42.家で釣りをする!
秋の味覚いいですね
ミライ、ミアート、ヒュラスは専属を共に連れて、引っ越し作業だ。
俺もカシナを連れてあばら小屋に来た・・・・・来たのはいいけど持ち出すものがない!!
俺って・・・何も持って無いのな!!皮の腰巻は俺のではない父親の遺品?!
まだ生死がはっきりしていないのだが。
ミライやミアートも持ち出すものはほとんどない・・・・あらためてわかった究極の貧乏。
持ち出すものはトレーネで作った服など!トレーネで出した物だ。
思い出の物とかも無いようだし、簡単な引っ越しでした。
まだ日は高いな排水管の時に思いついたことを実行して見るか!
リビングにみんな集まっているし丁度いいだろう。
「少しやってみたいことがあるんだ、手伝ってもらえるか?」
いつも通り色々な返事が戻ってきた、確認もしておかなければ出来ない
何日か前の俺!!念阻の記憶が全然ないぞ何してたんだよ・・・
念阻を使っている所を見たことないと言われているし、興味なかったのか!
「カシナ、硬進強はどのくらいの期間もつ?」
「50年はもつと言われております」
「硬進強に水とか入れても問題はないか?」
「問題ございません」
「そうか、では計画を実行してもいいか」
「仰せのままに」
「家の周りに、堀を作ろうと思うがいいか?」
「問題ございません」
よし!できそうだ。前世で家に池があるのを見てすごく憧れた。
ここに作って見たかった。ちょうど家の下には硬進強で固めた堀があるんだ
これを活用してもいいだろう。
「では,堀起こすのは俺がやる、食料班4人とヒュラス、ミホ、キョウチを加えて
川に行き魚とフリャー、コーラを捕ってきてくれ、今回は魚も生きたまま持ってきて」
「フリャーとコーラはいいけど魚はどうするの?」
「ヒュラス、生け簀と荷台を出すから水に入れてくれば問題ないはずだ」
「よくわからないけど、気絶した魚を生け簀に入れてくればいいのね?」
「生け簀に魚は多く入れるなよ、自由に泳げるくらいまでで頼む」
「了解!・・みんな行くよ~!」
荷台5台と生け簀5個と罠を出し、ついでに魚をすくうアミも出す、全部わたすと川に向かっていった。
アミを出した時に思いついた!釣り道具も出せるはずだ!!
後で釣りをしてみたいな!
「ミライ、カシナ、掘り起こした所から硬進強で固めてくれ」
「了解よ」
「仰せのままに」
時間にして10分で作業が終わった。家の周りが堀になり、家の後ろには池ができた。
池の中には大小さまざまな石を入れておく。堀の上も歩けるように橋を架けた
家の下の堀にもつなげた!これで準備万端だ。
ここに水を入れるのだが・・半分入れてみた・・キョウチが来てからにしよう・・・・
「一階左奥の広い部屋を少し手直しする、来てくれ」
「何かするの?」
「楽しい事が出来る部屋にする」
「楽しみ!」
着いたぞ!広さは問題ない。開始だ!
「この部屋の、三分の一の床を開けられるようにしたい」
「畏まりました。床を壊して作り直します。少し下がってください」
「待て待て、俺が斜めに切り床が落ちないようにする・・・・『かまいたち!』
切り口がわからないぞ!精度上がり過ぎだ!!
部屋中央寄りの角に穴をあけ持ち上げた。綺麗な水が見える。
持ち上げた床は壁際に固定できるようにし、戻した時の強度が心配なので
床下も柱で補強した。
「ご主人様これは何をするのですか?」
「遊びだな」
「遊びですか?」
「アールネイヤでは多分誰もしない事だと思うぞ」
「そうなのですか?」
「そろそろみんな帰ってきてもいいころだ、出迎えよう」
準備も終わった。
外に出ても戻ってくる気配がないので、暇だったし川に向かってみる事にした。
まだ川にいるようなら追加で運んできてもいいな。
おいおい!ミアートとユーキを残して・・・川に入って遊んでいるし・・・
いや!実はまだ魚を取っているのかもしれない、決めつけてはダメだ。
「ミアートどうだ取れたのか?」
「あ、兄さん・・魚は捕れました、まだフリャーとコーラがそんなに捕れていないので、
待つ時間があったからみんな水浴びしてます」
「そうか・・そこまで考えてなかったな・・」
「ミライとカシナも行ってきていいぞ」
「カシナ、行くよ~~!」
「はい」
「ミアートも行っていいぞ、ユーキは俺が見ているから」
「兄さんありがとう」
ミアートもアミやカスミと同じくらいの年齢なんだ、遊びたくないわけないよな、
少しでも気にかけてやらないと子育てはパンクする。
いつもと同じ、ここで火をおこし串焼きだ!後続組が運ぶ魚を確保しながら
串焼き用の魚も捕る、それを見ながら・・・・毎回毎回魚でよく飽きないなと感心する。
俺ははっきり言って飽きた!!まずいわけではない、美味いが毎食魚はきつい・・
家の前の畑に野菜も多く育てたいと思った・・
アールネイヤに米も小麦も無いなら、未兎ちゃんに頼んで種もみを頼むぞ!!
なんといっても米が食いたい。
フリャーもコーラもある程度は取れたし、新築に戻る。
「キョウチ、水はどのくらい出せる?」
「硬進強をあれだけ使えたので、今の限界がわかりません」
「わかった、無理をしないようにこの溝に水を入れてほしい」
「畏まりました」
半分ぐらいまでは溜めておいたし問題ないだろう。
アミとカスミにフリャーとコーラをこの中に放すように指示を出し
他の者で荷台の魚も随時放していく。
キョウチは水を出し終わっても、まだまだ余裕があるみたいだし問題ないな。
水の中をのぞき込むと・・・フリャーやコーラがよく見えるな。
隠れる場所もあった方がいいか、皆に石を入れてもらう事にした。
しばらくすると、石の下にフリャーもコーラも隠れて見えなくなった。
魚は何匹かで、泳いでいるのは見えたしこのまま定着してくれるだろう?と期待した。
今日はもう何もしなくていいだろう。
それぞれ自分の好きに過ごすことも大事だ。
「日が落ちる少し前までは、自由時間にする、好きな事をしてくれ」
「「了解」」「はい」
ミライはトーネを連れて、ヒュラス、ミアートはそれぞれ自分の部屋に向かっていったが・・・
カシナ達は・・・ここで何してるんだ??
「カシナ達は何しているんだ?」
「ご主人様の指示を待っております」
「ん?さっき言っただろ自由時間だから好きにしろと」
「ミライ様達とは違うのです、私達は奴隷なのでそのような事は」
「部屋に戻り休んでいてもいいし、好きにしてていいぞ」
「それでいいのでしょうか?アミとカスミは初奴隷です、これが普通だと思い込んでは
この先二人は絶望してしまいます」
アミとカスミが絶望する?なんでだ?よくわからないぞ?
「なぜだ??」
「奴隷となったものは、自分の好きな時間など作れることがないのです。
私も以前の奴隷商主人は優しいいい主人だと思っていましたが、スイアーフ様は他の主人とは全然違います」
「そうなのか?俺も奴隷なんか初めて持ったから違いが判らないな、キョウチもそう思うのか?」
「私も以前の主人から、自分の好きな時間をもらったことはありません」
「ミホはどうなんだ?」
「はい、同じくありません」
奴隷の自由は寝ているときだけか。
カシナが食らいついてきた!!
「食事の事もそうです・・・奴隷はご主人様と一緒に、同じものなど食べる事は無いのです。
まして魚など奴隷どころか一般人や裕福な人でも、食べる事が出来ない物なのです。
部屋もそうです、個室などありえません!普通のメイドより条件が良すぎなのです」
「そうか、でも俺のやり方に慣れてくれ、これだけだ」
「それではこの先、アミとカスミが可哀そうです。初奴隷ではない私たちは、他の主人を経験しているので
現実をわかっていますが、二人は初なのでこれが普通だと思うでしょう」
「ん?それがわからないぞ?」
「スイアーフ様から売りに出されたとき、次の主人の所で待っているのは絶望です・・」
「次の主人??奴隷は何年か経過したら売らないといけないのか?」
「いえ、そのような事はありませんが、ご主人様に見限られた後の心配です」
「そんな事か、俺は誰一人手放す気はないぞ!手放すときは解放してやるから心配するな」
「そのような事仰られていいのですか?」
「かまわないだろう?カシナは見限られて出ていきたいのか?」
「そのような事は決して考えておりません、自由になったとしても今以上の暮らしがあるとは思えません」
「では問題ないな?解散だ!日が落ちる少し前までは何をしていてもいいぞ」
何をしていいかわからないようで、各々の部屋に入っていった。
慣れてくれ!これしか言いようがない。
俺はくり抜いた部屋に行って、イベント準備だ!!終わり次第外に出て準備だ!!
成功するかはわからないが・・・
日がだいぶ傾いてきた、そろそろ始めるか。
リビングに行くとヒュラス、ミホ、ミアート、カスミの4人が何か話しながら待っていた。
話し声が聞こえたのか、ミライとトーネが先の来て、キョウチ、アミ、カシナで全員そろった。
一度全員で外に出て、トレーネを使いブルーシートなどを出し用意した。
中に入ったら念阻は禁止な事も伝えたので何とかなるだろう。
移動!移動!
「今日の夕飯は自分で用意してもらう事にした!皆で魚釣りをする!釣れた魚を食べていい」
「ご主人様、魚釣りとはどんな事なのでしょうか?」
一通り説明はした、俺が自由時間に集めた餌!竿も仕掛けも準備してある。
女性なのにミミズ?や虫餌を触ることに誰も抵抗がないぞ!
当然か!ミライ達も普通に畑仕事をしている、畑の中に虫などは普通にいるはずだ。
さ~俺も参加して違いを見せてやるぞ!




