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神鳴りさんと夕立ちの午後  作者: 六青ゆーせー
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煩悶

安彦は自分の部屋でノートの書き写しをしていた。

日本史のノートに色々書いていたので、新しいノートに書き写しているのだ。


タゴサ、マゴサ、交互、等と書き写しながら考える。


吹雪は、これで終わらせたいと思っているのだろうか?

安彦は気になって仕方なかった。


不謹慎だが、翌週に出る漫画雑誌が楽しみで仕方が無いような気分だ。それなのに正月だから来週は休み、と言われているようだった。


むしろああれか…。


作者急病のため休載、ってやつ。


むろん、吹雪の言うように、人は容易く死ぬのだろうが…。


しかし…。


秩父に行けば、滝沢氏が首を吊った家はみられるだろうし、安彦は、自分の目で、障りの正体かもしれないものを見ていた。


あの、青白いウジ虫の山から、もぞもぞと伸びていく小さな手。

あの、異様な面を被った少年。

小さな体から、体の半分ぐらいある長い面が伸びて、ふらふら揺れていた。


そう。廃工場には障りがある。

安彦はそれを見たのだ。

もし、中島永信が、祓ったと言い張るのなら、今井の殿様のためにも安彦は打てる手は打つべきではないだろうか?


しかし…。

そうは言っても吹雪にその気がないのでは、どうしようもない。

安彦は、ただの素人なのだ…。


考えるが、あまり良い手も浮かばない。

無理強いすれば、吹雪は心を閉ざしてしまうかもしれない。


今井の殿様より、やはり大事なのは吹雪の心だった。

だけど…。


安彦は、音を立ててシャープペンを机に置き、散歩に出ることにした。

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