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消えた吹雪
安彦は、昼休みカフェテリアへ行ったが、吹雪はいなかった。
うーん、これは吹雪ちゃん、気まずくなっているのかなぁ…、よくない兆候だな、と、讃岐うどんを啜りながら思った。
当然ながら、クラスでは口は利かないし、休み時間には席を外す。
何とか下校時間に、と思ったが、本気で避けに入っている吹雪を捕まえることはできなかった。
計画からすると、今日中に吹雪ちゃんを説得できなければ、全ては一からやり直しになってしまう。
そうならないためには、吹雪のアパートまで行くしかなかったが、それはちょっと強引な気がした。
キモい…、とか思われたら、そこで終わっちゃうしなぁ…。
とはいえ、吹雪は携帯電話すら持っていない。師匠とは公衆電話で連絡しているのだ。
しばらく迷ったが、意を決し、吹雪のアパートまで歩き、ドアをノックしてみたが、留守のようだった。
うわぁ…、どうしよう…。
安彦は、自分の計画が雑だったことを思い知った。吹雪とランチを食べるのが当たり前だと思っていたのだ。こう、捕まらなくなるとは、予想もしていなかった。
おろおろする安彦に電話がかかってきた。
「もしもし?」
「吹雪よ。今、師匠のところなの。
師匠が会いたがっているから、今から来られない?」
絶対行く! と安彦は叫んでいた。




