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神鳴りさんと夕立ちの午後  作者: 六青ゆーせー
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元服の儀式4

その後、しばらくは順調に山を登り続けた安彦の足が、止まった。


道に、石の壁が出現していた。

提灯をかざして見てみるが、道幅一杯に石の壁は続いていた。


はて…。


安彦は途方に暮れた。


今までは物が出てきて、何をするのか、は、判ったのである。

だが、今回は違った。

ただ現象があるだけだ。


叩き割れ、とも、乗り越えろ、とも提示されない。

上を見ても、闇に溶けるまでずっと石であり、左右は深い森である。


壁はどうやら一枚石のようで、五月の今でも、とても冷たい。


よじ登るような起伏も無く、叩いてみても、相当の厚みがありそうな音がした。


提灯は、平成の世にもかかわらず蝋燭が燃えているので、口に咥えて壁登り、は無理そうだ。


安彦は森を見た。

この暗い森に潜り込め、ということだろうか?


石壁を掌で叩いた。

剛体術で、壁を砕くのか?


足元は土なので、掘ってでも前進すればいいのだろうか?


押すとか引くとか、引き戸のようにスライドさせるとか、或いは漫画のようだが、秘密のスイッチがどこかに隠されているとかか?


何かのゲームで、真っ直ぐ普通に歩いたら通れた、というのがあったのを思い出し、試してみたら、おもいっきり頭をぶつけた。


安彦は、ハァと溜息をつき、石の前に座った。

そのまま石壁を背に、いつしか安彦は眠っていた。

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