホが付き、教えながらやっているから問題ないだろう。

俺はマジで釣り上げないとな、コマツに教える余裕もない・・・


 予想通りか?トーネが開始すぐに二匹釣り上げ早々納竿だ。

ミアートが昨日の苦戦が何だったのか三匹釣り上げた・・・



「来たってば~!!!」

「うそ~!ミライに負けた・・」

「ヒュラスまだだ!食べる分を釣り上げるまでが勝負だぞ!!」

「そ・そうよね」



 くそ~!!!ミライとヒュラスより、先に釣りあげる予定だったのにな・・

まだだまだこれからだ!



「来ましたわ!!」

「初めてのコマツさんにも負けた・・・」

「釣りはおもしろいですわね、ヒュラスも頑張りなさい」



 俺もコマツに負けたんだよな・・・だがもうわかったぞ、あわせを早くするんだよ

ほらな・・・釣れない・・・もう少し早く・・釣れない・・・



「また来ましたよ!」

「私もまた来た~~!!ヒュラスはどうしたのかな~?」

「うっさいわ~!!」

「スイアーフもどうしたのかな~?あと今日はじゃがバターはあるの?あるならもう魚はいらないな~」

「・・・ミライ楽しそうだな!!芋は今日はない!!」

「残念、じゃ~あと一匹は釣ろうかな~コマツさんもまだ釣った方がいいみたいよ?」

「そうですわね、私は4匹釣りますよ」



 くそくそくそ!!兵士にイライラ、釣りでイライラ・・・・

釣りのイライラは質が違う、嫌なものではないからいいか。

どんどん釣り上げ確保し納竿していく!また昨日と同じで刺身を作っている、これを見ると余計に焦る。



「これで終わり~~3匹目~」

「私も4匹目釣れたので終わりにしますわね」

「「・・・・・・・」」



 ・・・・・・・・・・・・・・・釣りってつまらない遊びだな。



「ヒュラス、釣れなくたっていいよな~みんなが夕飯の時二人で早めに寝ような」

「そうよね、早く寝たほうが健康に・・きた~~!!」

「マジですか!!」

「やっぱり食事を抜いたら、健康に悪いわ」

「おい~!!」



 なぜ釣れないんだ!!頭の中が真っ白だ!!



「また来たよ!!」

「え!え!え~~!」



 餌付けは一番早くなったな・・・何でもいいから一番を取れと、昔の偉い人が言ってたな~

ちがうか・・・親が子供に自信をつけさせる言葉だっけ?



「これで終わりよ~!あれ?スイアーフはダイエットですか?」

「おいヒュラス!!お前とは離婚だ!!」

「何それ??」

「ヒュラスとは子供なんか作らないって事だ!!」

「何よ~釣れないからってひどいな~!」

「ひどいのはヒュラスの手のひら返しだろ・・」



 この後は・・・・・『ごめんね』して俺の分も釣って貰いました・・・・

釣りは楽しむもので、競い合うものではないんだよ。

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