日記1
十一月十二日
今日、Y大学病院に検査結果を聞きに行ってきた。
ここに来るまで、数えてみると十四の病院を回っている。
最初は近所の三木田眼科、そして秩父の総合病院。
埼玉の主だった病院も回り、いよいよ、日本で一番、検査施設の整っているという東京のY大学病院だ。
もう、単純に目の問題ではないことは分かっていたので、考えられるありとあらゆる検査を入院してまで受け、一週間、満を持して結果を聞きに行った。
だが、原因はやはり不明、とのことだった。
山口医師が言うには、この後は薬を試し、効果を見ながら原因を探るしかない、という。
本来ならば、車が運転できれば、月に四度、東京に通うなど何でもないのだが、今の私に運転は無理だ。列車とタクシーでは片道三時半、それも足元もおぼつかず、秩父はともかく、東京の混んだ列車の乗り換えは恐ろしい。
妻は運転手を雇え、というが、さすがに自由診療なので医療費だけでも大変なのに、そこまでお金をかけたくはない。
タクシーで東京に通えればいいのだが、朝七時に病院に着きたいと思えば、四時にはこちらを出なければならず、秩父のタクシー会社には、全て断られてしまった。
「目が悪くなってからの日記のようだね…」
安彦は言った。
「凄いな。ブラインドタッチで書いているわけか」
牧名正は、別なことに感心していた。
安彦たちは、スクロールし、先に読み進んでいった。




