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神鳴りさんと夕立ちの午後  作者: 六青ゆーせー
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日記13

滝沢氏は、努めて白昼夢を忘れようとした。


「たまたま、昨年十一月からの幻聴と白昼夢を繋げて考えてしまうと不気味だが、おそらくは使っている薬の副作用に違いない。

考えてみれば、二週間ほど前から、新しい薬を使い出していたところだ。

新しい薬と、先生も言っていたので、まだ知られていない副作用が出たのだろう、と思い直した。


そう考えれば、民謡もいつの間にか覚えてしまっていたので、潜在意識が混ざり合い、あのような光景が生まれたに違いない」


そうは思っても、やはり気分が悪い。

なにより、昨年十一月から今年の一月まで悩まされていた幻聴のことが頭を離れない。


水音に脅え、列車に脅えた。

あれが再発、などと考えてしまうと、合理主義者の滝沢氏も、足がすくむようだ。


しばらく、うつうつとした気分で過ごしていたが、ラジオで防水仕様のラジオがあることを聞くと、早速PCで調べてみた。


世は平成の時代、ほんの数千円で防水ラジオが手に入り、またもっと安くヘッドフォンラジオが手に入った。


滝沢氏は、風呂でも列車でも、ラジオやテープを聴き続けた。

居間でも大音量でラジオをかけた。


奥さんは迷惑がったが、滝沢氏には、そうしなければならない理由がある。

今までは山口先生にしか話さなかった幻聴の苦しみを奥さんにも伝え、幸い奥さんも理解してくれた。


滝沢氏は、音の洪水の中で生活を始めた。


ただ早朝だけは勘弁してくれ、と奥さんに言われ、滝沢氏は耳栓をして寝、起きるとヘッドフォンでラジオを聞いた。


ヘッドフォンをしながら洗面台に立ち、朝のにユースを聞く。

居間のコタツに入り、その日もニュースを聞いていたのだが、いつのまにか寝てしまった。



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